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青景市立第二高等学校“魔法科”

#10

体育祭 前編

「はぁ〜い、みなさぁん。いきなりですけどぉ、来週に体育祭を開催しまぁす!」
北海道から帰ってきて早々に、衝撃の発表があった。
玲音は喜んでて……風雅は、動じてない。
知ってたのかな?
そのとき。
「お、体育祭か。なんか楽しそうじゃね?」
関雄大が、久しぶりに軽い調子で話しかけてきた。
「こういうのって燃えるよな。まあ、俺はあんま強くないけどさ」
「てか、お前運動会では毎年すっ転んで怪我してるよな。」
玲音も会話に参加してきた。
「気をつけてよ?」
「はは、大丈夫だろ。体育祭だし」
軽く笑って、雄大はそのまま離れていった。

「2人ともぉ。体育祭だからって、油断したらだめだよ?」
放課後になるなり、風雅がそう言った。
どういうこと?
「体育祭っていいながら、実際やるのは実戦だからね。」
「なあ、俺らって、ほとんど授業で実技はやっていないよな?」
確かにそうだ。
魔法がきちんと発動できるかどうかを調べた一回しか、魔法は使っていない。
「そうだねぇ。まあ、そういうこともあるよねぇ。」
「ねえ、風雅……なにか、知ってるの?」
風雅は軽く首を傾げて、
「さぁね?」
とだけ言った。
「お前、最近いっつもそうやって誤魔化すよな。」
玲音が呆れたように言う。
「だって、便利だもん。」
そんなやりとりを聞きながら、なにか違和感を感じた。
……なんだろ?

もう、体育祭当日。
風雅の言葉が引っかかっていたので、しっかり練習はしてきた。
魔法戦のトーナメントが発表される。
玲音や風雅とは、かなり勝ち進まないとあたらないような組み合わせだった。
確認をしたので、すぐ近くにあった魔法陣で闘技場へテレポートした。
観客席には保護者はもちろんいなくて、その代わりというわけではないが、見知らぬ教師のような人がいた。

弱かった。
みんなやっぱり実戦慣れをしていなくて、相手にならなかった。
時間があるのでなんとなく試合を見て、ふと関のところに目が留まる。
少し苦戦はしていたものの、割と上手く魔法が使えていた。
だが、相手のほうが一枚上手で、敗北していた。
……まあ、そんなもの、だよね。

玲音は風雅と戦ったのだが、一人だと苦戦していて、結局負けた。
決勝戦は私と風雅だった。
風雅はやっぱり強い。
とても長い試合になりそう。

5分を超えた頃、私は息が苦しくなってきた。
「はぁっ、はぁっ……」
「息があがってるねぇ。」
……あれ。
今まで、こんな短時間で息、上がってたっけ?
私は体力は昔から無かったけど。
「なんっ、で、だろ……」
「…さあねぇ。」
一瞬間があった気がするけど、頭がくらくらして、よく分からない。
もう限界、というところで、やっと風雅に勝つことができた。
「やったな、花織!」
玲音が声をかけてくれる。
いつもなら喜ぶところだけど、今はそれどころではない。
「…っ、はあ、はあ……」
玲音は、私の様子がおかしいことに気づいたのか、観戦席まで背負っていってくれた。
「大丈夫か?部屋で休んだほうがいいんじゃ…?」
一休みして、やっと息は整ったけど、まだ頭が痛い。
けどその程度なら、よくあることだ。
きっと、最近いろいろあって、疲れていたんだろう。
「……大丈夫。ありがと。」
風雅が、じっと私たちの様子を見ていた。

作者メッセージ

どうも、どりーむです。
体育祭の皮を被ったただの実戦ですね。
あと、なんとか全然使ってなかったキャラを登場させられて良かったです。
ではでは、また次のお話でお会いしましょう!

2026/05/09 17:22

どりーむ
ID:≫ 26a0UP4RanvbA
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