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ヴィラン

朝起きて自分の姿を鏡で見て、嫌悪する。
私は、こんな体、いらない。
だって、彼と付き合えないから―――

しばしそうした後、[太字]僕[/太字]はとびきり悪辣に演じる。
学ランに身を包み、男子っぽい物を持ち、“男子”を。
外に出て目に入ったのは、「ジェンダーレス」の広告。
皆はうわべだけで、心の中では僕を軽蔑している。
人でなし。関わりたくない。大人しく世に従えばいいのに。
お前らは乱歩すら知らねえのか。

「よお。」
教室につくと、彼が話しかけてきた。
嬉しい。たくさん話したい。
そんな私情は顔に出さず、“男子”になりきる。
「はよ。お前、寝癖ついてるぞ?」
可愛い。愛おしい。そんな感情もまた、押し込める。
すべて僕は持ってはいけないものなのだ。
どうでもいい話を皆とし、授業を受け、適当に部活をして帰る。
それを粛々とこなしていれば、誰も文句なんて言わないから。

物心がついたころから、ヒーローごっこよりもお姫様ごっこが好きで、ズボンよりもひらひらしたスカートの方が好きで、青や黒よりも赤やピンクが好きだった。
馬鹿にされ、気味悪がられ、気づいた。
私は“ヴィラン”なのだと。
勿論悪党は排除すべきだ。
だから、“私”は“僕”を演じることにした。
ヒーローごっこをし、ズボンを履き、持ち物は青や黒の物にした。
いつでも“僕”の皮で“私”を隠す。
皮が剥がれないように、本音なんて見ないふりだ。
綺麗な綺麗な虹を見ながら、また“私”は“僕”を演じる。
そうしないと、この残酷な世では、生きていけなんてしないんだから。

作者メッセージ

どうも、どりーむです。
初めての曲パロですが、どうですか?
良さげだったらまたやります。
ではでは、また次のお話でお会いしましょう!

2026/03/05 18:15

どりーむ
ID:≫ 26a0UP4RanvbA
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