(あぁ、大人になりたいなぁ……)
ビールの空き缶が散乱しているリビングで、今殴られた頬を押さえながら思う。
この世にない言語で喚いている母を静かに見つめる。
母は重度のアルコール中毒者だ。しかも、酔うと手が出るタイプの。
俺自身が殴られるようなことはなにもしていない。
酔っている母に夜ご飯を渡した。本当にそれだけだ。
酔っている母に近づくと殴られるのはもう慣れた。
それでも母に近づいたのは、母がもう何日も食事をとっていないからだった。
酒は湯水のごとく飲んでいたが、料理と呼ばれる食べ物を母は三日間食べていないだろう。
母が心配だった。
このまま死んでしまうのではないかって。
父が憎かった。
不倫した癖に母の承諾も得ずに離婚して。
自分が嫌いだった。
早くお金を稼ぎたいのに子供だから。
俺がお金を稼げば、母はどんな反応をするだろうか。
褒めてくれるだろうか。労ってくれるだろうか。
否、母はそんな人ではない。
お金を稼ぐ俺に依存するだろう。もっと働けと家から追い出すだろう。
母はそんな最低な人だ。
それでも、俺が最低な母を──最低な母さんを愛する理由は、母さんが俺の〝母親〟だからなのだろう。
俺は〝母親〟に死んで欲しくない。
今は辛うじて昼に母が働いているから、生きていけるがその内母は仕事に行くことを辞めるだろう。
だから、俺がお金を稼がなければいけないのだ。
アルバイトなんかじゃ足りない。
水道代も電気代もガス代も家賃も食費もビール代もすべて、俺が払わなければいけなくなる。
現在、17歳の高校2年生。
高校卒業まで残り1年と少し。
[小文字]「早く、大人になりたい……」[/小文字]
そう呟いた俺は猛獣と化した母に殴られた。
ビールの空き缶が散乱しているリビングで、今殴られた頬を押さえながら思う。
この世にない言語で喚いている母を静かに見つめる。
母は重度のアルコール中毒者だ。しかも、酔うと手が出るタイプの。
俺自身が殴られるようなことはなにもしていない。
酔っている母に夜ご飯を渡した。本当にそれだけだ。
酔っている母に近づくと殴られるのはもう慣れた。
それでも母に近づいたのは、母がもう何日も食事をとっていないからだった。
酒は湯水のごとく飲んでいたが、料理と呼ばれる食べ物を母は三日間食べていないだろう。
母が心配だった。
このまま死んでしまうのではないかって。
父が憎かった。
不倫した癖に母の承諾も得ずに離婚して。
自分が嫌いだった。
早くお金を稼ぎたいのに子供だから。
俺がお金を稼げば、母はどんな反応をするだろうか。
褒めてくれるだろうか。労ってくれるだろうか。
否、母はそんな人ではない。
お金を稼ぐ俺に依存するだろう。もっと働けと家から追い出すだろう。
母はそんな最低な人だ。
それでも、俺が最低な母を──最低な母さんを愛する理由は、母さんが俺の〝母親〟だからなのだろう。
俺は〝母親〟に死んで欲しくない。
今は辛うじて昼に母が働いているから、生きていけるがその内母は仕事に行くことを辞めるだろう。
だから、俺がお金を稼がなければいけないのだ。
アルバイトなんかじゃ足りない。
水道代も電気代もガス代も家賃も食費もビール代もすべて、俺が払わなければいけなくなる。
現在、17歳の高校2年生。
高校卒業まで残り1年と少し。
[小文字]「早く、大人になりたい……」[/小文字]
そう呟いた俺は猛獣と化した母に殴られた。