文字サイズ変更

ひなげし

#10

9章:──

「キャァァァァァァァァアアア!!!!!!」

叫び声。近い!

運動不足なりに声のする方へ全速力で走る。

間に合え…間に合え…!

角を曲がると人気の少ない小道。そこには、座り込んで後退りする女性が。
その視線の先に目をやる。
この数日間何度も見てきた顔が、苦しそうな表情で刃物を構えていた。
夢遊病連続殺人犯、その正体―。

やっぱり、な…

信じたくはなかった。でも、目の前には。

「おい!」

こっちを向いた。こっちに来た。良かった、新たな犠牲者が出る前で。
お前を止めるのは、俺の役目だ。

「ぁぅ……」

―?
腹が、猛烈に熱い。
何かが腹からこぼれていくような感覚。
生まれて初めての感覚。
変な汗が吹き出す。

俺は、どうなったんだろうか。

俺の目の前には夢の顔。
止めなきゃ。
これ以上その手を汚させはしない。
悴んだ手でソレを握りしめる。

サクッ

「なぁ、お前、名前、無いんだよな…?俺が、つけて、やるよ」

なん、だか…意識が…遠のいて…

「お前、は、ヒナ。しっかり、止めて、やったんだから、感謝しろ…よ…」

だめ…だ、意識が――。

消えゆく視界の中、最後に目に映ったヒナは涙を流していた、気がする。

「ありがとう…」


――地面に倒れ込んだ二人を守るように、雪が降り出した。

作者メッセージ

残すところあと1話です

2026/03/05 21:44

TAKOっち
ID:≫ 0seAHgxl/4K6Y
コメント

この小説につけられたタグ

TAKOっち文庫ひなげし

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はTAKOっちさんに帰属します

TOP