―真っ白な世界。
終わりなくどこまでも広がっているような、無機質な白い空間に俺はいた。
ここ…昨日と同じ…?
人は見た夢を忘れると言うが、例に漏れずすっかり忘れていた。
昨日の夢の場所と同じだ。
白く、静かで、ただなにもない空間。
だが、昨日と少し違うのは、優しく粉雪が降っていることだ。
どことない奇妙な安心感は俺を包み込む静寂からだろうか。
だがその静寂は、誰かの小さな呟きによって幕を閉じた。
「何も無い…ここどこ、って感じ?」
鈴を転がしたように、澄んだ美しい声だった。
音がした方へ振り向くと、昨日見たあの少女が俺を見つめていた。
「ここに人が来たの…初めて。すごく久しぶりに誰かと会えたの」
彼女はとても嬉しそうな、でもどこか儚い笑みを浮かべながらそう言った。
「…あなたは、誰ですか?」
「私…名前、覚えてないんだよね。幼い頃からずっとここで一人だったから。君は?」
「…ヒナタ」
「ヒナタって、呼んで良い?」
「…うん」
彼女はえへへと笑い、喜びを噛み締めているようだった。
「誰かと話したの、何年ぶりだろ」
そう彼女は笑う。
ずーっとここで一人ぼっちだったらしい彼女に疑問は絶えない。
「何年もずっと一人でここにいんのか?」
「うん…。この不思議な場所はね、んー、なんていうか、私の夢の世界なの」
「夢、の世界…」
「そう。私、幼稚園児の頃からずっと寝たきりみたい。ずっとここにいるの」
「ずっと、一人でか」
「そう、ずっと一人で。でも、とっても嬉しい。こんなの初めてだよ、誰かと会うなんて」
「じゃあ…俺はなんでここに?」
「わっかんない。私達、惹かれ合うところでもあったんじゃない?」
彼女は心底楽しそうに満面の笑みでそう話す。
するといきなり、降っていた粉雪が大粒の雪に変わって―、
あれ…なんか…視界がボヤけて…
いきなり歪みだした視界の中心に彼女がうっすらとみえる。
「――」
…何か言ってる…?
「ま――て―ね」
「また!!!来てよね!!」
―意識は、雪の世界へ沈んでいった。
終わりなくどこまでも広がっているような、無機質な白い空間に俺はいた。
ここ…昨日と同じ…?
人は見た夢を忘れると言うが、例に漏れずすっかり忘れていた。
昨日の夢の場所と同じだ。
白く、静かで、ただなにもない空間。
だが、昨日と少し違うのは、優しく粉雪が降っていることだ。
どことない奇妙な安心感は俺を包み込む静寂からだろうか。
だがその静寂は、誰かの小さな呟きによって幕を閉じた。
「何も無い…ここどこ、って感じ?」
鈴を転がしたように、澄んだ美しい声だった。
音がした方へ振り向くと、昨日見たあの少女が俺を見つめていた。
「ここに人が来たの…初めて。すごく久しぶりに誰かと会えたの」
彼女はとても嬉しそうな、でもどこか儚い笑みを浮かべながらそう言った。
「…あなたは、誰ですか?」
「私…名前、覚えてないんだよね。幼い頃からずっとここで一人だったから。君は?」
「…ヒナタ」
「ヒナタって、呼んで良い?」
「…うん」
彼女はえへへと笑い、喜びを噛み締めているようだった。
「誰かと話したの、何年ぶりだろ」
そう彼女は笑う。
ずーっとここで一人ぼっちだったらしい彼女に疑問は絶えない。
「何年もずっと一人でここにいんのか?」
「うん…。この不思議な場所はね、んー、なんていうか、私の夢の世界なの」
「夢、の世界…」
「そう。私、幼稚園児の頃からずっと寝たきりみたい。ずっとここにいるの」
「ずっと、一人でか」
「そう、ずっと一人で。でも、とっても嬉しい。こんなの初めてだよ、誰かと会うなんて」
「じゃあ…俺はなんでここに?」
「わっかんない。私達、惹かれ合うところでもあったんじゃない?」
彼女は心底楽しそうに満面の笑みでそう話す。
するといきなり、降っていた粉雪が大粒の雪に変わって―、
あれ…なんか…視界がボヤけて…
いきなり歪みだした視界の中心に彼女がうっすらとみえる。
「――」
…何か言ってる…?
「ま――て―ね」
「また!!!来てよね!!」
―意識は、雪の世界へ沈んでいった。