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『まともを追求し、光り輝く勇者一行の最後尾で泥にまみれた荷物持ちと一羽のハシブトガラスが共謀して作り上げた、誰も死なず誰も救われない、しかし極めて合理的で「まとも」な世界の終わり方についての冒険記』

#2

第二章:選ばれざる者の随行

1. 眩しすぎる「正解」の到来
谷底の静寂を破ったのは、軍靴の音ではなく、汚れなき白馬のいななきだった。 現れたのは、黄金の刺繍が入ったマントをなびかせる騎士と、聖杖を携えた乙女。後世の吟遊詩人が歌い上げるような、絵に描いたような「勇者一行」の先遣隊だ。
彼らは死体の山に目もくれず、ただ一人生き残ったエリオンを見つけ出した。
「生存者がいたか! 運が良い。我々は聖都から遣わされた、魔王討伐の義勇軍だ」
リーダー格の騎士が、眩しい笑顔で手を差し伸べる。エリオンはその光に目を細め、思わず後ずさった。その肩には、いつの間にか一羽のカラス——クロが止まっている。
2. 奇妙な「付録」
騎士たちはエリオンを救助したが、彼を戦力としては数えていなかった。 しかし、彼らが困っていたのは「地脈の知識」と「物資の管理」だ。
「君、このあたりの地形に詳しいな? 荷物持ちとして我々に同行しろ。給金と安全は保証する」
半ば強制的な勧誘だった。エリオンは断る術を持たず、重い背嚢を再び背負う。 そして、その頭上には当然のようにクロが舞い戻った。
「おい、そのカラスは何だ? 不吉な。追い払え」 仲間の魔術師が忌々しげに杖を振る。だが、エリオンは静かに首を振った。
「いえ、この鳥は……道の先を教えてくれるんです。さっきも、皆さんが来る方向を鳴いて教えてくれました」
それは真っ赤な嘘だった。クロはただ、エリオンが持っているパンの耳の残りが気になって付いてきているだけだ。しかし、エリオンの「観察」に基づいたその言葉には、不思議な説得力があった。
3. カラスの感想:群れの品定め
クロは空から、新しく加わった「群れ」を観察していた。
* 騎士(リーダー): 鎧が光りすぎていて隠密性ゼロ。声がデカい。
* 聖女: 良い香りがするが、あれは獲物を誘き寄せる罠か?
* 魔術師: 杖の先に付いている宝石が、つつき心地良さそうだ。
(……この群れは、前の連中よりは長く持ちそうだ。何より、あの『パンをくれる個体』を死なせない程度には、肉の壁が厚い)
クロにとって、勇者一行は「動く安全地帯」であり、エリオンは「専属の給餌係」に格上げされたのだ。

作者メッセージ

投稿遅くなりました!すみません!

2026/03/23 17:48

木綿豆腐
ID:≫ .6hYHj7tqbti.
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暴力表現連載小説カラス冒険記

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