八百万の国家と幻想郷の弾幕戦記

止まない雨が、JP(日本)の肩を重く濡らしていた。 灰色のビル群、行き交う傘の波。誰一人として隣を歩く者の顔を見ようとはしない。 「……ああ、重いな」 呟きは排気音に掻き消された。1億数千人の期待、数千年の歴史、そして現代が抱える歪み。それらすべてが、実体を持った重圧となって彼の背骨を軋ませている。 その時、視界の端に「朱色」が混じった。 コンクリートの隙間に、場違いなほど鮮やかな鳥居が、口を広げて待っていた。
――潜った先で、雨は止んでいた。 鼻をつく排気ガスの臭いは消え、代わりに濃密な土と、生命の匂いがした。 「ここは……?」 JPが顔を上げると、そこには紅白の装束を纏い、掃除を中断してこちらを胡散臭そうに見下ろす一人の少女が立っていた。

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