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暴力表現、流血ネタ、恋愛表現などがありますのでご注意ください
僕、[漢字]根本 シア[/漢字][ふりがな]ねもと しあ[/ふりがな]は儀式のために広場に来ていた。
朝方の薄暗い空は雲で覆われている。
雨は降らなそうだけど、どんよりした天気だとテンションが上がらない。
立ち止まって空を見上げていると、肩を叩かれた。
「なにしてんの?」
振り返ると、[漢字]来夏 ロイ[/漢字][ふりがな]らいか ろい[/ふりがな]が立っていた。
「ん~?『狐面』受け取りたくないなって思ってただけ~」
「あっそれあたしも同じ!」
元気な声が聞こえたと思うと、1人の女の子がひょこって僕の前に現れる。
[漢字]出雲 あやめ[/漢字][ふりがな]いずも あやめ[/ふりがな]ちゃんだ。
元気いっぱいで明るい女の子。
顔に浮かぶ笑顔は、一切の曇りを持たない。
僕とは大違いだなって、よく思う。
「私も同感だ」
落ち着いた声。この声を聞くと、あやめちゃんはいつも目を輝かせる。
「カガミ!」
[漢字]和枷 カガミ[/漢字][ふりがな]わかせ かがみ[/ふりがな]、冷静で優しい男の子。
あやめちゃんと一緒にいると、いつも幸せそうな顔をしている。
「やっぱみんな嫌だよね。僕も選ばれたくないよ」
[漢字]楽夜 薇喜[/漢字][ふりがな]らくや らき[/ふりがな]の声もする。
明るくて、少しいたずらっ子な男の子。
「薇喜の言う通り。僕は無敵になって寿命が1年になるよりもロイと過ごしてたいしー」
「そうだよね!って、そろそろ儀式始まりそうだよ!行こ!」
気づけば儀式を知らせる鐘が鳴っていた。
僕は遅れないようにするために、あやめちゃん、ロイ、カガミ、薇喜に続いて歩き出した。
・・・
「皆様、おはようございます」
神主の声が響く。
「本日は『狐面』の受取人を決める儀式の日にございますので、皆様は神霊様からの意見をお待ちください」
いつもならここで神主の持つ水晶が光り、受取人の名前が浮かび上がるはずだった。
…なのに、水晶が光を放たない。
それどころか、禍々しい闇が水晶の中をうごめいている。
村のみんなは初めての事態にざわざわと騒ぎ出した。
その時。
[大文字]ドシュッ[/大文字]
鈍い音が響き、神主が倒れた。
地面に赤い液体が広がる。
地面に落ちた水晶が、音を立てて割れた。
割れた水晶から闇が流れ出し、数えきれないほどの真っ黒な人間の形へと変化する。
しかもどう見ても高さが3m以上ある。
そして、彼らの間から黒いオーラをまとった男が姿を現した。
彼の手には黒い霧が浮かんでいて、倒れている神主の胸にも同じ霧がついていた。
みんなはパニックになって逃げ出していく。
僕もあやめちゃんもロイもカガミも、立ち上がって逃げようとした。
『ガァアアアアッ…!』
[大文字]ドン!!!![/大文字]
真っ黒な人間たちの腕が地面に激突した。
地面が揺れ、叫び声が上がる。
僕は思わず立ち止まってしまう。
「シア、走れ!逃げるぞ!」
ロイの大声を聞き、僕は我に返って走り出した。
いつの間にか、僕たちは真っ黒な人間たちに囲まれていた。
周囲を見渡しても真っ黒な人間ばかり。
息切れがひどい。
もう走れそうにない。
『ガアアアア…』
真っ黒な人間たちが、僕たちを捕まえようと手を伸ばしてくる。
捕まっちゃいけない。
僕は直感でそう思った。
ガシッ
「あっ!?」
あやめちゃんの腕を。真っ黒な人間が掴んだ。
「やめて、離して!!」
驚いて立ち止まってしまったロイとカガミ、薇喜も真っ黒な人間に捕まってしまう。
「チッ、クソが!」
「なんだ、これは…!?」
「なんなのさ、こいつ力強すぎでしょ!」
『ガァアアアア…!』
僕は力尽きて、床に座り込んでしまった。
目の前には、地獄の光景が広がっている。
燃える村と、捕まった友達と、真っ黒な人間たち。
ふと痛みを感じて足を見ると、ガラスの破片が刺さって血が流れていた。
今まで痛いと感じなかったのは、痛みより絶望が強かったからだろう。
僕は涙に濡れた顔を上げる。
そこで初めて、台に飾ってあったはずの『狐面』が僕の足元に落ちていることに気が付いた。
そしてそれが暖かく淡い光を放っていることにも。
朝方の薄暗い空は雲で覆われている。
雨は降らなそうだけど、どんよりした天気だとテンションが上がらない。
立ち止まって空を見上げていると、肩を叩かれた。
「なにしてんの?」
振り返ると、[漢字]来夏 ロイ[/漢字][ふりがな]らいか ろい[/ふりがな]が立っていた。
「ん~?『狐面』受け取りたくないなって思ってただけ~」
「あっそれあたしも同じ!」
元気な声が聞こえたと思うと、1人の女の子がひょこって僕の前に現れる。
[漢字]出雲 あやめ[/漢字][ふりがな]いずも あやめ[/ふりがな]ちゃんだ。
元気いっぱいで明るい女の子。
顔に浮かぶ笑顔は、一切の曇りを持たない。
僕とは大違いだなって、よく思う。
「私も同感だ」
落ち着いた声。この声を聞くと、あやめちゃんはいつも目を輝かせる。
「カガミ!」
[漢字]和枷 カガミ[/漢字][ふりがな]わかせ かがみ[/ふりがな]、冷静で優しい男の子。
あやめちゃんと一緒にいると、いつも幸せそうな顔をしている。
「やっぱみんな嫌だよね。僕も選ばれたくないよ」
[漢字]楽夜 薇喜[/漢字][ふりがな]らくや らき[/ふりがな]の声もする。
明るくて、少しいたずらっ子な男の子。
「薇喜の言う通り。僕は無敵になって寿命が1年になるよりもロイと過ごしてたいしー」
「そうだよね!って、そろそろ儀式始まりそうだよ!行こ!」
気づけば儀式を知らせる鐘が鳴っていた。
僕は遅れないようにするために、あやめちゃん、ロイ、カガミ、薇喜に続いて歩き出した。
・・・
「皆様、おはようございます」
神主の声が響く。
「本日は『狐面』の受取人を決める儀式の日にございますので、皆様は神霊様からの意見をお待ちください」
いつもならここで神主の持つ水晶が光り、受取人の名前が浮かび上がるはずだった。
…なのに、水晶が光を放たない。
それどころか、禍々しい闇が水晶の中をうごめいている。
村のみんなは初めての事態にざわざわと騒ぎ出した。
その時。
[大文字]ドシュッ[/大文字]
鈍い音が響き、神主が倒れた。
地面に赤い液体が広がる。
地面に落ちた水晶が、音を立てて割れた。
割れた水晶から闇が流れ出し、数えきれないほどの真っ黒な人間の形へと変化する。
しかもどう見ても高さが3m以上ある。
そして、彼らの間から黒いオーラをまとった男が姿を現した。
彼の手には黒い霧が浮かんでいて、倒れている神主の胸にも同じ霧がついていた。
みんなはパニックになって逃げ出していく。
僕もあやめちゃんもロイもカガミも、立ち上がって逃げようとした。
『ガァアアアアッ…!』
[大文字]ドン!!!![/大文字]
真っ黒な人間たちの腕が地面に激突した。
地面が揺れ、叫び声が上がる。
僕は思わず立ち止まってしまう。
「シア、走れ!逃げるぞ!」
ロイの大声を聞き、僕は我に返って走り出した。
いつの間にか、僕たちは真っ黒な人間たちに囲まれていた。
周囲を見渡しても真っ黒な人間ばかり。
息切れがひどい。
もう走れそうにない。
『ガアアアア…』
真っ黒な人間たちが、僕たちを捕まえようと手を伸ばしてくる。
捕まっちゃいけない。
僕は直感でそう思った。
ガシッ
「あっ!?」
あやめちゃんの腕を。真っ黒な人間が掴んだ。
「やめて、離して!!」
驚いて立ち止まってしまったロイとカガミ、薇喜も真っ黒な人間に捕まってしまう。
「チッ、クソが!」
「なんだ、これは…!?」
「なんなのさ、こいつ力強すぎでしょ!」
『ガァアアアア…!』
僕は力尽きて、床に座り込んでしまった。
目の前には、地獄の光景が広がっている。
燃える村と、捕まった友達と、真っ黒な人間たち。
ふと痛みを感じて足を見ると、ガラスの破片が刺さって血が流れていた。
今まで痛いと感じなかったのは、痛みより絶望が強かったからだろう。
僕は涙に濡れた顔を上げる。
そこで初めて、台に飾ってあったはずの『狐面』が僕の足元に落ちていることに気が付いた。
そしてそれが暖かく淡い光を放っていることにも。