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魔王になったらいつの間にか魔界を救ってました

#11

9話

[美咲視点]

「『究極水魔法 [漢字]水華連銃爆裂の術[/漢字][ふりがな]アクアブラスト[/ふりがな]』」


「お嬢様、どうですか!?」


「ダメだ!効いてない!」



私達は、突如現れたロボットに苦戦していた。全く攻撃が通らない。



「くっそ、全然仕組みがわからない。」


零魔法や水魔法、雷や光、闇も試した。


でも、全部通らない。


「そもそも、なんでこんなところで―――。」


シャルムが唸るように呟く。


ロボットは、魔王城の影となる部分から離れない、離れようとしない。


一体、どうしてなんだ―――?


そのとき、シャルムがバッと顔を上げて叫ぶ。




「――っ!このロボットの弱点は火です!」


[水平線]
[美音視点]

「あら、さっきと比べて少し雰囲気が変わった?

・・・・私の能力、解けてるわね。」


――気づかれた、でも想定内だ。



「『上級光魔法 まばゆい灯火』」


相手の目くらましに使う技、それがこれだ。


ビュン


僕はとっさにその攻撃を避ける。





「俺の登場ですよ、魔王の相棒さん。」



知らない男の声。



でもその言葉と同時に、僕の脳内には数分前に聞いた美咲の声が。



(美音、聞こえる!?そっちに誰か向かうかも知れない、気を付けて!)


それだけ言い、美咲はテレパシーを解いた。


きっと向こうでも誰かと戦っているんだろう。



まずは―――。



この2人を倒すところからかな。

[水平線]

[シャルム視点]

「お嬢様、火魔法です!!!」


火か、シャルムのこと信じるよ!


「『究極炎魔法 [漢字]朱色の朝日[/漢字][ふりがな]サンライズ・ヴァーミリオン[/ふりがな]』」


その瞬間、私の視界が真紅に染まる。


この技は、私の技の中でもかなり火力特化なもの。


見た目もこだわってないし、ただただ火力が高い。


そんなに自信があるなら、どのくらいの火力か教えろって?



多分だけど、巨大隕石が降ってきたときくらいじゃない?


だって、これ見てみ?


「―――お嬢様。」


シャルムが怖気ついちゃったもん。


「そうだね、シャルムは離れていたほうがいいかも。

一応結界を張っているとはいえ、万が一ってことがあるしね。」


[水平線]
[シャルム視点]

どうやったら、あんな物体を生み出せるんですか・・・・。


お嬢様の手には、先ほど私達の視界を染めた―――





バレーボールほどの大きさの、太陽がプカプカと浮いていた。


お嬢様のこの技は、[太字]擬似的な太陽[/太字]を作り出す、何とも驚異的な技。


本物の太陽よりも遥かに小さいのに、私はあれの圧に耐えられず建物の影に来ている。



お嬢様曰く、「自分の周りに炎を展開して、それを一瞬で圧縮している」だそう。



結界が張られているとはいえ――。


「少し心配ですね・・・・。」




でも、確実に倒せるはず。それは間違いありません。



美音さんの言うことですから、ほぼ当たっているでしょうけど・・・・。



そうして私は、少し焦っていた美音さんのテレパシーを思い出していた。


(そっちの敵の弱点を分析しました、弱点は――。)



[太字][大文字]太陽のような火。[/大文字][/太字]



もし倒せたら助っ人に来て欲しい、と言い残し美音さんの声が聞こえなくなった。


本来なら私はテレパシーができないけれど、凄腕の魔道具屋さんのおかげで。


そのおかげで戦いやすくなりましたから、お礼を言っておきたいですね。


そんな呑気なことを考えていると―――。


ブワァァァァァァ ブォォォォ



「・・・すごい熱気ですね。」



これなら、あのロボットも倒せているでしょう。



[太字]「余裕そうですね、あなた。」
[/太字]



「―――魔剣、切り刻んで。」


私はとっさに魔剣を召喚し、攻撃を命令する。


「ひどいですね〜?切り刻め、だなんて。」









[太字][大文字]「そんなこと出来るわけないのに。」[/大文字][/太字]



この侮辱するような声、聞いたことがある。煙で顔が見えにくいけど、間違いない。





「あなた、さっきお嬢様と戦っていた・・・・。」


「えぇ、そうですよ。本当は撤収しようと思ったんですけどね?」



なのに、わざわざ私のところへ?



「ちょっと相手の戦力を削っておこうと思いまして。」




「目的は何なのですか。」



少しでも、時間を稼がないと。



お嬢様とほぼ互角で戦っていた人物に、私が太刀打ちできるはずがない。


黒炎魔法を使えれば一番いいのでしょうけど・・・・・。



私は、相手の顔をちらりと見る。


「どうしました、怖気づきましたか?笑」



どうして、顔を見るだけで煽られるんでしょうね。



「そんな生半可な煽りには動じませんよ。」





さて、どうやって倒しますかね・・・・。



そう考えていると、私の視界の端に何やら上から落ちてくるものがチラっと見える。


なんだろう、と目を凝らして見てみると―――。




その視線の先には、消滅しかけているロボットと。



上から落ちてくる[太字]意識を失った[/太字]お嬢様があった。



「――お嬢様っ!?」



まずい、地面に落ちる前に向かわないと!



「おっと、先には行かせませんよ。」



「私の邪魔をしないでください!」


渾身の力で、相手の腕を振り払う。


「そう来ると思ってましたよ。俺が、ただの力で妨害するとでも?」


そう言われた途端、クラクラとしてきて足がもつれた。


私には、すぐにその正体がわかった。



「・・・毒、ですか。」



「ええ、そうです。俺は、あの人の役に立たないとなんで――。」



一度そこで切って、相手はこう続けた。



[大文字]「あなたには、ここで消えてもらいますね。」[/大文字]




ふふ、思わず笑ってしまいますね。


「私の[漢字]子[/漢字][ふりがな]植物[/ふりがな]たちが、そんな毒に負けるわけがないでしょう?」



そう言って、私はとあるポーションを取り出した。



「――植物魔法の使い手か、あなた。」


植物には、有毒なもの以外にも解毒作用のあるものもありますからね。



「醸造師さんに私が育てたハーブを使って作ってもらった代物ですよ、一級品です。」



それに、と私が続ける。


「専属メイドとして、[太字]主のことはすぐに助けないといけないんですよ。[/太字]『魔剣、やって』」



魔剣が相手の心臓を突き刺すのを見ると同時に、私は真っ先にお嬢様のもとへ向かう。



[太字]「すぐ行きますからね、お嬢様。」[/太字]


そう呟いたシャルムの瞳は。



とても希望に満ち溢れていた。

[水平線]
[美音視点]

何かがおかしい。


女のほうは別に問題ないのだけれど、男のほうに違和感がある。


全然つかれた様子を見せないし、動きが単調。




[小文字]「もしかしたら、分身―――?」[/小文字]



「あぁ、気づいたんですか。俺の分身に。」


特に驚いた様子も見せず、彼は言った。いや、少しエコーがかかっている。


スピーカーか何かを通して話しかけられているようだ。


「もう1つの分身は、心臓を突き刺されちゃってので消えちゃったんですよね。

あの、シャルムっていう人に。」


シャルムさんが・・・・・!?



何があったのか詳しくはわからないけれど、とにかく分身を倒してくれたみたいだ。



「隙あり。」


―――っ、まずい。避けきれない。


無意識のうちに僕は、無詠唱で初級魔法の光の盾を作る。

詠唱しないよりも防御力は劣るけれど、少しはマシになるだろう。



―――そう錯覚していたのは、僕が心のどこかで慢心していたからかもしれない。


パリン キンッ カキンッ


[小文字]「最悪だ・・・・。」[/小文字]



僕が最悪だと思ったのは、盾が破られたことではない。


攻撃を剣で防ぐのに、両手を使ってしまっていることだ。


今、ここで攻撃が仕掛けられたら・・・・・。



「『上級妖術 貴方は生と死の狭間にいる』お兄ちゃん、助けにきたよ!」



あはは、僕は情けないな。妹に助けられるなんて。でも。



「ようやく人数差というハンデが消えたね、これなら。」



絶対に勝てる。



そう思ったのもつかの間。



ピーピー ピーピーピー


相手のポケットから、電子音が鳴る。


どうやら連絡用の機器らしい、相手は耳に機器を当てこう言った。



「ちょっと、取り込み中なんだけど〜?

・・・あ、任務完了?わかった、すぐ帰るって伝えて〜!」


相手は、僕達の方を向いてこう告げた。



「目的は完遂しちゃったわ、残念だったわね?笑」


さっきまでの僕は動揺したかもしれない、けど。


「そうなんだ、ならその目的を突き止めないとね?」




[小文字]「お兄ちゃん、お兄ちゃん。男の人がいないよ!」[/小文字]


朱里に言われて、ハッとする。あたりを見渡すが、あの男は見当たらない。



・・・そういえば、あいつは敵の分身だったか。なら、急に消えるのも無理はない。







[大文字][太字]「お嬢様!!!!!」[/太字][/大文字]




バカでかいシャルムさんの声、美咲を呼んでいるみたいだけど・・・。



[太字][小文字]「早く・・・・、起きてくださいよ。」[/小文字]
[/太字]



―――?



「朱里、行くよ。」



美咲になにかがあったんだ、行くしかない。



シュン カキンッ


「あら、行かせるわけ無いでしょ?ここでそっちの戦力を削いでおかないとだし。

そっちの主戦力が消えれば好都合なのよ、だーかーら?」


この間にも、大量の攻撃が送り込まれている。


その攻撃を壊しながら、彼女の次の言葉を待った。





[太字][大文字]「絶対にここを通さないわ。」[/大文字][/太字]

作者メッセージ

ご閲覧ありがとうございました〜!

ただの戦闘シーンなのに、長くなりましたね、なぜだ。

次回、美咲たち最大のピンチ!?

それでは、また次回お会いしましょう!

2025/02/05 19:28

みかん@活休中
ID:≫ 78UZVo6DJIHP2
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魔救能力魔法最強ただの無双物語

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