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本当のプレゼント

「優くん。これ、あげる!」


そう言った彼女の手には、小さな窓がたくさんついたカレンダーがあった。


「アドベントカレンダー」というやつだろう。


毎日1つずつ窓を開けてクリスマスへのカウントダウンを楽しむ、というもの。


窓の中には、お菓子や雑貨が入っている。 


俺は毎年毎年その中身を楽しみに、クリスマスを待つ。


彼女と付き合ってから、もうすぐ3年。


今まで色んな人と付き合ってきたけれど、ここまで優しい子は初めてだ。


一番長く付き合っている。 ―――アイツを除けば。


いや、やめよう。 あんなやつのことを思い出すなんて、バカバカしい。




12月が始まると、必ずアドベントカレンダーをくれる。


過去には、こっちを泣かせるような手紙が入っていたり。


手作りのマフラーが入っていたりした。


逆に俺は、スイーツを買ってきてあげている。

彼女は甘いものが好きだからだ。




早速1つ目の窓を開けてみよう。


ガタッ


[太字]―――写真だ。[/太字]



ちょうど、今の彼女と付き合って一年のときに撮った写真。



このとき、俺は[太字]錯覚[/太字]していた。


今回の窓の中身は、[太字]付き合ってきたこの時間を振り返るものだ、[/太字]と。




[大文字]〜次の日〜[/大文字]



今日は、いつもよりも30分程 早く目が覚めた。


それだけ、カレンダーの中身が気になるのだ。



ガチャッ



そこに入っていたのは。



―――元カノが使っていたものと同じ種類の指輪。



ダメだ、アイツのことを思い出してしまう。



今の彼女と一緒にいるんだ、アイツのことは忘れろ、俺。



――そう思っているのに、忘れられないのは一体なぜなのだろうか。





それから一週間、俺が元カノのことを忘れることはなかった。


窓の中に入っているものが、元カノを連想させてしまうからだ。


3日前、彼女がこんな言葉を口にした。


「私、優くんの優しさが好きだよ。」


あの言葉を聞いてから、元カノが頭から離れない。


元カノが俺にずっと言ってくれていた言葉だからだ。



もう何を見ても、元カノのことを思い出してしまう。


元カノと行ったことがある観光名所のお土産、元カノと一緒に遊んだゲームの景品。



今の彼女に非はない、すべて俺のせいだ。


どうにかして、忘れることはできないだろうか。



そう思いながら、毎日 窓を開ける。




―――いっそのこと、彼女に説明してしまおうか。



俺の説明不足のせいで、彼女が悲しむよりもずっといい。



そう思い、俺は彼女を家に呼び、説明することにした。



「俺、実は――」


もう何と言われようと構わない、そう思って口を開いた瞬間。



「分かってるよ、元カノさんでしょ?」


俺は、思わず口を閉じた。 


なんで知っているんだ、そんなに分かりやすかったのか。


そう彼女に問うた。



「違うよ。」


彼女から、たった数文字で俺の考えは否定された。


一体なぜだ、いや。理由は何にせよ彼女に謝らなくては。


「私が本人だから。」



―――は?



「ねぇ、ゆうゆう?笑」



あぁ・・・・、俺を「ゆうゆう」と呼ぶのは1人しかいない。


今の彼女は、俺のことを優くんと呼ぶから。




「お前、いつから―――」



「最初から。ずっと気づかないんだもん、そんなに現実逃避したかったのかな?」



そうだったのか、と言おうとしたがやめた。


あまりにも、元カノとの共通点が多すぎたのだ。


映画好きで、甘いものが好きで。



きっと俺は、現実から目を背けていたのだろう。


「でもね、ゆうゆうが現実逃避した気持ち、何となく分かるよ。

自分の恋人が元カノばかりを見てたら嫌だもん。」


そう、彼氏が元カノのことでイジイジしてるのはな・・・・、と思い。


中々言い出すことができなかった。



それも、今日で終わりだが。


「でも、ゆうゆうのその優しいところ好きだよ。」



俺には、[漢字]元カノ[/漢字][ふりがな]大事な恋人[/ふりがな]がいるのだから。



もう別れないだろう、という謎の自信があった。



[太字][大文字]だから。[/大文字][/太字]



「また、一緒にいような?笑」









[水平線]




俺の元カノ―――、いや俺の彼女はなぜアレを選んだのだろうか。


「どうして、毎年アドベントカレンダーをくれたんだ?」


俺が覚えている限りでは、彼女にアドベントカレンダーに思い入れはなかったが。



「実は、まだ付き合ってたときに作っていたやつで。

だいぶあったから、ゆうゆうが楽しんでもらえたらなって。」


優しい、俺よりも彼女のほうが優しいのではないか。



「どうして、わざわざここまで?」


俺の彼女の家はだいぶ遠い。


長距離移動をしてまで俺にそんなに会いたい理由がわからない。



「あの日の約束を思い出したからさ。ゆうゆう、約束したじゃん。」




[太字]「お互いのこと、一生大事にするって。」[/太字]



だから、と彼女は続ける。





[太字][大文字]「あの約束、守りに来たよ。」[/大文字][/太字]

作者メッセージ

ご閲覧 感謝感謝☆

ちょっとクリスマス味を出してみた。

それでは、別の作品でお会いしましょう!

2024/12/25 21:28

みかん@活休中
ID:≫ 78UZVo6DJIHP2
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