[美音視点]
あれ、と僕は思う。
「その話が本当なら、美咲。今、零魔法使えないよね?」
美咲は表情を変えず、こう言う。
「あぁ、バレちゃったか。」
つまり、本当なのだろう。
これなら、僕にも勝ち目がある。
「『究極複合魔法 喧嘩するほど仲が良い』」
赤い竜と青い竜を召喚する技。
美咲の中でも、少ない魔力で攻撃できる技だ。
しかも火と水が複合する属性だから属性制限があっても使える。
でも―――。
今の僕の前では無力だ。
「『上級聖魔法 光と言う名の免罪符』、『能力発動 変化を操る程度の能力』」
保険として、周りの攻撃を吸収する。
さっきの技と違うのが、吸収専用だということ。
その証拠に、僕の周りには膜はなく、足元に渦が見える。
そして、僕の能力『変化を操る程度の能力』で、美咲の竜と攻撃の動きを止めた。
「―――ここからは、僕のターンだ。」
ウオォォォォォォォ!!!!
観客の声が聞こえる。
「観客の皆さん、僕の勝利を拝む準備はできましたか〜?」
僕は、できる限り大きな声で叫ぶ。
この声は止まってしまった美咲には聞こえていない。
ガッシャーーン
―――一体何事だろうか、何が落ちた。
[大文字]シーーーーーン[/大文字]
周りが静かになった。
いや、静かすぎる。
子どもの声も聞こえない、もちろん大人の声も。
シュンッ
風を切るような音と同時に、この辺り一帯に光が降りかかる。
「―――眩しっ。」
・・・・っ。
「え・・・・、どういうことですか――」
今、僕の目の前には美咲ではなく。
先程まで楽しそうに観戦していた観客の姿があった。
先程の明るい雰囲気はどこへ行ったのか、全員無表情。
まるで、何かに操られているかのように。
何かに導かれるかのように、うっすらと笑みを浮かべた観客たちには。
どこか不吉なものを感じさせる不気味さがあった。
「『標的変更』」
急いで、美咲を避難させる。
能力の標的を観客に変えているから、観客はピタリとも動かない。
「え、美音!?一体どういう状況なの!?」
「突然何かが落ちた音がしたんだけど、その後に観客の人たちがここに・・・・。」
美咲は少し考えた後、こう言った。
「シャルム。」
スタッ
「何の御用でしょうか、お嬢様。」
「美和さんたちは?」
「普段通りです、私も美和さんたちも。」
それを聞いた美咲はさらに質問をする。
「うーんと、関係がなさそうなことでもいい、何か知っていることは?」
なるほど、自分の知らないことを他人の知識で補うと。 考えたね、美咲。
「あ、そういえば美和さんが――」
シャルムさんの話によると、美和さんは美咲の火力に変化に気づいたらしい。
それが意図的なものでないなら、[太字]何者かの妨害[/太字]かも知れない、とも。
「シャルム、美和さんを呼んで。すぐに。」
「承知しました。『中級植物魔法 花粉よ届け』」
シャルムさんの足元から、青々と生い茂った植物が広がる。
「美和さんの元へ向かってください、急いで。」
[太字]ギリア[/太字]という名の花だったはず。
たしか、花言葉は。
「[太字]ここに来て[/太字]」
花言葉でメッセージを送ることが出来るみたい、汎用性が高くていいな。
「何事だ!? 我の近くに観客が攻めてきていたのだが・・・・・。」
美和さんが20秒ほどで到着した。
「怖かったよぉ、お兄ちゃん〜。」
朱里も近くにいたのか、怪我していないかな。
「朱里、怪我はない?」
「うん、大丈夫!」
かわいい、いやそんなことは置いといて。
美和さんの方にも・・・・!? 一体誰の仕業なんだ・・・・。
「まずは、観客の人たちの対処をしないとね。『能力補強』、『能力全解除』」
そう言った美咲は、先程までの冷静さとは打って変わって。
慈悲に満ち溢れた目をしていた。
[水平線]
[美咲視点]
『能力補強』は、私の能力の一つである『能力全解除』を無効化する。
そして、『能力全解除』は対象の能力の効果をすべて無くす。
対象が私の場合は少し内容が変化するのだが、それはまた今度で。
『能力補強』で美音の能力を解除しないようにする。
もし今、観客が動き出したら面倒なことになる――。
そんな気がした。
その後、能力を全解除。 これで、洗脳系の能力なら効果が切れたはず。
「美音、そこの人たちがかかってる能力を調べてほしい。」
これでダメなら、次はどうすれば良いんだ・・・?
「分かった。―――特にかかってる能力はないみたい。」
「まずは、これで洗脳状態を解除っと。」
でも、ますます意味がわからない。
一体誰が、何のために?
「少し話したいのだが、良いか?」
そういったのは、美和さん。
そういえば、意味深発言をしていたらしい。
[太字][大文字]「少し、その力に心当たりがある。」[/大文字][/太字]
そのときのあなたは、少し寂しげで。
それでいて、どこか強い決意のこもった目をしていた。
[水平線]
[美和視点]
この観客たちを見て、すぐに[太字]あの伝説[/太字]が浮かぶのはなぜだろうか。
これすらも、何者かに導かれているのだろうか。
そう思いながら、我は語り聞かされた伝説を思い出す。
今日は満月、そしてあの伝説も・・・・・。
満月には不思議な力が宿っていて、その力は生物の力を増幅させる。
昔から聞かされてきた、伝説の数々。
実際にそれを目撃した人もいた、我の友達なども見たそうだ。
「[太字]満月の日、魔族が突如暴走し、自分を見失ってしまう。[/太字]」 そんな内容だったはず―――。
―――まさか。
これなら、今の観客たちの状況に説明がつく。
・・・・そういえば。
我の頭の中にうっすらと、自らの思想を語ってくれた[太字]あの人[/太字]が浮かぶ。
[大文字]―――あなたなんですか、犯人は。[/大文字]
いや、そんなはずはない。
そう思っているのに、我の中にある妙な引っ掛かりは消えることはなかった。
あれ、と僕は思う。
「その話が本当なら、美咲。今、零魔法使えないよね?」
美咲は表情を変えず、こう言う。
「あぁ、バレちゃったか。」
つまり、本当なのだろう。
これなら、僕にも勝ち目がある。
「『究極複合魔法 喧嘩するほど仲が良い』」
赤い竜と青い竜を召喚する技。
美咲の中でも、少ない魔力で攻撃できる技だ。
しかも火と水が複合する属性だから属性制限があっても使える。
でも―――。
今の僕の前では無力だ。
「『上級聖魔法 光と言う名の免罪符』、『能力発動 変化を操る程度の能力』」
保険として、周りの攻撃を吸収する。
さっきの技と違うのが、吸収専用だということ。
その証拠に、僕の周りには膜はなく、足元に渦が見える。
そして、僕の能力『変化を操る程度の能力』で、美咲の竜と攻撃の動きを止めた。
「―――ここからは、僕のターンだ。」
ウオォォォォォォォ!!!!
観客の声が聞こえる。
「観客の皆さん、僕の勝利を拝む準備はできましたか〜?」
僕は、できる限り大きな声で叫ぶ。
この声は止まってしまった美咲には聞こえていない。
ガッシャーーン
―――一体何事だろうか、何が落ちた。
[大文字]シーーーーーン[/大文字]
周りが静かになった。
いや、静かすぎる。
子どもの声も聞こえない、もちろん大人の声も。
シュンッ
風を切るような音と同時に、この辺り一帯に光が降りかかる。
「―――眩しっ。」
・・・・っ。
「え・・・・、どういうことですか――」
今、僕の目の前には美咲ではなく。
先程まで楽しそうに観戦していた観客の姿があった。
先程の明るい雰囲気はどこへ行ったのか、全員無表情。
まるで、何かに操られているかのように。
何かに導かれるかのように、うっすらと笑みを浮かべた観客たちには。
どこか不吉なものを感じさせる不気味さがあった。
「『標的変更』」
急いで、美咲を避難させる。
能力の標的を観客に変えているから、観客はピタリとも動かない。
「え、美音!?一体どういう状況なの!?」
「突然何かが落ちた音がしたんだけど、その後に観客の人たちがここに・・・・。」
美咲は少し考えた後、こう言った。
「シャルム。」
スタッ
「何の御用でしょうか、お嬢様。」
「美和さんたちは?」
「普段通りです、私も美和さんたちも。」
それを聞いた美咲はさらに質問をする。
「うーんと、関係がなさそうなことでもいい、何か知っていることは?」
なるほど、自分の知らないことを他人の知識で補うと。 考えたね、美咲。
「あ、そういえば美和さんが――」
シャルムさんの話によると、美和さんは美咲の火力に変化に気づいたらしい。
それが意図的なものでないなら、[太字]何者かの妨害[/太字]かも知れない、とも。
「シャルム、美和さんを呼んで。すぐに。」
「承知しました。『中級植物魔法 花粉よ届け』」
シャルムさんの足元から、青々と生い茂った植物が広がる。
「美和さんの元へ向かってください、急いで。」
[太字]ギリア[/太字]という名の花だったはず。
たしか、花言葉は。
「[太字]ここに来て[/太字]」
花言葉でメッセージを送ることが出来るみたい、汎用性が高くていいな。
「何事だ!? 我の近くに観客が攻めてきていたのだが・・・・・。」
美和さんが20秒ほどで到着した。
「怖かったよぉ、お兄ちゃん〜。」
朱里も近くにいたのか、怪我していないかな。
「朱里、怪我はない?」
「うん、大丈夫!」
かわいい、いやそんなことは置いといて。
美和さんの方にも・・・・!? 一体誰の仕業なんだ・・・・。
「まずは、観客の人たちの対処をしないとね。『能力補強』、『能力全解除』」
そう言った美咲は、先程までの冷静さとは打って変わって。
慈悲に満ち溢れた目をしていた。
[水平線]
[美咲視点]
『能力補強』は、私の能力の一つである『能力全解除』を無効化する。
そして、『能力全解除』は対象の能力の効果をすべて無くす。
対象が私の場合は少し内容が変化するのだが、それはまた今度で。
『能力補強』で美音の能力を解除しないようにする。
もし今、観客が動き出したら面倒なことになる――。
そんな気がした。
その後、能力を全解除。 これで、洗脳系の能力なら効果が切れたはず。
「美音、そこの人たちがかかってる能力を調べてほしい。」
これでダメなら、次はどうすれば良いんだ・・・?
「分かった。―――特にかかってる能力はないみたい。」
「まずは、これで洗脳状態を解除っと。」
でも、ますます意味がわからない。
一体誰が、何のために?
「少し話したいのだが、良いか?」
そういったのは、美和さん。
そういえば、意味深発言をしていたらしい。
[太字][大文字]「少し、その力に心当たりがある。」[/大文字][/太字]
そのときのあなたは、少し寂しげで。
それでいて、どこか強い決意のこもった目をしていた。
[水平線]
[美和視点]
この観客たちを見て、すぐに[太字]あの伝説[/太字]が浮かぶのはなぜだろうか。
これすらも、何者かに導かれているのだろうか。
そう思いながら、我は語り聞かされた伝説を思い出す。
今日は満月、そしてあの伝説も・・・・・。
満月には不思議な力が宿っていて、その力は生物の力を増幅させる。
昔から聞かされてきた、伝説の数々。
実際にそれを目撃した人もいた、我の友達なども見たそうだ。
「[太字]満月の日、魔族が突如暴走し、自分を見失ってしまう。[/太字]」 そんな内容だったはず―――。
―――まさか。
これなら、今の観客たちの状況に説明がつく。
・・・・そういえば。
我の頭の中にうっすらと、自らの思想を語ってくれた[太字]あの人[/太字]が浮かぶ。
[大文字]―――あなたなんですか、犯人は。[/大文字]
いや、そんなはずはない。
そう思っているのに、我の中にある妙な引っ掛かりは消えることはなかった。