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【大型参加型】何でも屋Absolute Vanta残り7枠

#35

零と縨と芳乃

縨「おい芳乃、お前さっきから冷やしパインと水しか口にしてねぇだろ。少しは焼きそばも食えって言ってんだ。そんな細い体で次の任務で倒れでもしたら、俺の記憶改ざんの使い時が増えるだろうが!」

トングを片手に、銀髪を揺らして眉をひそめる縨

芳乃「私を見てまず最初にする事が食事の催促なの、辞めませんか? 縨。私は自分のペースで食べています。それとも何ですか、自分の育ちの悪さを私の食事量で穴埋めしようとでも?」

灰色の瞳で冷ややかに見返し、手袋をはめた手で綺麗にパインの串を弄びながら、トゲのある言葉を返す芳乃

縨「あぁ!? 育ちが悪いのは事実だが、これは純粋にお前の心配をして――」

芳乃「その心配が口うるさいと言っているのです。これを見ても怒るだけですよね、捷斗……じゃなくて、縨。だいたい、あなたのその――」

バサッ、と漆黒のロングコートが大きく翻り、二人の視界が真っ暗になった

零「はーーーい! そこまでーーー!」

身長200cmの巨体で、縨と芳乃のちょうど真ん中に、満面の笑顔で強引に割り込んで割って入ったのは零だった

縨「うおっ!? びっくりした……首領、急に割り込んでくんな! デカくて前が見えねぇ!」
縨は慌てて一歩下がり、うなじを隠すように首をすくめ

芳乃「……首領。人の私生活の言い合いに触らないでいただけます? いえ、私生活というか、ただの不毛な時間ですが」
芳乃は一瞬だけ驚きに目を見開いたものの、すぐに掴みどころのないミステリアスな表情に戻り、一礼をする

零「あはは! 二人とも、そんなにトゲトゲカリカリしてたら、せっかくの美味しいご飯が台無しになっちゃうよ? 此処のみんなは家族だよ。家族が喧嘩してるのは、僕、寂しいなぁ」
零はそう言って首を傾げ、三つ編みにした茶髪を揺らしながら、困ったように眉を下げて笑った

縨「……別に、喧嘩じゃねぇよ。こいつが頑なに水とパインしか食わねぇから……」

気まずそうに茶色の瞳を逸らし、ボソボソと呟く縨に対して零は

零「うんうん、縨が芳乃を心配なのはよく分かるよ。でもね? 芳乃だって、ちゃんと自分の体が分かっているんだから。……あ、縨、言い合いに夢中で口の横に焼きそばのソースついてるよ。動かないで、僕が拭いてあげるから」

純白の手袋をはめた手で、縨の頬を優しくホールドしようとした

縨「ぶふっ!? 触るな、自分で拭く! つーか、なんで俺だけ子供扱いなんだよ!」

縨は顔を真っ赤にして、全力で零の手から逃れるが

芳乃「ふふ。縨。首領に捕まった時のあなたは、いつも通り締まりのない顔をしています」

クスクスと、本当に珍しく、少しだけ棘の抜けた楽しそうな声の芳乃に笑われている

縨「……お前なぁ。お前……本当に大丈夫なのか? 精神的に。いつもそのくらい笑ってりゃ、俺だって突っかからねぇんだよ」
ふいをつかれたように、不器用な優しさを滲ませて芳乃を見つめた

零「よしよし、二人とも仲直りできたねぇ! 偉い偉い。じゃあ、お詫びに僕が特製の『チョコバナナわたあめトッピング』を作ってあげるから、二人で仲良く半分こしてね?」

縨「……は? なんだその暴力的な甘い塊は。食事は苦手だ。腹にものが溜まることは慣れてねぇって言っただろ!」

芳乃「私は水でお願いします。それだけで大丈夫です。……縨、首領のお手製です、あなたの分のチョコバナナも残さず食べてくださいね」

縨「おい芳乃!! 押し付けるな!!」

零「あはは、面倒くさがらずにちゃんと食べないと、僕、拗ねちゃうからね〜?」

にこやかに笑いながら、嬉々としてわたあめ機を回し始める首領の横で、二人は顔を見合わせ、今度は小さくため息を同期させるのだった

作者メッセージ

チョットの間書いていなかった弊害が!
でもうまくいった気がする~。
本編は明日から投稿です。

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