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【大型参加型】何でも屋Absolute Vanta残り7枠

#33

大嫌いと出前の追い打ち

翌朝、拠点のダイニングルーム。
零は昨夜の説教の余韻か、あるいは律たちの手厚すぎる処置のおかげか、少しだけ痛みを引きずりながら椅子に座っていた。

そこへ、膨れっ面をした姫叶と、どこか冷ややかな視線を送る梅紀がやってくる。


姫叶「ぼす! おはよ!!……じゃないよ!!」
姫叶がテーブルをバン! と叩き、零の顔を覗き込んだ。

姫叶「ひめ、本当に怒ってるんだからね。昨日のあんなボロボロな姿、もう二度と見たくない。……もし次、また一人で勝手に怪我して帰ってきたら、ひめ、ぼすのこと嫌いになるから!!」

零「えっ……! ひめちゃん、それは……」

梅紀「俺も同意見。零さん、あなたは家族、家族って言うけどさ、俺たちを不安にさせるのは家族じゃないよ。……次に同じことしたら、俺も嫌いになる」

梅紀の追い打ちに、零は目に見えて狼狽え、2メートルある体が椅子の角で小さく縮こまった。

零「嫌いになるなんて……それだけは、それだけは勘弁してほしいなぁ……。二人とも、僕の宝物なんだから……」


そこへ、淹れたての珈琲を手にした律が、足音もなく現れた。

律「おはようございます、首領。顔色が少しは戻ったようで何よりです。……さて、今日からしばらくの間、食事はすべて出前にしましょう」

零「えぇっ!? なんで!? 僕、今日はみんなに特製のお菓子と、夜は腕によりをかけて料理を作ろうと思ってたのに!」

驚愕する零に、律は珈琲を一口すすり、冷徹な一言を突き刺した。

律「あなたが怪我をして、まともに動けないからでしょう!! 傷口が開いたらどうするんですか。治療した側の身にもなってください」

零「そんなの、片手でだって作れるよ! みんなに美味しいものを食べさせるのが、僕の楽しみなんだから……っ」

律「いいえ、許可しません」


律の頑固な態度に、零が「えぇー……」と不満を漏らしたその時。姫叶と梅紀が顔を見合わせ、声を揃えてトドメを刺していく。

姫叶「……もう! 言うこと聞かないなら、ひめ、本当に首領なんか嫌い!!」
梅紀「俺も。……もう知らない」

二人がプイッと顔を背けた瞬間、零の余裕は完全に崩壊した。

零「わ、分かった! 分かったよぉ! 作らない! 怪我が治るまで、キッチンには指一本触れないし、大人しく安静にしてるから! だから……ね? 嫌わないで! 見捨てないでぇ……!」

必死に懇願する首領の姿に、姫叶と梅紀はこっそりアイコンタクトを取り、少しだけ表情を和らげていった。

姫叶「……本当に? 絶対に安静にする?」
零「うん、約束するよ!」

梅紀「……じゃあ、怪我が治ったら、いっぱい遊んでくれる?」
梅紀が少し照れくさそうに付け加えると、零はパァッと顔を輝かせ、いつもの穏やかな群青色の瞳を細めた。

零「勿論! 公園でも遊園地でも、二人が行きたいところ、どこへでも連れて行くよ。美味しいものも山ほど作ってあげる!」

その言葉を聞いた瞬間、姫叶と梅紀は零の両脇に飛びついた。

梅紀・姫叶「やったぁ! 首領大好き~~!!」

零「おわっ、と……あはは、響くけど………嬉しいなぁ」

抱きついてくる二人を、零は愛おしそうに、けれど今度は壊さないように優しく抱きしめ返す。その後ろで律が「……やれやれ。治るまでは、私がしっかりと監視させていただきますよ」と呆れ顔で呟き、拠点の朝には、いつもの温かな空気(と、少しの過保護)が戻ってきたのだった。

作者メッセージ

1360文字。長いっすね。まあいっか。

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