律「……さて。処置は終わりましたよ、首領」
律が最後の手袋を脱ぎ捨てた瞬間、その場の温度が数度下がったような錯覚を覚えた。
零「あ、ありがとう。律、こもちゃん、梓くんも。いやぁ、助かったよ。やっぱりみんなは僕の最高の――」
律「座りなさい」
律の低く、一切の感情を排した声に、零の言葉が止まった。
零「えっ……?」
律[太字]「正座です。今すぐに。」[/太字]
「えぇ……まだ傷が響くんだけど……」と零が弱音を吐こうとした瞬間、隣で血のついたナイフを丁寧に拭いていたこもが、美しくも冷酷な微笑みを浮かべた。
こも「首領。……聞こえませんでしたか? 『座れ』と言っているんですよ」
零「……はい」
2メートルある巨躯を小さく丸め、零は床に正座させられた。その様子を、心配そうに影から見ていた姫叶と梅紀だったが、こもがスッとその背後に立った。
こも「はい、子供たちはここまで。姫叶ちゃん、梅紀くん、あとのことは大人に任せて。美味しいお菓子でも食べて待ってなさい」
姫叶「えっ、でも、ぼすが……!」
梅紀「零さん、怒られてるし……」
こも「いいから、行きなさい?」
こもの有無を言わさないオーラに押され、二人は名残惜しそうに部屋から連れ出された。パタン、とドアが閉まる音が、処刑台の鐘のように響く。
部屋に残されたのは、正座する首領と、彼を見下ろす三人。
律「さて、首領。説明していただきましょうか」
律が腕を組み、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせる。
律「なぜ、応援を呼ばなかったんですか? あなたが合図一つ送れば、京士郎が駆けつけ、こもが影から首を撥ね、私や梓が処理人を連れ後始末の指示をした。……違いますか?」
零「いや……それはそうなんだけどさ。みんな忙しいかなって思って。それに、僕一人で片付けたほうが早いかなって……」
梓「『家族』、でしたよね」
今度は梓が、感情の抜け落ちた白い瞳で零を見つめる。
梓「首領。あなたはいつも言います。僕たちは家族だと。……家族がボロボロになって、切り刻まれて帰ってくる。それが残された者にとってどれほど『美しくない』光景か、理解していますか? 汚らしいんですよ、今のあなたは。……その無謀な判断そのものが」
零「うぐ……」
「梓の言う通りです」と、こもが冷たく継ぎ足していく。
こも「私たちがそんなに頼りないですか? それとも、私たちを傷つかせたくないから自分一人で痛みを背負ったとでも? ……もしそうなら、それは私たちへの侮辱ですよ、零さん」
零「……ごめんなさい」
最強の糸使いであり、組織の頂点に君臨する男が、今はただの「叱られた子供」のように肩を落とした。
律「二度と、一人で抱え込まないと誓ってください。次、同じような真似をしたら……」
律がゆっくりと零の顎をクイと持ち上げ、逃げ場を塞ぐように告げる。
律「あなたの言う『不自由な場所』に、あなた自身を閉じ込めることになりますよ。……いいですね?」
零「……はい、気をつけます……。あの、もう足の痺れが限界なんだけど……」
律・こも・梓「あと30分。そのままです」
零「えぇぇ……」
外では京士郎が鼠の始末を行い、別室では子供たちが心配している中、首領の長い夜はまだまだ終わる気配がしなかった。
律が最後の手袋を脱ぎ捨てた瞬間、その場の温度が数度下がったような錯覚を覚えた。
零「あ、ありがとう。律、こもちゃん、梓くんも。いやぁ、助かったよ。やっぱりみんなは僕の最高の――」
律「座りなさい」
律の低く、一切の感情を排した声に、零の言葉が止まった。
零「えっ……?」
律[太字]「正座です。今すぐに。」[/太字]
「えぇ……まだ傷が響くんだけど……」と零が弱音を吐こうとした瞬間、隣で血のついたナイフを丁寧に拭いていたこもが、美しくも冷酷な微笑みを浮かべた。
こも「首領。……聞こえませんでしたか? 『座れ』と言っているんですよ」
零「……はい」
2メートルある巨躯を小さく丸め、零は床に正座させられた。その様子を、心配そうに影から見ていた姫叶と梅紀だったが、こもがスッとその背後に立った。
こも「はい、子供たちはここまで。姫叶ちゃん、梅紀くん、あとのことは大人に任せて。美味しいお菓子でも食べて待ってなさい」
姫叶「えっ、でも、ぼすが……!」
梅紀「零さん、怒られてるし……」
こも「いいから、行きなさい?」
こもの有無を言わさないオーラに押され、二人は名残惜しそうに部屋から連れ出された。パタン、とドアが閉まる音が、処刑台の鐘のように響く。
部屋に残されたのは、正座する首領と、彼を見下ろす三人。
律「さて、首領。説明していただきましょうか」
律が腕を組み、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせる。
律「なぜ、応援を呼ばなかったんですか? あなたが合図一つ送れば、京士郎が駆けつけ、こもが影から首を撥ね、私や梓が処理人を連れ後始末の指示をした。……違いますか?」
零「いや……それはそうなんだけどさ。みんな忙しいかなって思って。それに、僕一人で片付けたほうが早いかなって……」
梓「『家族』、でしたよね」
今度は梓が、感情の抜け落ちた白い瞳で零を見つめる。
梓「首領。あなたはいつも言います。僕たちは家族だと。……家族がボロボロになって、切り刻まれて帰ってくる。それが残された者にとってどれほど『美しくない』光景か、理解していますか? 汚らしいんですよ、今のあなたは。……その無謀な判断そのものが」
零「うぐ……」
「梓の言う通りです」と、こもが冷たく継ぎ足していく。
こも「私たちがそんなに頼りないですか? それとも、私たちを傷つかせたくないから自分一人で痛みを背負ったとでも? ……もしそうなら、それは私たちへの侮辱ですよ、零さん」
零「……ごめんなさい」
最強の糸使いであり、組織の頂点に君臨する男が、今はただの「叱られた子供」のように肩を落とした。
律「二度と、一人で抱え込まないと誓ってください。次、同じような真似をしたら……」
律がゆっくりと零の顎をクイと持ち上げ、逃げ場を塞ぐように告げる。
律「あなたの言う『不自由な場所』に、あなた自身を閉じ込めることになりますよ。……いいですね?」
零「……はい、気をつけます……。あの、もう足の痺れが限界なんだけど……」
律・こも・梓「あと30分。そのままです」
零「えぇぇ……」
外では京士郎が鼠の始末を行い、別室では子供たちが心配している中、首領の長い夜はまだまだ終わる気配がしなかった。
- 1.参加シート
- 2.枠
- 3.創立記念日(5年前)
- 4.零と雪
- 5.零と梅紀
- 6.いるかわかんないけど首領の設定
- 7.零と律
- 8.零とゆり
- 9.零と羅牡
- 10.零と蒼
- 11.零と陽葵
- 12.律と梅紀
- 13.雪と蒼
- 14.零とこも
- 15.零と京士郎
- 16.零と都雪
- 17.零と幽薇
- 18.零と梓
- 19.零と姫叶
- 20.姫叶とこもと零
- 21.零と刹那
- 22.零と律と梅紀
- 23.幹部会
- 24.零と榊原と律の宴会
- 25.零と尽
- 26.零とユイ ミニお祭り騒ぎ
- 27.零と諒斗
- 28.零と木浪
- 29.零と拓也
- 30.零と柚木
- 31.零の大怪我
- 32.説教
- 33.大嫌いと出前の追い打ち
- 34.零と凛と紺
- 35.零と縨と芳乃
- 36.零とネム
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この小説の著作権は凪【参加型】何でも屋Absolute Vanta(まだまだ枠の空きあり!ぜひ参加してください!)さんに帰属します