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【大型参加型】何でも屋Absolute Vanta残り7枠

#32

説教

律「……さて。処置は終わりましたよ、首領」

律が最後の手袋を脱ぎ捨てた瞬間、その場の温度が数度下がったような錯覚を覚えた。

零「あ、ありがとう。律、こもちゃん、梓くんも。いやぁ、助かったよ。やっぱりみんなは僕の最高の――」
律「座りなさい」

律の低く、一切の感情を排した声に、零の言葉が止まった。

零「えっ……?」
律[太字]「正座です。今すぐに。」[/太字]

「えぇ……まだ傷が響くんだけど……」と零が弱音を吐こうとした瞬間、隣で血のついたナイフを丁寧に拭いていたこもが、美しくも冷酷な微笑みを浮かべた。

こも「首領。……聞こえませんでしたか? 『座れ』と言っているんですよ」
零「……はい」

2メートルある巨躯を小さく丸め、零は床に正座させられた。その様子を、心配そうに影から見ていた姫叶と梅紀だったが、こもがスッとその背後に立った。

こも「はい、子供たちはここまで。姫叶ちゃん、梅紀くん、あとのことは大人に任せて。美味しいお菓子でも食べて待ってなさい」
姫叶「えっ、でも、ぼすが……!」
梅紀「零さん、怒られてるし……」

こも「いいから、行きなさい?」
こもの有無を言わさないオーラに押され、二人は名残惜しそうに部屋から連れ出された。パタン、とドアが閉まる音が、処刑台の鐘のように響く。


部屋に残されたのは、正座する首領と、彼を見下ろす三人。

律「さて、首領。説明していただきましょうか」
律が腕を組み、眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせる。

律「なぜ、応援を呼ばなかったんですか? あなたが合図一つ送れば、京士郎が駆けつけ、こもが影から首を撥ね、私や梓が処理人を連れ後始末の指示をした。……違いますか?」

零「いや……それはそうなんだけどさ。みんな忙しいかなって思って。それに、僕一人で片付けたほうが早いかなって……」

梓「『家族』、でしたよね」
今度は梓が、感情の抜け落ちた白い瞳で零を見つめる。

梓「首領。あなたはいつも言います。僕たちは家族だと。……家族がボロボロになって、切り刻まれて帰ってくる。それが残された者にとってどれほど『美しくない』光景か、理解していますか? 汚らしいんですよ、今のあなたは。……その無謀な判断そのものが」

零「うぐ……」

「梓の言う通りです」と、こもが冷たく継ぎ足していく。
こも「私たちがそんなに頼りないですか? それとも、私たちを傷つかせたくないから自分一人で痛みを背負ったとでも? ……もしそうなら、それは私たちへの侮辱ですよ、零さん」

零「……ごめんなさい」

最強の糸使いであり、組織の頂点に君臨する男が、今はただの「叱られた子供」のように肩を落とした。

律「二度と、一人で抱え込まないと誓ってください。次、同じような真似をしたら……」
律がゆっくりと零の顎をクイと持ち上げ、逃げ場を塞ぐように告げる。

律「あなたの言う『不自由な場所』に、あなた自身を閉じ込めることになりますよ。……いいですね?」

零「……はい、気をつけます……。あの、もう足の痺れが限界なんだけど……」

律・こも・梓「あと30分。そのままです」
零「えぇぇ……」

外では京士郎が鼠の始末を行い、別室では子供たちが心配している中、首領の長い夜はまだまだ終わる気配がしなかった。

作者メッセージ

途中からなんだか笑えてきて凄かったです。

コメント

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AIツール #暴力表現何でも屋参加型

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