拠点の重い扉が開き、ずるりと引きずるような足音と共に零が帰還した。
漆黒のロングコートは刃物で幾重にも切り裂かれ、その隙間から覗く白Tシャツは、もはや元の色が分からないほどに赤黒く汚れている。
零「……あはは、ただいま。ちょっと……ミスっちゃった」
辻「首領……っ! その傷、どう見ても『ちょっと』じゃないだろ!」
真っ先に駆け寄ったのは、京士郎だった。凄惨な返り血と傷の深さに、一瞬で顔色を変える。
零「京士郎……ごめんね。悪いけど、外の守りを固めてきてくれるかな。鼠が一匹でも入り込めないようにね。」
零が青白い唇で笑うと、京士郎は拳を固く握りしめ、弾かれたように吠えた。
辻「当たり前だろ! クソッ……これ以上、指一本触れさせるかってんだ。あとの野郎は俺が全員ブチのめしてくる。……おい、! 首領を頼んだぞ!」
京士郎は怒りと使命感を剥き出しにして、嵐のように外へと飛び出していった。
姫叶「ぼす! ぼす、大丈夫!? ねえ、ひめのこと分かる!? どこが痛いの……っ」
梅紀「零さん! 嘘だろ、あんなに強いあんたが……これ、ひどすぎるよ……っ」
姫叶は零の無事な方の裾を握りしめて涙を浮かべ、梅紀は動揺を隠せずにその大きな身体を震わせている。零は二人を安心させるように、血に汚れた手袋を脱ぎ、震える手で二人の頬を撫でた。
零「大丈夫だよ、ひめ。梅紀くんも。……僕が死ぬわけないじゃない。君たちを置いてさ」
そこへ、梓が無機質な足取りで救急箱を持って現れた。
梓「……首領、あまり動かないでください。断面が荒いですね、美しくありません。早く整えないと」
梓が道具を広げると、律とこもが、厳しい表情で零の左右に陣取った。
律「首領。あれほど深追いはするなと忠告したはずですが。……こも、強めに縛ってください。少しは身に染みた方がいい」
こも「了解です、律さん。……首領、これ、かなり染みますからね。……えい」
こもが容赦なく傷口を消毒し、律が深い刺し傷を縫合し始める。普通の人間なら絶叫してのたうち回るような激痛のはずだった。しかし、零は眉一つ動かさない。
呻き声すら漏らさず、彼はただ穏やかな、聖母のような笑顔を浮かべて、心配そうに覗き込む姫叶と梅紀を見つめ続けている。
梅紀「ねぇ、零さん……本当に、本当に大丈夫なの……? 嘘ついてない?」
姫叶「ぼす……痛いの我慢しちゃダメだよ……っ」
二人の切実な問いかけに、零は群青色の瞳を細め、心底幸せそうに微笑んだ。
零「もちろん、大丈夫だからね? ……君たちがそばにいてくれるなら、これくらい、なんてことないんだ。……ほら、もうすぐ終わるから。終わったら、みんなで甘い物でも食べようね」
処置を進める律たちの手元では、肉を焼くような音と縫い合わせるような生々しい音が響いている。その凄惨な光景の中で、零の笑顔だけが、不気味なほど優しく、静かに揺れていた。
漆黒のロングコートは刃物で幾重にも切り裂かれ、その隙間から覗く白Tシャツは、もはや元の色が分からないほどに赤黒く汚れている。
零「……あはは、ただいま。ちょっと……ミスっちゃった」
辻「首領……っ! その傷、どう見ても『ちょっと』じゃないだろ!」
真っ先に駆け寄ったのは、京士郎だった。凄惨な返り血と傷の深さに、一瞬で顔色を変える。
零「京士郎……ごめんね。悪いけど、外の守りを固めてきてくれるかな。鼠が一匹でも入り込めないようにね。」
零が青白い唇で笑うと、京士郎は拳を固く握りしめ、弾かれたように吠えた。
辻「当たり前だろ! クソッ……これ以上、指一本触れさせるかってんだ。あとの野郎は俺が全員ブチのめしてくる。……おい、! 首領を頼んだぞ!」
京士郎は怒りと使命感を剥き出しにして、嵐のように外へと飛び出していった。
姫叶「ぼす! ぼす、大丈夫!? ねえ、ひめのこと分かる!? どこが痛いの……っ」
梅紀「零さん! 嘘だろ、あんなに強いあんたが……これ、ひどすぎるよ……っ」
姫叶は零の無事な方の裾を握りしめて涙を浮かべ、梅紀は動揺を隠せずにその大きな身体を震わせている。零は二人を安心させるように、血に汚れた手袋を脱ぎ、震える手で二人の頬を撫でた。
零「大丈夫だよ、ひめ。梅紀くんも。……僕が死ぬわけないじゃない。君たちを置いてさ」
そこへ、梓が無機質な足取りで救急箱を持って現れた。
梓「……首領、あまり動かないでください。断面が荒いですね、美しくありません。早く整えないと」
梓が道具を広げると、律とこもが、厳しい表情で零の左右に陣取った。
律「首領。あれほど深追いはするなと忠告したはずですが。……こも、強めに縛ってください。少しは身に染みた方がいい」
こも「了解です、律さん。……首領、これ、かなり染みますからね。……えい」
こもが容赦なく傷口を消毒し、律が深い刺し傷を縫合し始める。普通の人間なら絶叫してのたうち回るような激痛のはずだった。しかし、零は眉一つ動かさない。
呻き声すら漏らさず、彼はただ穏やかな、聖母のような笑顔を浮かべて、心配そうに覗き込む姫叶と梅紀を見つめ続けている。
梅紀「ねぇ、零さん……本当に、本当に大丈夫なの……? 嘘ついてない?」
姫叶「ぼす……痛いの我慢しちゃダメだよ……っ」
二人の切実な問いかけに、零は群青色の瞳を細め、心底幸せそうに微笑んだ。
零「もちろん、大丈夫だからね? ……君たちがそばにいてくれるなら、これくらい、なんてことないんだ。……ほら、もうすぐ終わるから。終わったら、みんなで甘い物でも食べようね」
処置を進める律たちの手元では、肉を焼くような音と縫い合わせるような生々しい音が響いている。その凄惨な光景の中で、零の笑顔だけが、不気味なほど優しく、静かに揺れていた。
- 1.参加シート
- 2.枠
- 3.創立記念日(5年前)
- 4.零と雪
- 5.零と梅紀
- 6.いるかわかんないけど首領の設定
- 7.零と律
- 8.零とゆり
- 9.零と羅牡
- 10.零と蒼
- 11.零と陽葵
- 12.律と梅紀
- 13.雪と蒼
- 14.零とこも
- 15.零と京士郎
- 16.零と都雪
- 17.零と幽薇
- 18.零と梓
- 19.零と姫叶
- 20.姫叶とこもと零
- 21.零と刹那
- 22.零と律と梅紀
- 23.幹部会
- 24.零と榊原と律の宴会
- 25.零と尽
- 26.零とユイ ミニお祭り騒ぎ
- 27.零と諒斗
- 28.零と木浪
- 29.零と拓也
- 30.零と柚木
- 31.零の大怪我
- 32.説教
- 33.大嫌いと出前の追い打ち
- 34.零と凛と紺
- 35.零と縨と芳乃
- 36.零とネム
通報フォーム
この小説の著作権は凪【参加型】何でも屋Absolute Vanta(まだまだ枠の空きあり!ぜひ参加してください!)さんに帰属します