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文スト短編集

#37

最期の呪い フョードル ②

シグマ「、、おい、これ、、」

シグマの声が、寒空に白く消える。
ニコライがひらりと鳥のように舞い降り、その肩越しに中を覗き込んだ。

ニコライ「おや、最後のお手紙? 自由への片道切符にしては、ずいぶん湿っぽいねぇ!」

おどけて見せるニコライだが、その瞳は笑っていない。ページに記されていたのは、クラスメイトたちへの恨み言でも、自分を追い詰めた世界への呪詛でもなかった。

●●『みんな、ごめんなさい。私がいない方が、きっと明日の教室は明るいから。』
●●『シグマ君、貸してくれた消しゴム、返せなくてごめんね。』
●●『ニコライ君、君の冗談、本当はいつも少しだけ楽しみだったよ。』

そこには、自分を疎み、蔑んだ者たちへの、あまりにも無垢な謝罪と感謝だけが並んでいた。
シグマはノートを握りしめ、言葉を失った。

シグマ「、、バカか、君は、、。謝るべきなのは、俺たちの方なのに、、!」

ニコライ「あはは、、。ボクに『楽しみだった』なんて、そんなの、自由どころか鎖じゃないか」

ニコライの口角が引き攣っていく。彼は●●の無垢さに、初めて「理解できない恐怖」を感じたかのように、顔を背けた。

最後に、フョードルがそのノートを手に取る。
彼は最後の一行に目を留めた。

●●『フョードル。あなただけが、私の隣にいてくれた。、、さようなら。大好きでした。』

フョードルは、その一文字一文字を指でなぞっていく。
周囲から徹底的に嫌われ、孤立させられるよう、裏で糸を引いていたのが自分であることなど、彼女は最期まで気づかなかった。

●●「、、ふふ、実に愚かだ」

フョードルの口から漏れたのは、嘲笑のような、溜息のような吐息。

フョードル「自分を殺した相手にまで愛を囁く。これほどまでに醜く、これほどまでに清らかな魂を、私は他に知りません」

彼はノートを閉じると、愛おしそうに胸に抱き寄せた。
シグマが絶望に打ちひしがれ、ニコライが空虚に笑う中で、フョードルだけは満足げに微笑んでいる。

フョードル「これで完成です。あなたは誰の手にも触れられない場所で、永遠に僕だけの『聖女』となった」

あなたの命が消えたことで、彼の孤独な世界に、たった一輪の枯れない花が供えられた。

作者メッセージ

歪んだ愛をど尊いものはないね。
と言いたいがきれいな愛も好きです。
あと好きな人に振られたんで誰かリクエストください。
今日中に書きます。

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