ちく、たく、ちく、たく、
ゆめ「暇だなぁ。」
時計の針の動きを眺めるのも、もう飽きてしまった。
そうだ、
ゆめ「病院を、うろちょろしよっと。」
ぱたぱたぱたぱたぱた。
スリッパの音が、静かな廊下に響く。
ゆめ「ここは……どこだろう……?」
??「ここは、待合室ですよ。」
ゆめ「わぁっ、びっくりしました……!」
振り返ると、白い服の人が立っていた。
ゆめ「看護師さんでしたか!」
看護師「ええ、そうですよ。」
ゆめ「あの……」
看護師「どうかしましたか?」
何かを言いかけて、ゆめは少しだけ迷う。
ゆめ「お名前、なんていうんですか?」
看護師は、柔らかく微笑んだ。
看護師「私は、麗萊緋音と申します。お名前をお聞きしても?」
ゆめは、ぱっと表情を明るくする。
ゆめ「私は、神谷ゆめっていいます!」
緋音「ふふっ。教えてくださり、ありがとうございます。」
ゆめ「それと……後ろの方は……?」
蒼「僕は、八神蒼です。よろしくお願いします。」
ゆめは、さらに嬉しそうに笑った。
ゆめ「はい!よろしくお願いします!」
八神蒼の背後、待合室の椅子には、数人の患者が座っていた。
誰も話さない。
けれど、眠っているわけでもない。
ゆめ「……あれ?」
ゆめは、首をかしげる。
ゆめ「こんなに人、いたんだ。」
緋音「ええ。皆さん、同じ病棟の方ですよ。」
同じ、と聞いて、ゆめは少し考えてから――
ぱっと、いつもの調子に戻った。
ゆめ「こんにちは!」
その声に、空気がわずかに揺れる。
視線が、いくつもこちらを向いた。
誰かが、戸惑うように瞬きをして。
誰かが、ゆめをまじまじと見つめて。
誰かは、名前を呼ばれた気がしたような顔をした。
ゆめ「神谷ゆめです!えっと……よろしくお願いします!」
沈黙。
一拍、遅れて――
「……よろしく。」
「どうも。」
「……同室、だったっけ。」
「……初めまして。」
小さく、ばらばらな声が返ってくる。
そのどれもが、少しだけ不安定だった。
ゆめは、それでも気にせず笑う。
ゆめ「わぁ、いっぱいだ。なんだか、にぎやかになりそうだね。」
緋音は、その様子を静かに見守っている。
蒼は、腕時計に一度だけ視線を落とした。
ちく、たく、ちく、たく。
待合室の時計は、変わらない速さで進んでいた。
ゆめ「暇だなぁ。」
時計の針の動きを眺めるのも、もう飽きてしまった。
そうだ、
ゆめ「病院を、うろちょろしよっと。」
ぱたぱたぱたぱたぱた。
スリッパの音が、静かな廊下に響く。
ゆめ「ここは……どこだろう……?」
??「ここは、待合室ですよ。」
ゆめ「わぁっ、びっくりしました……!」
振り返ると、白い服の人が立っていた。
ゆめ「看護師さんでしたか!」
看護師「ええ、そうですよ。」
ゆめ「あの……」
看護師「どうかしましたか?」
何かを言いかけて、ゆめは少しだけ迷う。
ゆめ「お名前、なんていうんですか?」
看護師は、柔らかく微笑んだ。
看護師「私は、麗萊緋音と申します。お名前をお聞きしても?」
ゆめは、ぱっと表情を明るくする。
ゆめ「私は、神谷ゆめっていいます!」
緋音「ふふっ。教えてくださり、ありがとうございます。」
ゆめ「それと……後ろの方は……?」
蒼「僕は、八神蒼です。よろしくお願いします。」
ゆめは、さらに嬉しそうに笑った。
ゆめ「はい!よろしくお願いします!」
八神蒼の背後、待合室の椅子には、数人の患者が座っていた。
誰も話さない。
けれど、眠っているわけでもない。
ゆめ「……あれ?」
ゆめは、首をかしげる。
ゆめ「こんなに人、いたんだ。」
緋音「ええ。皆さん、同じ病棟の方ですよ。」
同じ、と聞いて、ゆめは少し考えてから――
ぱっと、いつもの調子に戻った。
ゆめ「こんにちは!」
その声に、空気がわずかに揺れる。
視線が、いくつもこちらを向いた。
誰かが、戸惑うように瞬きをして。
誰かが、ゆめをまじまじと見つめて。
誰かは、名前を呼ばれた気がしたような顔をした。
ゆめ「神谷ゆめです!えっと……よろしくお願いします!」
沈黙。
一拍、遅れて――
「……よろしく。」
「どうも。」
「……同室、だったっけ。」
「……初めまして。」
小さく、ばらばらな声が返ってくる。
そのどれもが、少しだけ不安定だった。
ゆめは、それでも気にせず笑う。
ゆめ「わぁ、いっぱいだ。なんだか、にぎやかになりそうだね。」
緋音は、その様子を静かに見守っている。
蒼は、腕時計に一度だけ視線を落とした。
ちく、たく、ちく、たく。
待合室の時計は、変わらない速さで進んでいた。