〜red side〜
朝が始まった。
いつもと同じことをしているはずなのに、胸の奥がざわつく。
仏壇に手を合わせる。
「おはよ、母さん」
返事はない。
分かっている。それでも、言わずにはいられなかった。
「昨日ね、へんな通知が来たんだ。
戦えって。生きるために、だってさ」
母さんの写真は、何も言わない。
朝ごはんを食べ終え、出かける準備をする。
今日は、インドカレーlv.100でも食べようか。
——辛いものは、嫌いじゃない。
「辛いけど……おいひい」
汗を拭いながら、息をつく。
いつも通りの朝。
……の、はずだった。
ピロン♪
昨日の通知と、同じ音。
『評価戦闘を開始します。』
心臓が、一拍遅れて跳ねた。
『対戦相手は——緑です。』
「……緑?」
次の瞬間。
ごうっ、と空気が唸った。
視界が歪み、身体が浮く。
竜巻のような何かが、焔を包み込んでいく。
足が、地面から離れた。
——視界が、白に塗り潰される。
[水平線]
〜green side〜
目を開ける。
「……なんやこれ、眩しっ」
あまりの光に、思わず目を細める。
昨日の通知を思い出す。
戦え、生きるために。
「暇つぶしには、ちょうどええんやけどな」
別に待っていたわけじゃない。
ただ、いつ来るのかを考えていただけだ。
「うちは、別になんも望んどらんよ」
独り言みたいに呟く。
「ただ戦いたいだけやけん」
ピロン♪
『評価戦闘を開始します。』
「……え?」
一瞬、理解が追いつかなかった。
『対戦相手は——赤です。』
「赤……?」
次の瞬間。
ごうっ、と風が唸る。
身体ごと包み込むような竜巻。
足元の感覚が、消えた。
「まさか、今とは思いよらんかったわ」
軽く笑おうとして、喉が引きつる。
——視界が反転する。
[水平線]
誰もいない街。
人の気配すら一切しない。
そこに、二人は立っていた。
審判「お集まりいただき、ありがたく思います」
唐突に、声が響く。
審判「今から、あなたがたには評価戦闘を行ってもらいます」
茶髪の男——審判が、淡々と言った。
緑「なんやここ。
さっきまで家おったんに、急に変なとこ飛ばされたんやけど」
審判「ここは戦闘領域です。
評価のために用意された場所ですよ」
緑「へぇ……」
京は周囲を見回し、興味なさそうに鼻を鳴らす。
焔は、相手を見た。
赤「……お前、名前は?」
京「宇緑京や」
焔「僕は、緋ノ宮焔だ」
一瞬、沈黙。
京「……あんたは言わへんの?」
京が審判を見る。
審判「私の名前を知って、何になるのですか?」
冷たい声だった。
京「なんや、えらい無愛想やなぁ」
審判「……各自、位置につきなさい」
審判は小さく息をつき、告げる。
審判「——用意、始め」
二人の間に、見えない線が引かれた。
ここから先は、
生きるか、死ぬか。
朝が始まった。
いつもと同じことをしているはずなのに、胸の奥がざわつく。
仏壇に手を合わせる。
「おはよ、母さん」
返事はない。
分かっている。それでも、言わずにはいられなかった。
「昨日ね、へんな通知が来たんだ。
戦えって。生きるために、だってさ」
母さんの写真は、何も言わない。
朝ごはんを食べ終え、出かける準備をする。
今日は、インドカレーlv.100でも食べようか。
——辛いものは、嫌いじゃない。
「辛いけど……おいひい」
汗を拭いながら、息をつく。
いつも通りの朝。
……の、はずだった。
ピロン♪
昨日の通知と、同じ音。
『評価戦闘を開始します。』
心臓が、一拍遅れて跳ねた。
『対戦相手は——緑です。』
「……緑?」
次の瞬間。
ごうっ、と空気が唸った。
視界が歪み、身体が浮く。
竜巻のような何かが、焔を包み込んでいく。
足が、地面から離れた。
——視界が、白に塗り潰される。
[水平線]
〜green side〜
目を開ける。
「……なんやこれ、眩しっ」
あまりの光に、思わず目を細める。
昨日の通知を思い出す。
戦え、生きるために。
「暇つぶしには、ちょうどええんやけどな」
別に待っていたわけじゃない。
ただ、いつ来るのかを考えていただけだ。
「うちは、別になんも望んどらんよ」
独り言みたいに呟く。
「ただ戦いたいだけやけん」
ピロン♪
『評価戦闘を開始します。』
「……え?」
一瞬、理解が追いつかなかった。
『対戦相手は——赤です。』
「赤……?」
次の瞬間。
ごうっ、と風が唸る。
身体ごと包み込むような竜巻。
足元の感覚が、消えた。
「まさか、今とは思いよらんかったわ」
軽く笑おうとして、喉が引きつる。
——視界が反転する。
[水平線]
誰もいない街。
人の気配すら一切しない。
そこに、二人は立っていた。
審判「お集まりいただき、ありがたく思います」
唐突に、声が響く。
審判「今から、あなたがたには評価戦闘を行ってもらいます」
茶髪の男——審判が、淡々と言った。
緑「なんやここ。
さっきまで家おったんに、急に変なとこ飛ばされたんやけど」
審判「ここは戦闘領域です。
評価のために用意された場所ですよ」
緑「へぇ……」
京は周囲を見回し、興味なさそうに鼻を鳴らす。
焔は、相手を見た。
赤「……お前、名前は?」
京「宇緑京や」
焔「僕は、緋ノ宮焔だ」
一瞬、沈黙。
京「……あんたは言わへんの?」
京が審判を見る。
審判「私の名前を知って、何になるのですか?」
冷たい声だった。
京「なんや、えらい無愛想やなぁ」
審判「……各自、位置につきなさい」
審判は小さく息をつき、告げる。
審判「——用意、始め」
二人の間に、見えない線が引かれた。
ここから先は、
生きるか、死ぬか。