「……あっつ。」
コンクリートの匂い。
ビルの隙間に生えた雑草を、靴先で踏み潰す。
「誰がこんなとこ、掃除すんねん……」
ため息ひとつ。
日陰を探して歩きながら、伸びをする。
「……暇。」
ほんまに、それだけやった。
バイトもない。
約束もない。
特別な過去も、語るほどのもんもない。
「全力出さんでええ日って、最高やと思わん?」
誰に言うでもなく、独り言。
そのとき。
ピロン♪
「……ん?」
端末を見る。
『貴方は色として登録されました。』
「はぁ……?」
『これから貴方には、定期的に評価戦闘を行ってもらいます。』
「評価……戦闘……?」
『貴方には能力が発現しました。』
『貴方には、《徒然草》の能力があります。』
足元のひび割れから、
ぐ、と草が伸びた。
「……あ。」
時間が、
一瞬だけ止まる。
「……へぇ。」
驚きより、
先に来たのは――興味。
「……おもろ。」
『本評価は、「行動権」——ひいては「生存権」に直結します。』
画面を閉じる。
「生きるために戦え、か。」
少し考えて、肩をすくめた。
「……別に、望んどらんけど。」
草を踏みしめ、拳を握る。
「死にそうになったら……その時は本気出したらええやろ。」
空を見上げて、笑った。
「——早よう、始めよ。」
コンクリートの匂い。
ビルの隙間に生えた雑草を、靴先で踏み潰す。
「誰がこんなとこ、掃除すんねん……」
ため息ひとつ。
日陰を探して歩きながら、伸びをする。
「……暇。」
ほんまに、それだけやった。
バイトもない。
約束もない。
特別な過去も、語るほどのもんもない。
「全力出さんでええ日って、最高やと思わん?」
誰に言うでもなく、独り言。
そのとき。
ピロン♪
「……ん?」
端末を見る。
『貴方は色として登録されました。』
「はぁ……?」
『これから貴方には、定期的に評価戦闘を行ってもらいます。』
「評価……戦闘……?」
『貴方には能力が発現しました。』
『貴方には、《徒然草》の能力があります。』
足元のひび割れから、
ぐ、と草が伸びた。
「……あ。」
時間が、
一瞬だけ止まる。
「……へぇ。」
驚きより、
先に来たのは――興味。
「……おもろ。」
『本評価は、「行動権」——ひいては「生存権」に直結します。』
画面を閉じる。
「生きるために戦え、か。」
少し考えて、肩をすくめた。
「……別に、望んどらんけど。」
草を踏みしめ、拳を握る。
「死にそうになったら……その時は本気出したらええやろ。」
空を見上げて、笑った。
「——早よう、始めよ。」