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「『誰?』」

 朝、いつものように鍵をかけて家を出た。
 エレベーターの鏡に映った自分は、少しだけ疲れて見える。
 駅までの道で、誰とも目が合わなかった。

 会社で名前を呼ばれないのは、忙しいからだと思っていた。
 昼の注文も、伝票も、全部問題なく通る。

 ただ、呼ばれないだけだ。

 帰り道、ポストに自分宛の郵便はなかった。
 部屋に入ると、靴が一足多い気がした。

 風呂上がり、洗面所の鏡に、
 知らない歯ブラシが立っている。


 誰のものか考えながら、
 ふと、今日一度も自分の名前を
 思い出していないことに気づいた。

作者メッセージ

きゃー!読んでくれてありがとうございました!

2026/01/11 08:00

わたあめのべとべと
ID:≫ 8i2mOjc170zx2
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