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雲隠れ ー 八つの兆

#2

ふたつ アゼハシリ

 その穏やかな日々も、長くは続きませんでした。

 ある朝のこと。
 姉のナルが、忽然と姿を消したのです。

 どこへ行ったのか、誰にも分からぬまま。
 まるで、最初からそこにいなかったかのように。


 タヅと父親は、家の前で店仕舞いをしながら姉を思っていました。


タヅ「、、、、っ」

父親「っ大丈夫だ、きっとナルは帰ってくる。」

 父親はタヅを慰めるように、、、いや、
 自分に言い聞かせるのも含まれていたかも知れません。

タヅ「、、どこへ、行ってしまったの、?」

タヅ「ねぇお姉様っ、どうかお戻りになってください、、」

タヅ「まだ、生きていらっしゃいますか、、?」

 そう訊くタヅの瞳には、姉は映っていない。
 代わりに、涙が溜まっていた。



??「姉君が、いなくなられたとか。」

 そこには、怪しげな黒髪がひとり。
 その者はタヅにも父親の記憶にも残っていない顔だった。

タヅ「、、どなた、ですか、?」

??「おや、覚えておられませんか。いつもお二人でいらしたゆえ。」

 その怪しげな者は、さもこの店の常連のように言った。

父親「、、ええ。娘が、先日より姿を消しましてな。」

 父親は、出来る限りの笑顔で答えた。

??「左様でございましたか。」

 怪しげな、長い黒髪がタヅの顔にかかる。

[小文字]??「ーーーーーーーー」[/小文字]

タヅ「っ!?」

 父親にも聞こえないような小声だったはずの声が、
 タヅにはやけに大きく聞こえた。


[大文字]??「降霊の術にて貴女のお姉さんを下ろせるやも知れませぬ。」[/大文字]




??「また明日、来ますね。」

 その者は、長い黒髪を揺らしながら去って行きました。

父親「タヅ、、どうかしたのか?」

タヅ「っ、、なんでも無いです、」

父親「そうなら、いいんだが、、、[小文字]なんだったんだろうなあの人[/小文字]」

 タヅの瞳からは涙が消え、震える握り拳が映っていた。

2026/04/11 20:48

わたあめのべとべと
ID:≫ 8i2mOjc170zx2
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和風和風ファンタジー妖怪

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