文字サイズ変更

『名を呼ぶな、夜が来る』

#3

三話 『名を持たない理由』

 村の古い蔵は、昼でも薄暗い。
 埃と紙と、時間の匂いがする。

 私は呼ばれたわけじゃない。
 気づいたら、そこに入っていた。

 棚の奥に、帳面があった。
 文字は崩れていて、ところどころ読めない。

 [明朝体]——名を捨てた。[/明朝体]

 何度も出てくる言葉だった。
 
 “夜”から逃れるため、名を捨てた者たち。
 本名を隠し、呼ばれぬようにし、子へと伝えなかった一族。

 その代償として、
 “夜”に触れられること。
 “夜”を恐れなくなること。

 そして最後に、こう書いてあった。

 [明朝体]——名を持たぬ者は、境に立つ。[/明朝体]

 私は帳面を閉じた。

 村の人間が、私を便利に使った理由がわかった。
 夜に出せるのは、名を持たない者だけだった。

 守っていたのか、使っていたのか。
 その違いを、今さら考える気にはなれなかった。

 ただ一つ、胸に残った。

 [明朝体] ——境に立つ者は、いずれ選ばれる。[/明朝体]

作者メッセージ

ちょっと短かった、、、
読んでくれてありがとうございます!

2026/01/03 23:27

わたあめのべとべと
ID:≫ 8i2mOjc170zx2
コメント

この小説につけられたタグ

和風因習シリアス

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はわたあめのべとべとさんに帰属します

TOP