「ユキナは隠れ場所心当たりある?」
「う~ん、あるにはあるけど………。」
夏なのになぜか霜柱がある中庭。辺り一面可愛らしい小さな白い花が咲いている。その花が一瞬にして凍った。はっとして振り返る前に首に何かを当てられた。
「楽しそうね!」
その声と横目に見たときに見えた黒髪には見覚えがあった。
「フルイさん………?」
「覚えていたの?嬉しい!」
背後に立つナイラ・フルイがユリシスの首に当てているのは細い棒のような物だった。魔石と同じ冷たさに、これは魔石ではないかと考える。冷や汗が背筋を伝う。
「フルイさん、ソレを下ろしていただける?」
「嫌だって言ったら?」
ナイラの鋭い視線を向けられてユリシスに緊張感が増す。ユリシスは手の中にある魔石を握った。覚悟を決めた時、ソレはどかされた。振り返ると、口元にふわりと笑みを浮かべるナイラ。手には魔石が握られていた。さっきまで細い棒のような物だったのにとユリシスは不思議に思う。それを察したのかナイラは口を開いた。
「魔力をたくさん籠めると魔法石は変形するの。」
ユリシスは違和感をおぼえる。ユリシスがどれだけ魔力を籠めても魔石が変形したことはない。いったいどれだけの魔力を維持しているのか恐怖する前にユリシスは別のことに震えた。ナイラからは微弱な魔力しか感じ取れないんだ。恐ろしいほどに精密に魔力を隠密している。
「で、三人で何やってるの?」
「三人?」
その言葉にユリシスは首を傾げる。ここにはナイラを含め三人いるが、ナイラの口調だとナイラを含めていない。ユキナには何のことか分かったみたいだ。
「やっぱりか………!」
ユキナはやれやれとため息を吐き、ユリシスは頭にハテナを浮かべる。そんな様子をナイラは見てクスッと笑った。そして、片方の手をひらひらとさせて別れを告げるとどこかに行ってしまった。かなり自由奔放な人だなと思った。
「行こっか!」
「う、うん。」
ナイラのせいで大分時間を食ってしまった。走って探さなければならない。ユキナは心当たりがあると言っていたが自信なさげだ。まあ、C組は大体が成績優秀な人たちだからな。
「ねぇ、ユリシスちゃん、あれ誰だったの?」
「あの人は3-A組のナイラ・フルイさんだけど?」
ナイラの名前を告げるとユキナの顔から血の気が引いた。
「どうしたの?」
「やばっ!A組なのに敬語使わなかった!」
「え?」
「A組の人はほとんどが王族なんだよ!?敬語使わないとうちら退学だよ!?」
ユキナの話を聞いてユリシスの顔からも血の気が引いた。ユリシスの魔法学校生活もこれまでかとがっくりとうなだれる。
「別に私に敬語なんて使わなくていいよ?」
空中から声がすると思い上を向くと浮いているナイラの姿が。ともかくこれで退学になる心配はなくなった。ホッとするユリシスを見てナイラは口角を上げた。
「せっかく弟を犠牲にしてまで勝ち取ったノビリスだものね?」
その言葉にユリシスの中で何かが切れた。ユリシスはポケットから水色の魔石を取り出す。
「おっと、それを使うとこの学校が滅びちゃうよ?」
ナイラの言葉に、ユリシスは俯く。力なく垂れ下がる腕。ユリシスは深呼吸をすると、ソレをポケットに仕舞った。強風が吹き、ナイラは姿を消した。最後に言った言葉にユリシスはまたぶち切れそうになる。
「ユリシスちゃん、大丈夫?」
「うん………。」
ユリシスは心の中でナイラの言葉を再生する。
『貴方は選んでなんかいない。見捨てただけ。』
ユリシスは手の中で魔石を転がす。目は火がついたように爛々と光っていた。残りの授業時間は52分。
「う~ん、あるにはあるけど………。」
夏なのになぜか霜柱がある中庭。辺り一面可愛らしい小さな白い花が咲いている。その花が一瞬にして凍った。はっとして振り返る前に首に何かを当てられた。
「楽しそうね!」
その声と横目に見たときに見えた黒髪には見覚えがあった。
「フルイさん………?」
「覚えていたの?嬉しい!」
背後に立つナイラ・フルイがユリシスの首に当てているのは細い棒のような物だった。魔石と同じ冷たさに、これは魔石ではないかと考える。冷や汗が背筋を伝う。
「フルイさん、ソレを下ろしていただける?」
「嫌だって言ったら?」
ナイラの鋭い視線を向けられてユリシスに緊張感が増す。ユリシスは手の中にある魔石を握った。覚悟を決めた時、ソレはどかされた。振り返ると、口元にふわりと笑みを浮かべるナイラ。手には魔石が握られていた。さっきまで細い棒のような物だったのにとユリシスは不思議に思う。それを察したのかナイラは口を開いた。
「魔力をたくさん籠めると魔法石は変形するの。」
ユリシスは違和感をおぼえる。ユリシスがどれだけ魔力を籠めても魔石が変形したことはない。いったいどれだけの魔力を維持しているのか恐怖する前にユリシスは別のことに震えた。ナイラからは微弱な魔力しか感じ取れないんだ。恐ろしいほどに精密に魔力を隠密している。
「で、三人で何やってるの?」
「三人?」
その言葉にユリシスは首を傾げる。ここにはナイラを含め三人いるが、ナイラの口調だとナイラを含めていない。ユキナには何のことか分かったみたいだ。
「やっぱりか………!」
ユキナはやれやれとため息を吐き、ユリシスは頭にハテナを浮かべる。そんな様子をナイラは見てクスッと笑った。そして、片方の手をひらひらとさせて別れを告げるとどこかに行ってしまった。かなり自由奔放な人だなと思った。
「行こっか!」
「う、うん。」
ナイラのせいで大分時間を食ってしまった。走って探さなければならない。ユキナは心当たりがあると言っていたが自信なさげだ。まあ、C組は大体が成績優秀な人たちだからな。
「ねぇ、ユリシスちゃん、あれ誰だったの?」
「あの人は3-A組のナイラ・フルイさんだけど?」
ナイラの名前を告げるとユキナの顔から血の気が引いた。
「どうしたの?」
「やばっ!A組なのに敬語使わなかった!」
「え?」
「A組の人はほとんどが王族なんだよ!?敬語使わないとうちら退学だよ!?」
ユキナの話を聞いてユリシスの顔からも血の気が引いた。ユリシスの魔法学校生活もこれまでかとがっくりとうなだれる。
「別に私に敬語なんて使わなくていいよ?」
空中から声がすると思い上を向くと浮いているナイラの姿が。ともかくこれで退学になる心配はなくなった。ホッとするユリシスを見てナイラは口角を上げた。
「せっかく弟を犠牲にしてまで勝ち取ったノビリスだものね?」
その言葉にユリシスの中で何かが切れた。ユリシスはポケットから水色の魔石を取り出す。
「おっと、それを使うとこの学校が滅びちゃうよ?」
ナイラの言葉に、ユリシスは俯く。力なく垂れ下がる腕。ユリシスは深呼吸をすると、ソレをポケットに仕舞った。強風が吹き、ナイラは姿を消した。最後に言った言葉にユリシスはまたぶち切れそうになる。
「ユリシスちゃん、大丈夫?」
「うん………。」
ユリシスは心の中でナイラの言葉を再生する。
『貴方は選んでなんかいない。見捨てただけ。』
ユリシスは手の中で魔石を転がす。目は火がついたように爛々と光っていた。残りの授業時間は52分。