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孤児漂流記

#2

引取先は

 「よろしくねー!」

 「では、早速準備してくださいね」

 …。

 先生は厄介者はすぐに追い出したいと思ってる訳…?

 それともこの人の気が変わるまでに連れて行って欲しいと思ってるの?

 まあどうでもいいや。

 「準備しにいこー!!」

 「司熊うるさい」
 
 「えー!いいじゃーん!だって今日から兄妹じゃん!?」

 「だから何」

 「えー、白百合ひでー」

 はあ…。

 ホント、うるさいな。

 「ほら行くんでしょ」

 「おー!」




 読みかけの本と、この熊のぬいぐるみ…。

 コレだけでいいや。

 それだけをカバンに入れて下に降りた。

 「あれ?早いね、白百合ちゃん」

 「別に…。司熊が遅いだけです」

 「そっかぁ」

 こんな態度をとっていたら、きっと嫌われるだろうな。

 そう思うけど、つっけんどんな態度をとってしまうのはどうして何だろう。

 「うう、、グス、、お、お待たせぇ…、、グス」

 司熊は泣きながらぱんぱんになったリュックサックを背負って降りてきた。

 後ろには同じく泣いている小さい子たちがいた。

 
 …。

 そういえば、司熊は施設に小さい子と、すごく仲が良かったんだった。

 何だか、司熊がかわいそうで、でもお別れになっても泣けない私が、すごく惨めだった。

 でも

 「何してるの。泣いてるんだったら、ずっと、ここに残って、施設で一生を過ごせば?私は、行くけど」

 そんな言葉を浴びせていた。

 司熊はそんな言葉にも負けずに、前に歩いてきた。

 「…っ、、!行く。俺も、行く、、!」

 「…、、じゃあ、行こっか!」

 梨江さんが明るく言った。

 いい人だな、、。

 


 
 施設を出て歩いていると、梨江さんが言った。

 「フェリーに乗るから、二人とも酔わない?」

 …?

 ちょっと日本語おかしくない…?

 「おー!白百合も俺も大丈夫ー!!」

 「よかったー!」


 そこからフェリーで2時間かけて海沿いのある町に行った。

 何を話したかは覚えていない。

 でもきっと一人で黙っていたんだと思う。

 「さあ!着いたよ!いらっしゃいっ!」

 「おじゃましまーすっ!!」

 「おじゃまします」

 私は靴を揃えたけど、司熊はほったらかしで行った。

 「あ!いらっしゃい、じゃなくてもうここは、二人の家だからね、ただいま、だね!」

 「そっか!ただいまー!」

 「おかえり〜!!」

 明るいなぁ…、二人とも。

 何だか羨ましい。

 

2025/06/12 16:08

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