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孤児漂流記

#1

引き取り手

あの頃の、話をしようと思う。




いつものように、学校から帰ると、先生から呼び出しがあった。

…。なぜ、先生がいるのか、と思うかもしれない。

私は、親に捨てられて、孤児院に入っていた。

先生、というのはそこで、私たちの世話をしてくれる人だ。

「失礼します」

「ああ、[漢字]白百合[/漢字][ふりがな]サユリ[/ふりがな]ちゃん、どうぞ」

「はい」

「……?あれ?一人かい?」

「…。そうですけど」

先生は不思議そうな顔をしていた。

「…。[漢字]司熊[/漢字][ふりがな]シグマ[/ふりがな]くんも、呼んだんだけどね…」

先生は苦笑いをしていた。

「そうでしたか」

司熊…。同い年の、同く親に捨てられた男の子。

「遅れましたーっ!」

「あ、来たね。入っておいで」

「はーい」

「じゃあ、本題に入ろうか」

…。

本題。

何なんだろう。

「君たちの、引き取り手が、見つかったんだ」

「ええっ!?マジ!?」

「ああ、マジだ」

…。

おかしい。

ほとんどの里親は、交通事故なんかの孤児を引き取るのに。

「その方は、誰でもいいから、二人、下さいとおっしゃってね」

…。それでずっと引き取り手のつかない私たちを渡す、ということか。

かわいそうだな、その人も。

まあ要するに、『売れ残り』の私たちは、いらないってことだね。

「でね、その引き取り手の方は、梨江さんというお名前なんだ」

「もう、来てるの…!?」

司熊はすごくうれしそうで、興奮していた。

「ああ、来ているよ」

…。そうなんだ。もう来てるんだ…。

「入ってきてくれますか?」

「はい、失礼します。私、[漢字]紺野梨江[/漢字][ふりがな]コンノリエ[/ふりがな]と申します!よろしくね、白百合ちゃん、司熊くん」


こうして、私たちの孤児漂流記は始まった。

2025/06/12 08:02

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