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とりあえず部屋を出てみたものの……。
[大文字][大文字][大文字]広い!![/大文字][/大文字][/大文字]
何なんだこの家は!?
そしてそこら中に人もいっぱい。
男の人はだいたい腰布だけで、女の人はだいたいワンピース。
僕を見れば挨拶もしてくれる。
僕は何もできずにただ出口を探すだけ。
昔から挨拶は特に苦手だった。
だって人に会えば身体が硬直してしまうから。
何言えばいいのかわかんない。
どうやればいいのかわかんない。
「セト様、どちらへ?」
その問いにだって応えられない。
極度の人見知りな僕には。
って。
わ〜!!待て待て、どっちが出口だ?
いや、ほぼ橋みたいな廊下だからどこからでも出れるんだけどさ、人目が気になる!!
どうすれば……。
なんて考えていると、ズドーンと何かが僕の腰に直撃してくる。
僕はその何かにすっ飛ばされて、柱に激突。
……あんまり痛くないや。
見てみれば、そこには大きな豚が一匹。
「セト様!?お怪我は!?」
僕が首をふると、駆けてきた女の人はもう一度叫んだ。
「誰か、この豚を捕らえなさい!!」
そして出てきたのは屈強な男の人達。
これ、豚さんにとって結構やばいやつなのでは……?
嫌だよ!?目の前で肉にされるとか本当に嫌だからね!?
いや……それ以外にこの人たちがやることはないか……。
これってさぁ、豚さん担いで行けるかな。
逃げれるかなこれ。
う〜ん……。これ、僕はどうすべき?
本当にどうすべきなんだ?
とりあえず男の人たちと豚の間に立って、豚を守るように手を広げる。
「や、やめよ!」
出た声は思ったよりも子供っぽく、声変わりもしていない高い声だった。
「せ、セト様!?」
「しかし……その豚はセト様を傷つけられたのでございますよ?」
ありえないというような目でこちらを見てくる人たち。
廊下にいた人たちもざわつき出す。
「あ、その、じ、自分でカタはつけられる!人任せにしてられるか!」
高い声で凄むと、あぁやっぱりなと肩を落とした男の人達が、豚を縛って僕に渡してくれた。
「御自分でやると仰せなれば、我らには止められませぬ。
……行ってらっしゃいませ。」
暴れる豚を受け取って、僕はとりあえず外へ飛び出す。
できるだけ人目につかない茂みに隠れると、豚を縛っている縄を解いてやる。
「お前、良かったな。
もうここに来るんじゃないぞ。
今度こそ食べられちゃうからな〜。」
頭をなでて手を離してやると、豚は前足で僕の頭を殴った。
「痛っ!?な、何すんの!?」
びっくりしていると、脳内に誰かの声が流れてくる。
―こっちのセリフだ!!オレの身体乗っ取りやがって!!
貴様、さては異国の術者か?!―
はい???と思い、目の前の豚を見てみる。
怒りに震えるように鼻を鳴らし、武器さえあれば今すぐに殺してやると言い出しそうな予感。
「え、えっと……どなたですか?」
―はぁ!?オレのこと知らねぇのか!?
さてはやはり異国の者だな!
まぁ……知らねぇと話が進まねぇから特別に教えてやる!
オレはセト!この国、……エジプトっていうんだが知ってるか?―
コクっと頷くと、セト、という豚は話を続ける。
―で、この国の第二王子!武神……になる予定の者だ!
いつも通り寝たら獣になっていたから驚いたぞ!!
貴様……何をしやがった!?―
「わ〜!!!落ち着いてください!!誤解です誤解!!」
今にも殴りかかってきそうなセトさんの前足をおさえ、叫ぶ。
「僕も何もわからないんですよ!
何がなんだかわからなくてここにいるんです!」
―ハァ!?いや、だったら誰がこんなことしたっていうんだよ!?―
いやそれはこっちも聞きたいよ。
なんて言葉を飲み込みながら、セトさんにわかりませんと言う。
でも、ちょっと落ち着いたのかセトさんは上げた前足を下げてくれた。
「わかりませんけど。
あの、ごめんなさい、無責任でごめんなさいですけど!!
この身体、僕に預けてくれませんか。」
僕は言ってみる。案の定何!?とセトさんは前足を上げるけど、ぎゅっと押さえれば抑えられないことはない。
「無理やり戻そうとしたって何があるかわからないでしょう?
僕だけ生きて、あなたが死んでは意味がない。
それに本で読んでます。こういうの、大抵何やっても戻らないですよ。」
こういうときにラノベ情報は意外と役に立つ。
いや、【こういうとき】がある人が何人いるかは知らないけど。
―貴様!やはり異国の術者だったんだな!?―
「違います違います!!そうじゃなくて!
あの〜。僕の住むところではこういう話が昔から伝わってまして……。」
責め立てる豚のセトさんに、僕は慌てて言い訳。
こういう情報も、疑われる原因になっちゃうんだ。
―……まぁいい。本当に、オレを演じられるならいいとしよう。―
「大丈夫……です!!」
―不安だな。―
ため息が脳内に直接響くのでその不安さが倍増してこっちに伝わってくる。
そんなに不安か?僕、結構得意だぞ、こういうの。
―困ったら他の奴らに『よきにはからえ』とでも言っておけばいいんだが……
あぁもう!!心配だからついていく!―
普通に行きたかっただけでは?
と思ったけど、それを無視して、ハイと頷く。
「でも、それじゃ、怪しまれますよ。」
―案ずるな。神としての力はそのままだからな。―
「神様なんですか!?」
初耳!!と驚くと、人の話を聞けとまた前足で殴られる。
―オレ自身の姿にはなれないが、その他の奴らの姿になら、なれる。―
「じゃ、じゃあ、何になるんですか?」
そう問うと、セトさんは、ボンッと煙に包まれ、また姿を表した。
その姿は……。
「ね、ネズミ!?」
―これが一番怪しまれねぇからな。肩乗せろ。―
そしてセトさんは僕の肩に乗り、しがみついた。
―とりあえず部屋に戻れ。ずっと寝間着のままでいるな。―
「え、これ寝間着なんですか!?」
―当たり前だろ!はぁ……こりゃ、オレが最初から最後まで教えなきゃいけねぇのか……。―
「よ、よろしくおねがいします。」
そうして、僕とセトさんの不思議な協力生活が始まった。
―あ、聞いてなかったけど、お前、名は。―
「え、今ですか!?……○○ですけど。―
―○○?不思議な名前だな。ここらじゃ見かけない。
ま、よろしくな。○○。―
怖いかと思ったら、意外と面倒見が良さそうな人だった。
[大文字][大文字][大文字]広い!![/大文字][/大文字][/大文字]
何なんだこの家は!?
そしてそこら中に人もいっぱい。
男の人はだいたい腰布だけで、女の人はだいたいワンピース。
僕を見れば挨拶もしてくれる。
僕は何もできずにただ出口を探すだけ。
昔から挨拶は特に苦手だった。
だって人に会えば身体が硬直してしまうから。
何言えばいいのかわかんない。
どうやればいいのかわかんない。
「セト様、どちらへ?」
その問いにだって応えられない。
極度の人見知りな僕には。
って。
わ〜!!待て待て、どっちが出口だ?
いや、ほぼ橋みたいな廊下だからどこからでも出れるんだけどさ、人目が気になる!!
どうすれば……。
なんて考えていると、ズドーンと何かが僕の腰に直撃してくる。
僕はその何かにすっ飛ばされて、柱に激突。
……あんまり痛くないや。
見てみれば、そこには大きな豚が一匹。
「セト様!?お怪我は!?」
僕が首をふると、駆けてきた女の人はもう一度叫んだ。
「誰か、この豚を捕らえなさい!!」
そして出てきたのは屈強な男の人達。
これ、豚さんにとって結構やばいやつなのでは……?
嫌だよ!?目の前で肉にされるとか本当に嫌だからね!?
いや……それ以外にこの人たちがやることはないか……。
これってさぁ、豚さん担いで行けるかな。
逃げれるかなこれ。
う〜ん……。これ、僕はどうすべき?
本当にどうすべきなんだ?
とりあえず男の人たちと豚の間に立って、豚を守るように手を広げる。
「や、やめよ!」
出た声は思ったよりも子供っぽく、声変わりもしていない高い声だった。
「せ、セト様!?」
「しかし……その豚はセト様を傷つけられたのでございますよ?」
ありえないというような目でこちらを見てくる人たち。
廊下にいた人たちもざわつき出す。
「あ、その、じ、自分でカタはつけられる!人任せにしてられるか!」
高い声で凄むと、あぁやっぱりなと肩を落とした男の人達が、豚を縛って僕に渡してくれた。
「御自分でやると仰せなれば、我らには止められませぬ。
……行ってらっしゃいませ。」
暴れる豚を受け取って、僕はとりあえず外へ飛び出す。
できるだけ人目につかない茂みに隠れると、豚を縛っている縄を解いてやる。
「お前、良かったな。
もうここに来るんじゃないぞ。
今度こそ食べられちゃうからな〜。」
頭をなでて手を離してやると、豚は前足で僕の頭を殴った。
「痛っ!?な、何すんの!?」
びっくりしていると、脳内に誰かの声が流れてくる。
―こっちのセリフだ!!オレの身体乗っ取りやがって!!
貴様、さては異国の術者か?!―
はい???と思い、目の前の豚を見てみる。
怒りに震えるように鼻を鳴らし、武器さえあれば今すぐに殺してやると言い出しそうな予感。
「え、えっと……どなたですか?」
―はぁ!?オレのこと知らねぇのか!?
さてはやはり異国の者だな!
まぁ……知らねぇと話が進まねぇから特別に教えてやる!
オレはセト!この国、……エジプトっていうんだが知ってるか?―
コクっと頷くと、セト、という豚は話を続ける。
―で、この国の第二王子!武神……になる予定の者だ!
いつも通り寝たら獣になっていたから驚いたぞ!!
貴様……何をしやがった!?―
「わ〜!!!落ち着いてください!!誤解です誤解!!」
今にも殴りかかってきそうなセトさんの前足をおさえ、叫ぶ。
「僕も何もわからないんですよ!
何がなんだかわからなくてここにいるんです!」
―ハァ!?いや、だったら誰がこんなことしたっていうんだよ!?―
いやそれはこっちも聞きたいよ。
なんて言葉を飲み込みながら、セトさんにわかりませんと言う。
でも、ちょっと落ち着いたのかセトさんは上げた前足を下げてくれた。
「わかりませんけど。
あの、ごめんなさい、無責任でごめんなさいですけど!!
この身体、僕に預けてくれませんか。」
僕は言ってみる。案の定何!?とセトさんは前足を上げるけど、ぎゅっと押さえれば抑えられないことはない。
「無理やり戻そうとしたって何があるかわからないでしょう?
僕だけ生きて、あなたが死んでは意味がない。
それに本で読んでます。こういうの、大抵何やっても戻らないですよ。」
こういうときにラノベ情報は意外と役に立つ。
いや、【こういうとき】がある人が何人いるかは知らないけど。
―貴様!やはり異国の術者だったんだな!?―
「違います違います!!そうじゃなくて!
あの〜。僕の住むところではこういう話が昔から伝わってまして……。」
責め立てる豚のセトさんに、僕は慌てて言い訳。
こういう情報も、疑われる原因になっちゃうんだ。
―……まぁいい。本当に、オレを演じられるならいいとしよう。―
「大丈夫……です!!」
―不安だな。―
ため息が脳内に直接響くのでその不安さが倍増してこっちに伝わってくる。
そんなに不安か?僕、結構得意だぞ、こういうの。
―困ったら他の奴らに『よきにはからえ』とでも言っておけばいいんだが……
あぁもう!!心配だからついていく!―
普通に行きたかっただけでは?
と思ったけど、それを無視して、ハイと頷く。
「でも、それじゃ、怪しまれますよ。」
―案ずるな。神としての力はそのままだからな。―
「神様なんですか!?」
初耳!!と驚くと、人の話を聞けとまた前足で殴られる。
―オレ自身の姿にはなれないが、その他の奴らの姿になら、なれる。―
「じゃ、じゃあ、何になるんですか?」
そう問うと、セトさんは、ボンッと煙に包まれ、また姿を表した。
その姿は……。
「ね、ネズミ!?」
―これが一番怪しまれねぇからな。肩乗せろ。―
そしてセトさんは僕の肩に乗り、しがみついた。
―とりあえず部屋に戻れ。ずっと寝間着のままでいるな。―
「え、これ寝間着なんですか!?」
―当たり前だろ!はぁ……こりゃ、オレが最初から最後まで教えなきゃいけねぇのか……。―
「よ、よろしくおねがいします。」
そうして、僕とセトさんの不思議な協力生活が始まった。
―あ、聞いてなかったけど、お前、名は。―
「え、今ですか!?……○○ですけど。―
―○○?不思議な名前だな。ここらじゃ見かけない。
ま、よろしくな。○○。―
怖いかと思ったら、意外と面倒見が良さそうな人だった。