「よぉ。大佛、これ差し入れ」
最初に現れたのは、ベースの雷だった。ぶっきらぼうにコンビニ袋をカウンターに置く。
「あ、雷。ありがと! こちら、新人の成宮寧音ちゃん」
雷は寧音をじろりと見た。
「……よろしく。律が珍しく懐いてるみたいだけど、あんま気にすんなよ、あいつバカだから」
と、少し不器用な優しさを滲ませて挨拶してくれた。
その直後、
「わぁ! 律くんが言ってた子、この子!? 寧音ちゃん!?」
と、花が咲いたような明るい声が響く。キーボードの和華だ。
「……っ、はい、成宮です……!」
「何この可愛い子!? 天使じゃん! 律くん、センス良すぎ! ねぇ、あとでライン交換しよ? 一緒にパンケーキ食べに行こ!」
和華のふわふわした勢いに、シャイな寧音はタジタジ。
でも、彼女の屈託のない笑顔に、少しだけ緊張が解けていく。
最後に、一番後ろから静かに入ってきたのがドラムの蓮斗だった。
「騒がしくてごめん。成宮さん。俺は御上。……律が、少しは大人しく仕事してるか見に来たんだけど」
蓮斗は落ち着いた声で挨拶したが、眼鏡の奥の瞳は、律と親しげに話す寧音をじっと観察していた。
大佛店長がその視線を見逃さず、「おやおや〜? 蓮斗くん、成宮ちゃんに見惚れてる〜?」と茶化す。
「大佛さん、やめてください。……シャレにならないんで」
さらりとそう言った蓮斗は、頬が赤くなっていて場が少しだけ静まる。
「おい、お前ら。俺のバイト先で勝手に盛り上がんな」
教室の方から、ギターを抱えた律が不機嫌そうに顔を出した。
律は真っ直ぐ寧音のそばに歩み寄ると、彼女の肩を抱くようにしてメンバーの前に立った。
「寧音、こいつら適当にあしらっていいから。和華も、あんまり寧音を連れ回すなよ。こいつ、俺の臨時レッスンの生徒なんだから」
「え〜、律くんケチ! 寧音ちゃんは私の妹にするの!」
「俺のだし」
律のさらりとした発言に、寧音の顔は今日一番の赤さになった。
[打消し][/打消し]え……今…俺のって言った……[打消し]
大佛店長が「ヒュ〜! 言ったね律!」と指を鳴らす。
憧れのバンドメンバーに囲まれ、律に「俺の」なんて言われて。
寧音の心拍数は、激しく加速していくばかりだった。
最初に現れたのは、ベースの雷だった。ぶっきらぼうにコンビニ袋をカウンターに置く。
「あ、雷。ありがと! こちら、新人の成宮寧音ちゃん」
雷は寧音をじろりと見た。
「……よろしく。律が珍しく懐いてるみたいだけど、あんま気にすんなよ、あいつバカだから」
と、少し不器用な優しさを滲ませて挨拶してくれた。
その直後、
「わぁ! 律くんが言ってた子、この子!? 寧音ちゃん!?」
と、花が咲いたような明るい声が響く。キーボードの和華だ。
「……っ、はい、成宮です……!」
「何この可愛い子!? 天使じゃん! 律くん、センス良すぎ! ねぇ、あとでライン交換しよ? 一緒にパンケーキ食べに行こ!」
和華のふわふわした勢いに、シャイな寧音はタジタジ。
でも、彼女の屈託のない笑顔に、少しだけ緊張が解けていく。
最後に、一番後ろから静かに入ってきたのがドラムの蓮斗だった。
「騒がしくてごめん。成宮さん。俺は御上。……律が、少しは大人しく仕事してるか見に来たんだけど」
蓮斗は落ち着いた声で挨拶したが、眼鏡の奥の瞳は、律と親しげに話す寧音をじっと観察していた。
大佛店長がその視線を見逃さず、「おやおや〜? 蓮斗くん、成宮ちゃんに見惚れてる〜?」と茶化す。
「大佛さん、やめてください。……シャレにならないんで」
さらりとそう言った蓮斗は、頬が赤くなっていて場が少しだけ静まる。
「おい、お前ら。俺のバイト先で勝手に盛り上がんな」
教室の方から、ギターを抱えた律が不機嫌そうに顔を出した。
律は真っ直ぐ寧音のそばに歩み寄ると、彼女の肩を抱くようにしてメンバーの前に立った。
「寧音、こいつら適当にあしらっていいから。和華も、あんまり寧音を連れ回すなよ。こいつ、俺の臨時レッスンの生徒なんだから」
「え〜、律くんケチ! 寧音ちゃんは私の妹にするの!」
「俺のだし」
律のさらりとした発言に、寧音の顔は今日一番の赤さになった。
[打消し][/打消し]え……今…俺のって言った……[打消し]
大佛店長が「ヒュ〜! 言ったね律!」と指を鳴らす。
憧れのバンドメンバーに囲まれ、律に「俺の」なんて言われて。
寧音の心拍数は、激しく加速していくばかりだった。