ILove melody!



​冬を間近に控えた放課後……


星央高校の制服を着た寧音は、商店街の端にある「メロディ・レコード」の重い扉を押し開けた。

店内に足を踏み入れると、そこには大量のレコードに囲まれて、やたらとテンションの高い人がいた。

​「いらっしゃい! もしかしてアルバイト希望の成宮さん? 待ってたよ〜!」

​彼が店長の大佛大輝。大卒1年目とは思えないほど軽快な足取りで寧音を迎え入れる。

「あ、はい……成宮、です。よろしくお願いします」

「うんうん、いい返事! 音楽好き? 最近の推しは誰?」

​(……この人、ノリが良すぎる……っ)

シャイな寧音は圧倒されつつも、父が好きだった古いレコードの話をポツポツと始めた。

大佛は「センス最高じゃん!」と大喜びで、すぐに採用を決めてしまった。

​「じゃあ明日からよろしく! あ、この店、隣の『音涼教室』と壁が薄くてさ。今も講師の律が練習してるんだけど…」

​大佛がそう言った瞬間、板一枚隔てた向こう側から、空気を切り裂くようなギターの音が響いた。

寧音の心臓が跳ね上がる。それは、彼女が大好きなバンド『redspirit』の、あの力強いギターサウンドだった。

​「……えっ、今の……」

「あはは、驚いた? 彼、最近人気のアマチュアバンドの子なんだけど、知り合いの紹介で教えてもらってるんだよね。ちょっと見に行ってみる?」

​大佛が勝手知ったる様子で隣のドアを開けると……

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