「……ねえ、蒼空くん。ここ、本当に学校? どっかの国の宮殿か美術館の間違いじゃないの?」
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初めて出会った日から数日後。
美羽は新しい学校「国立皇学園」の校舎の見学をしていた。
天井に輝くクリスタルのシャンデリア。
高校とは思えないほどの廊下の広さ。
前に通っていた学校とは天と地の差がある。
「大げさだな。普通の高校と変わんないだろ。……あ、ここがメインの生徒用ラウンジ」
蒼空が指差した先には、高級ホテルのようなふかふかのソファと、一流シェフが常駐しているというティーカウンター。
「……変わるわ! 変わりすぎ!そもそもソファがシルクじゃん…」
美羽は冷や汗をかきながら、なるべく壁にぶつからないように歩く。
そんな美羽の様子を面白そうに眺めながら、蒼空はポケットに手を突っ込んでひょいひょいと進んでいく。
「あ、あっちに見えるのが第3体育館。馬術部とフェンシング専用ね」
「体育館が3つもあるの!? しかも馬……。馬って、学校で飼うものなんだ……」
「ま、俺は基本サボりスポットとして使ってるけどね。あそこの厩舎の裏、風通し良くて昼寝に最高なんだわ」
「……ちょっと、次期社長候補でしょ。真面目に授業受けなさいよ」
美羽が呆れてツッコミを入れると、蒼空は立ち止まり、不意にニヤリと笑って美羽を振り返った。
「じゃあ、一番『ヤバい』場所、教えてあげるよ。こっち」
連れて行かれたのは、校舎の最上階にあるスカイテラスだった。
そこからは学園の広大な敷地と、その向こうに広がる街並みが一望できる。
「……すご……」
「ここ、特Aクラスの生徒だけが使えるプライベートエリア。……ぶっちゃけ俺のサボりスポットでもあるんだけど」
「はぁ!? ほんと、さらっとクズなこと言うよね……。婚約者がいる前でよく言う…」
美羽がジト目で睨むと、蒼空はフッと表情を緩めた。
夕日に照らされた彼の顔は、いつもの不遜な態度が嘘のように、どこか寂しげで、それでいて綺麗だった。
「……お前みたいに、景色見て『すご』って言うやつ、初めて」
「はぁ!?どういう意味?」
美羽が慌てて言い返すと、蒼空は声を立てて笑った。
「ははっ! やっぱりお前、面白いわ。……成宮美羽。この学園、金持ちのバカばっかりで退屈だけど、お前がいるなら少しはマシになりそう」
「それなら、いいけど」
「…今日ありがとね。案内してくれて」
「婚約者の役目ってやつっしょ-」
「ほら、帰るぞ」
蒼空はそう言って、美羽の頭をポンと軽く叩いた。
その大きな手の温かさに、美羽の心臓が不意に跳ねた。
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初めて出会った日から数日後。
美羽は新しい学校「国立皇学園」の校舎の見学をしていた。
天井に輝くクリスタルのシャンデリア。
高校とは思えないほどの廊下の広さ。
前に通っていた学校とは天と地の差がある。
「大げさだな。普通の高校と変わんないだろ。……あ、ここがメインの生徒用ラウンジ」
蒼空が指差した先には、高級ホテルのようなふかふかのソファと、一流シェフが常駐しているというティーカウンター。
「……変わるわ! 変わりすぎ!そもそもソファがシルクじゃん…」
美羽は冷や汗をかきながら、なるべく壁にぶつからないように歩く。
そんな美羽の様子を面白そうに眺めながら、蒼空はポケットに手を突っ込んでひょいひょいと進んでいく。
「あ、あっちに見えるのが第3体育館。馬術部とフェンシング専用ね」
「体育館が3つもあるの!? しかも馬……。馬って、学校で飼うものなんだ……」
「ま、俺は基本サボりスポットとして使ってるけどね。あそこの厩舎の裏、風通し良くて昼寝に最高なんだわ」
「……ちょっと、次期社長候補でしょ。真面目に授業受けなさいよ」
美羽が呆れてツッコミを入れると、蒼空は立ち止まり、不意にニヤリと笑って美羽を振り返った。
「じゃあ、一番『ヤバい』場所、教えてあげるよ。こっち」
連れて行かれたのは、校舎の最上階にあるスカイテラスだった。
そこからは学園の広大な敷地と、その向こうに広がる街並みが一望できる。
「……すご……」
「ここ、特Aクラスの生徒だけが使えるプライベートエリア。……ぶっちゃけ俺のサボりスポットでもあるんだけど」
「はぁ!? ほんと、さらっとクズなこと言うよね……。婚約者がいる前でよく言う…」
美羽がジト目で睨むと、蒼空はフッと表情を緩めた。
夕日に照らされた彼の顔は、いつもの不遜な態度が嘘のように、どこか寂しげで、それでいて綺麗だった。
「……お前みたいに、景色見て『すご』って言うやつ、初めて」
「はぁ!?どういう意味?」
美羽が慌てて言い返すと、蒼空は声を立てて笑った。
「ははっ! やっぱりお前、面白いわ。……成宮美羽。この学園、金持ちのバカばっかりで退屈だけど、お前がいるなら少しはマシになりそう」
「それなら、いいけど」
「…今日ありがとね。案内してくれて」
「婚約者の役目ってやつっしょ-」
「ほら、帰るぞ」
蒼空はそう言って、美羽の頭をポンと軽く叩いた。
その大きな手の温かさに、美羽の心臓が不意に跳ねた。