ファデュイ先遣隊が一人、春雷。
先遣隊隊長で10年以上ファデュイに所属している中堅隊員……と、いうのは新人用の説明である。
春雷および、彼女が率いる先遣隊はファデュイの情報情報網の中枢部である。
あらゆる国に潜り込んで情報を掴み、無傷でファデュイに戻ってくること数百回。
スネージナヤの外交が多少強引に進められるのも彼らが相手の弱みを握ってくるからというが大きい。
他にも破壊工作や暗殺、執行官たちのお使いや年末調整までやってのける。
もはや先遣隊とはなんなのか聴きたくなる働きっぷりだった。
もはや完璧すぎて心配になる彼らだが、安心してほしい。ちゃんと弱点はある。
それは正面からの戦闘である。
情報戦と闇討ちに特化し過ぎたせいで、正面から戦うのが圧倒的に苦手だった。
一人一人に確かな戦闘能力があるのに、なぜか集団で戦うと全員妙に噛み合わない。
何回も訓練してタイミングを合わせようと努力した形跡があるのだが、それすらも裏目に出てしまう。
訓練に付き合っていたファデュイの一人が「たぶんそれぞれで独立して戦った方が強い」と言わしめるほどに、絶妙に噛み合わないのだ。
しかしまぁ、それ以外は完璧な彼らを好んで使う執行官も多い。
その最たるのが「雄鶏」と「召使」だろう。
時々「散兵」も声をかけているそうだが、春雷に膝枕で報告書を読ませた事が彼女の部下にバレてから全力ディフェンスされてるらしい。ははは、ウケる。
「……春雷が死んだ?」
そんな彼女が死んだらしい。
「君の口からそんな戯言を聞くことになるとはね。ははっ、久方ぶりに心の底から笑いそうだよ」
「ああ、そうだな。まだ、笑い飛ばしてくれた方がいくらかマシだっただろう。……残念だが、全て事実だ」
春雷及び、春雷率いる先遣隊の壊滅。
一週間前から連絡が取れず、ようやく足取りを掴んだと思い秘境に入れば、見えたのは血と死体。
それぞれ損傷が激しく、常に仮面を被り素顔を隠していた彼らを判別するのはほぼ不可能。
持ち物と、元素の痕跡から辛うじて判別したらしいが、未だに行方不明のままの隊員もいる。
秘境から唯一生存した状態で発見された副隊長も虫の息で、いつ死んでもおかしくない。
たとえ、奇跡的に回復しても現状復帰はほぼ不可能だろうというのが、医療班の見解だ。もちろん、この状態での聴取などは不可能だろう。
だが、手際のいい者たちが彼らの壊滅理由を突き止めた。
なんてことない、ただの身内の落とし合いだった。
諜報員を名乗っておきながら彼らにはるかに劣る諜報部隊。
予想外の活躍をする彼らを手に余らせた直属の上司。
その二つが手を組み、「淑女」の名を持ち出し彼らが苦手とする真っ向勝負の秘境攻略に誘い出した。
その上で秘境に隠された古代の仕掛けを発動させ、追い詰めたそうだ。
「散兵」は、簡易的な報告書を読み、捨てるように床に叩きつける。
「召使」は、そんな様子の彼に何をいうでもなく見つめた。
しばしの沈黙の後、「散兵」は言葉を発した。
「……遺体は?」
「安置所だよ。行くなら、私も行こう」
先遣隊隊長で10年以上ファデュイに所属している中堅隊員……と、いうのは新人用の説明である。
春雷および、彼女が率いる先遣隊はファデュイの情報情報網の中枢部である。
あらゆる国に潜り込んで情報を掴み、無傷でファデュイに戻ってくること数百回。
スネージナヤの外交が多少強引に進められるのも彼らが相手の弱みを握ってくるからというが大きい。
他にも破壊工作や暗殺、執行官たちのお使いや年末調整までやってのける。
もはや先遣隊とはなんなのか聴きたくなる働きっぷりだった。
もはや完璧すぎて心配になる彼らだが、安心してほしい。ちゃんと弱点はある。
それは正面からの戦闘である。
情報戦と闇討ちに特化し過ぎたせいで、正面から戦うのが圧倒的に苦手だった。
一人一人に確かな戦闘能力があるのに、なぜか集団で戦うと全員妙に噛み合わない。
何回も訓練してタイミングを合わせようと努力した形跡があるのだが、それすらも裏目に出てしまう。
訓練に付き合っていたファデュイの一人が「たぶんそれぞれで独立して戦った方が強い」と言わしめるほどに、絶妙に噛み合わないのだ。
しかしまぁ、それ以外は完璧な彼らを好んで使う執行官も多い。
その最たるのが「雄鶏」と「召使」だろう。
時々「散兵」も声をかけているそうだが、春雷に膝枕で報告書を読ませた事が彼女の部下にバレてから全力ディフェンスされてるらしい。ははは、ウケる。
「……春雷が死んだ?」
そんな彼女が死んだらしい。
「君の口からそんな戯言を聞くことになるとはね。ははっ、久方ぶりに心の底から笑いそうだよ」
「ああ、そうだな。まだ、笑い飛ばしてくれた方がいくらかマシだっただろう。……残念だが、全て事実だ」
春雷及び、春雷率いる先遣隊の壊滅。
一週間前から連絡が取れず、ようやく足取りを掴んだと思い秘境に入れば、見えたのは血と死体。
それぞれ損傷が激しく、常に仮面を被り素顔を隠していた彼らを判別するのはほぼ不可能。
持ち物と、元素の痕跡から辛うじて判別したらしいが、未だに行方不明のままの隊員もいる。
秘境から唯一生存した状態で発見された副隊長も虫の息で、いつ死んでもおかしくない。
たとえ、奇跡的に回復しても現状復帰はほぼ不可能だろうというのが、医療班の見解だ。もちろん、この状態での聴取などは不可能だろう。
だが、手際のいい者たちが彼らの壊滅理由を突き止めた。
なんてことない、ただの身内の落とし合いだった。
諜報員を名乗っておきながら彼らにはるかに劣る諜報部隊。
予想外の活躍をする彼らを手に余らせた直属の上司。
その二つが手を組み、「淑女」の名を持ち出し彼らが苦手とする真っ向勝負の秘境攻略に誘い出した。
その上で秘境に隠された古代の仕掛けを発動させ、追い詰めたそうだ。
「散兵」は、簡易的な報告書を読み、捨てるように床に叩きつける。
「召使」は、そんな様子の彼に何をいうでもなく見つめた。
しばしの沈黙の後、「散兵」は言葉を発した。
「……遺体は?」
「安置所だよ。行くなら、私も行こう」