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大姫鎌倉日記

#17

最悪の予感

「あれ…」
目を覚ますと義高と政子が横について彼女を見守っていた。
「幡姫様!良かった…!」
心底安心したように義高は幡姫の髪を撫でた。
「あ、私……九郎殿は!?」
「そんなに急に立ち上がってはいけませんよ!」
政子の言った通り、立ちくらみがして、よろけて義高に受け止められる。
「義高殿、少し幡姫のそばにいてやってください」
政子は幡姫を再び横にさせたあと、そっと出て行った。
「大丈夫ですか?…どうして九郎殿を?」
もし義仲殿が殺されたらどうしようか、なんて話はとても出来なかった。
「…何でも、ないです」
もう大丈夫だからとゆっくり身を起こす。
彼女は小さな手で義高の手を握りながら、必死に嫌な想像をかき消そうとした。
(もし戦になっても父上が義高様を殺したりするはずない。人質とは言っても私の大切な人を…まだ十一歳の義高様を殺すはずない)
「あんなに優しい父上が、そんなわけない、絶対」
「え?」
首を傾げる義高に何でもないと言いながらも、幡姫は彼の手をぎゅっと握り締めた。

話を義仲が帰京した頃に戻す。
義仲は御所に押しかけて法皇に訴えた。
「なにゆえ鎌倉方の上洛を認められたか!この私に源頼朝追討の[漢字]宣旨[/漢字][ふりがな]せんじ[/ふりがな](天皇の命令を伝える文書)をお出しください!」
しかし後白河法皇にとって義仲は都を荒らす邪魔者でしかなく、彼を追い出すために数々の工作を進めていた。
あの源行家さえも法皇方に寝返る始末だった。
「そなたこそ、なにを帰って来ているのだ。平家追討の為に早よ西国へ行け」
「ほ、法皇様…!」
「良いな、それでもなお都に留まる時は…それは謀叛ぞ」

「ふざけるな」
ついに義仲は法皇のいる御所を攻めた。「[漢字]法住寺合戦[/漢字][ふりがな]ほうじゅうじかっせん[/ふりがな]」である。
義仲軍の猛攻撃に御所は燃やされ、法皇は脱出するが、捕らえられ閉じ込められた。
ここに双方の関係は破綻。
義仲は法皇を脅して頼朝追討の宣旨、そして征夷大将軍の地位をも手に入れる。しかしこのときから彼の運命は最悪の方向へ突き進むこととなってしまった。
上洛した義経・範頼軍と義仲軍の「宇治川の戦い」へ。

つづく

作者メッセージ

今回も読んでいただきありがとうございます!
時間がいったりきたりしてすみません。

2024/02/26 18:20

青葉よしまつ
ID:≫ 4eITYY1IIrji.
コメント

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歴史日本史鎌倉時代源平合戦恋愛

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