十月。義仲は法皇の命で平家との戦いに出陣する。
「水島の戦い」。しかしこの戦で義仲は大敗したのだった。
戦上手なはずの義仲軍に、一体何があったというのだろう。
・・・
戦のさなかの事である。突如、周囲が夜のごとく暗くなったのだ。
「な、なんだ!?」
「みろっ!日が、欠けているぞ!!」
「これは天の祟りか!?」
太陽が、欠ける…。起こったのは金環日食だった。
木曽の兵達は恐れおののき、大混乱に陥る。
しかし平家軍はそうはならなかった。都にいた平家は[漢字]暦[/漢字][ふりがな]カレンダー[/ふりがな]を作っていたので、日食が起こるのを知っていて戦に望んでいたのである。
・・・
後白河法皇の元にも知らせは届く。
「木曽を頼るのは、止めじゃ」
対立を深め戦にも敗れた義仲を、法皇は見限ったのだ。次にこの男が近づいたのは鎌倉の源頼朝だった。法皇は平家がかつて治めていた東国の土地を返し、頼朝が流罪になった時に奪われた位を戻してやった。かくして頼朝の東国支配は朝廷の認めるところとなる。
義仲は怒り狂わんばかりだった。
「なぜだ…なぜだなぜだ!!この私がおるのに、院はなぜ頼朝を頼る!!」
「義仲様!」
巴御前が走ってきた。
「鎌倉方が、上洛するそうです!!」
「なんだと!法皇様はそれをお許しになったのか!?……平家を追い出し、今もこうして戦っている我らに…なんたる仕打ち!!」
さらに法皇は義仲の仲間達にも手を伸ばし、取り込んでいた。
「とにかく京に戻る。院に一言言ってやらねば気が済まんな」
義仲と後白河法皇方との対立はもはや避けられない。
つづく
「水島の戦い」。しかしこの戦で義仲は大敗したのだった。
戦上手なはずの義仲軍に、一体何があったというのだろう。
・・・
戦のさなかの事である。突如、周囲が夜のごとく暗くなったのだ。
「な、なんだ!?」
「みろっ!日が、欠けているぞ!!」
「これは天の祟りか!?」
太陽が、欠ける…。起こったのは金環日食だった。
木曽の兵達は恐れおののき、大混乱に陥る。
しかし平家軍はそうはならなかった。都にいた平家は[漢字]暦[/漢字][ふりがな]カレンダー[/ふりがな]を作っていたので、日食が起こるのを知っていて戦に望んでいたのである。
・・・
後白河法皇の元にも知らせは届く。
「木曽を頼るのは、止めじゃ」
対立を深め戦にも敗れた義仲を、法皇は見限ったのだ。次にこの男が近づいたのは鎌倉の源頼朝だった。法皇は平家がかつて治めていた東国の土地を返し、頼朝が流罪になった時に奪われた位を戻してやった。かくして頼朝の東国支配は朝廷の認めるところとなる。
義仲は怒り狂わんばかりだった。
「なぜだ…なぜだなぜだ!!この私がおるのに、院はなぜ頼朝を頼る!!」
「義仲様!」
巴御前が走ってきた。
「鎌倉方が、上洛するそうです!!」
「なんだと!法皇様はそれをお許しになったのか!?……平家を追い出し、今もこうして戦っている我らに…なんたる仕打ち!!」
さらに法皇は義仲の仲間達にも手を伸ばし、取り込んでいた。
「とにかく京に戻る。院に一言言ってやらねば気が済まんな」
義仲と後白河法皇方との対立はもはや避けられない。
つづく
- 1.序幕,伊豆国の姫君
- 2.突然の危機
- 3.伊豆山の女性たち
- 4.鎌倉入り
- 5.木曽の将軍
- 6.人質と姫君
- 7.若武者の正体
- 8.福始
- 9.義高の懐郷病(一)
- 10.義高の懐郷病(二)
- 11.躍進する義仲
- 12.小咄,鎌倉の恋人
- 13.幡姫の立ち聞き
- 14.旭日昇天
- 15.没落の始まり
- 16.決別と忠告
- 17.最悪の予感
- 18.そして日は沈む
- 19.矛盾した願い
- 20.恐ろしい計画
- 21.守りたいひと(一)
- 22.守りたいひと(二)
- 23.知らせ
- 24.それぞれの後悔
- 25.巴御前
- 26.義経の憂鬱
- 27.屋島
- 28.壇ノ浦の海
- 29.歓喜と不信
- 30.亀裂
- 31.不穏
- 32.別離の襲撃
- 33.すれ違いの果てに
- 34.囚われの白拍子
- 35.幡姫と静(一)
- 36.幡姫と静(二)
- 37.空蝉
- 38.奥羽の重鎮