文字サイズ変更

大姫鎌倉日記

#5

木曽の将軍

力を増す頼朝に押される平家。また、この頃平家の脅威となっていたのは源頼朝だけではなかった。
[漢字]源義仲[/漢字][ふりがな]みなもとのよしなか[/ふりがな]。別名木曽義仲である。頼朝のいとこにあたる、信濃の武将だった。挙兵して以来平家との攻防を続けている。
月日は流れ1183年。
義仲のもとにある知らせが届いた。
「源頼朝の軍勢が、我らを攻めようと進軍中にござる!」
「鎌倉の軍か…力をつける我らが気に入らんのだろう」
特に慌てる様子もなく堂々とした様子の、この男が義仲だ。
「いざ戦となればこの私にお任せください」
頼もしい言葉を発したのは義仲の隣に静かに佇む女だった。
「まあ、待て、巴よ」
巴と呼ばれた彼女こそ、女武将[漢字]巴御前[/漢字][ふりがな]ともえごぜん[/ふりがな]ー数々の伝説を残す強者である。身に付けている大鎧と長槍には不釣り合いなほど美しい。
義仲は家人皆に言った。
「今は平家打倒に力を入れるべき時。ここは退こう」

頼朝は思わぬ行動に驚いた。
(ただの猪武者ではないな)
彼はさらに義仲に要求する。
「戦わないという証しに、叔父[漢字]行家[/漢字][ふりがな]ゆきいえ[/ふりがな]を差し出せ」
源行家はあの以仁王の令旨を持ってきた男だったが、後に頼朝と対立し木曽へ逃げ込んでいた。
(ここで叔父上を渡せば鎌倉で殺されてしまうかもしれん…源氏同士で殺し合うなどあってはならん!)
義仲はここでも頼朝の考えつかぬ返答をする。

「義仲め」
頼朝は鎌倉に送られてきた人質を見て溜め息をついた。いや、喜ぶべきなのだろうか。
「鎌倉殿、これは」
義時も驚いている。それもそのはず、義仲が行家の代わりに差し出したのはまさかの嫡男、[漢字]木曽義高[/漢字][ふりがな]きそよしたか[/ふりがな]だったのだ。
「後継ぎを送ってくるとは大した度胸であることだ、殺されぬと見越してか」
「義に厚い男でございますな」
「なんだ小四郎、儂への当てつけか」
「とんでもない」
とにかく、人質を出したことでひとまずは和議が結ばれたのだった。

つづく

作者メッセージ

今回も読んでいただきありがとうございます!
次回から義高編始まります!よろしくお願いします!

2024/02/09 18:42

青葉よしまつ
ID:≫ 4eITYY1IIrji.
コメント

この小説につけられたタグ

歴史日本史鎌倉時代源平合戦恋愛

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権は青葉よしまつさんに帰属します

TOP