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㫪の嵐 終焉

#2

☆壱章 - 穀雨

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    穀雨┃             ┃壱章
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付喪神は、[明朝体][太字][漢字]幻術士[/漢字][ふりがな]わたしたち[/ふりがな][/太字][/明朝体]に取って切るに切り離せ無い存在である。事実、人類種や[明朝体][太字]蛞蝓[/太字][/明朝体]種は、神の宿りし物──付喪へと自らの身体構造を表面的に変化、その概念と融合…俗に“変身”すると言う過程を挟む事に因って、初めて神の加護、恩恵を(神格からすれば勝手に)貰い受ける事を成し得ているのだ。

「お疲れ様。[漢字]抹茶拉鉄[/漢字][ふりがな]まっちゃらて[/ふりがな]、用意してる。」
「あっ、頂きます……有り難うごさいます、毎回」

さて、酸化した凹凸だらけのパイプは、余りの気温変化に震え、そのスチームパンクな古びた金属の表皮から始まる轟々と波と成って地を這う振動音は、ツマミが響く境に薄まり、溶けて、煙たい空気へと染み込んで行く。手渡された、メタリックな底浅な蓮華を回す手を止める。[漢字]珈琲[/漢字][ふりがな]こーひー[/ふりがな]に浸かったような、劣化した[漢字]麻紙[/漢字][ふりがな]あさがみ[/ふりがな]に描かれた、某機の設計図面やら未開封のダンボールの小箱やら、[明朝体][太字][漢字]騰泡蛞蝓[/漢字][ふりがな][明朝体][太字]あわなめくじ[/太字][/明朝体][/ふりがな][/太字][/明朝体]の[漢字]硝子[/漢字][ふりがな]がらす[/ふりがな]細工やらが、中心から外側へ掛けて、指数関数的に高くなるように積まれている台ヒの材木。下半だけの六角錐をひっくり返した様に見える独創的な形をしているが、ささくれや溝が目立つ。マグカップはその上面の中心。ひどく[漢字]罅[/漢字][ふりがな]ひび[/ふりがな]割れしており、塗装は無い。質素な磁器だ。見慣れない鉄の器具を持ち直し、再びぐるぐると回し始める。

……
付喪神に因る[明朝体][太字]幻術[/太字][/明朝体]の中でもに長年トップに君臨してきた術式として、[明朝体][太字][漢字]春嵐術[/漢字][ふりがな]しゅんらんじゅつ[/ふりがな][/太字][/明朝体]が存在する。それは[明朝体][太字][漢字]桜系統[/漢字][ふりがな]おうけいとう[/ふりがな][/太字][/明朝体]の最果て、強大な[明朝体][太字][漢字]幻力[/漢字][ふりがな]げんりき[/ふりがな][/太字][/明朝体]を我が物とすると言う。噐文化は、日本国──[漢字]紀[/漢字][ふりがな]もとい[/ふりがな]“大和の国”とは宗教的観点から視ても強く結び付いている。日本国で、春の象徴として語られ、古今東西で信仰されて来た桜。桜に留まった付喪神は、間接的に信仰される事に因って、神格存在としてより強力に、肥大化して行く。今も尚生長を続ける[明朝体][太字]桜之神[/太字][/明朝体]は、正に咲き乱れの如し。

──しかし私達は所詮“噐”なのである。[漢字]ホモ・サピエンス[/漢字][ふりがな]にんげん[/ふりがな]には例外は在れど、少なく共私達は所詮それで居るだけ。どれだけ信仰された概念・存在・物体であれ、付喪へ、より高次なる次元に成ったとして神格存在自体の力を引き出す事は無い。液体を零さぬ様に入れる焼き物の湯呑みも、内包する者に因っては其の熱を受けてテーブルを焦がすが、自らに[漢字]罅[/漢字][ふりがな]ひび[/ふりがな]を入れて破り、神格を現実世界へ降ろす、顕現させる事は仕無い。宿しても、あくまで宿って居る“だけ”(しかも勝手に)だ。私等が神になる事は出来ない。因って、[明朝体][太字]幻術士[/太字][/明朝体]は、ある一程のボーダアラインへの到達を境に術の成長を止めるので在る。

……夜が近い。
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                        ┃END☆
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2024/12/26 20:38

冥翼 世蓮
ID:≫ 1439dMBJAC7Go
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