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㫪の嵐 終焉

#4

♤参章 - 大雪

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    大雪┃             ┃参章
━━━━━━┛             ┗━━━━━━━━━━━━━[/太字]

嵐よ……

私は向こう側へ往くのだ。




柔らかい風に包まれて、それはやって来た。リピートに差し掛かる瑠璃鶲の[漢字]雅楽[/漢字][ふりがな]ががく[/ふりがな]は、枝の内側で反響し、加速する。その静寂は落葉を燃やし、雲を呼びたもう……。彼岸花は黒く焦げ、沈み行く太陽を横目に瞬く光を仰ぐ。一寸先を覆う[漢字]玄色[/漢字][ふりがな]げんしょく[/ふりがな]は深く濃度を増し、無言の圧力に耐えかねた私は、ゆっくりと吐息を落とし、視線を上げる。

[斜体][中央寄せ][下線]“至急捜査隊員募儿・捜シテ居マス”[/下線]
“失踪・消息不明仁ツキ至急捜査隊員募儿”

[下線][大文字]“捜シテ居マス”[/大文字][/下線][/中央寄せ][/斜体]

「……っ」

息が詰まる。反射的にさっと後ろへと視線を移動する。

……
[漢字]浅葱鼠[/漢字][ふりがな]あさなぎねず[/ふりがな]といったか。そんなくすんだコンクリートの絶壁が、がらがらと[漢字]朧気[/漢字][ふりがな]おぼろげ[/ふりがな]に枯葉の[漢字]木霊[/漢字][ふりがな]こだま[/ふりがな]返す。[漢字]燥[/漢字][ふりがな]かわ[/ふりがな]いた響きに耳を澄ませ、再び語り出す筈だった蟲の数々は、何処へ行ったのだろう。いつの間に構内を包んだ夕闇は、儚げに[漢字]辞世[/漢字][ふりがな]じせ[/ふりがな]の唄を奏でる。
 何故。
「何故。」
それは、誰にも解らない。誰も知らない。誰も知りたくない。誰にも知られたく無い。誰にも知られない。…其れはただ虚しく、[太字][明朝体][漢字]㫪[/漢字][ふりがな]はる[/ふりがな]の[漢字]嵐[/漢字][ふりがな]あらし[/ふりがな][/明朝体][/太字]の[漢字]対岸[/漢字][ふりがな]むこう[/ふりがな]でぐるぐると[漢字]蜷局[/漢字][ふりがな]とぐろ[/ふりがな]を巻く。時間は過ぎ去り、訪れ、時に川の中へ落として行ってしまう。私は深淵を覗き込む。

疲れた…


時を刻める文字盤はーバチンーと脈打ち、私は第六感で其れを察知した。大波が尾を引いて押し寄せるのが分かる。堅く重い空にに霧が伸びて行く。帯電し、バチバチと唸りを上げる空気、光をも溺れる闇の中。思考は興奮し強張るが、何が起きるのか、まるで憶えている様に、身体は酷く平然としていた。──息は未だ停まっている。

「君は──?」




[太字]                        ┏━━━━━━━━━
                        ┃END♤
                        ┗━━━━━━━━━[/太字]

2024/12/26 20:41

冥翼 世蓮
ID:≫ 1439dMBJAC7Go
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