「ハァ…ハァ…」
赤黒い霧に包まれた神殿の廊下を全速力走る。
「ミューズ…エーテル…ノーレッジ…トゥーラ……グレース様…‼」
みんなの名前を呼んでも答えてくれる者はいない。
私達、6大女神で封印できるはずだったのに。みんなを守れるはずだったのに。
神殿を出たとき、それは絶望だった。
跡形もなく破壊された町。ものものしい雰囲気を放つ神殿。
「私のせいで……私は何も…っ…何もできなかった…‼」
「あぁ…女神様、とても美しいことで…」
6大女神である私、 光の女神 ルーチェは、下界のさびれた村で崇められていた。
邪悪なる者の封印に失敗してしまった日から、1000年間も。
「女神様、今年は誰を巫女としてお迎えられるのですか?」
私が村で崇められ続けた結果、変なしきたりができてしまった。
女神様が、村の者から少女を1人選ぶので、その少女は女神様を支える巫女にならなければいけない。その掟を破れば、女神様が村に災いをもたらすだろう。
なんとも馬鹿馬鹿しいしきたりだ。私は巫女なんて要らないし、掟を破った程度で災いをもたらせたりしない。いつも村の者に巫女を選んでもらっているが、選ばれてしまったが故に、自ら命を絶つ子が多い。お役目を果たそうと頑張ろうとする子もたまにいるが、村の者が十分に食事を与えていないため、飢えで亡くなってしまう。
「今年も、私達がお選びしましょうか?」
「…あぁ、分かった。」
巫女は要らないと言おうとしたが、言っても否定されるので、躊躇いながらもうなずいてしまった。
私は本当に出来損ないだ。
巫女を決める当日。
15人の少女が集められ、村の者がじっくりと巫女を選んでいた。
少女達の中に一際美しい少女がいた。
白髪に、光の失った碧眼。そして、女神の特徴である長い耳。
そう、この子は女神だった。
「では…今年はこの娘を…」
「待て…私が選ぶ。」
村の者がざわめく。私の言葉に驚いたらしい。そんな村の者を無視し、白髪の女神へ近寄る。
「お前、名はなんという?」
女神はビクビクしながら、小さい声で話した。
「こ…ココロです…。その、もしかして…私を巫女に…?」
「あぁ、そうだよ。」
ココロは今にも泣きそうな顔をしていた。
「女神様‼その子は500年以上生きていても老いることも、死ぬこともない化け物ですよ‼」
当たり前だ。女神は3000年ほど生きる。500年なんかで老いることも、死ぬこともない。
「私は1000年以上生きている。お前らは私を化け物と見なすのか?」
「……」
村の者は何も言えなかった。
「…決まりだな。……いつもの宴、するのか?」
村の者はいつも通りの笑顔に戻り、そそくさと宴の準備を始めた。
「なんで私を…巫女にしたのですか?」
宴が盛り上がってきた途中、ココロが口にした。
「私の尊敬する大女神に似ていてね。もしかしたら、って思って。」
盃に注がれた酒を一口飲む。
「それに…私、この村から出たいんだ。」
「えっ……」
ココロが驚いた顔でこちらを見る。
「…一緒に、この村を出ないか?」
その言葉を聞いたココロは、嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、今日中に荷物をまとめろ。明日の朝には出るぞ。」
翌朝、村の者に説明した。
自分の故郷が滅亡の危機に陥っており、危機を回避するには私の力と巫女の力が必要だと。
村の者は「行かないで下さい‼」と必死に言っていたが、故郷の方が大丈夫だ。と言って押し切った。
「女神様…帰ってきて下さいね…?」
村の者の言葉に、私は答えず、ココロの手を繋いで村を出た。
赤黒い霧に包まれた神殿の廊下を全速力走る。
「ミューズ…エーテル…ノーレッジ…トゥーラ……グレース様…‼」
みんなの名前を呼んでも答えてくれる者はいない。
私達、6大女神で封印できるはずだったのに。みんなを守れるはずだったのに。
神殿を出たとき、それは絶望だった。
跡形もなく破壊された町。ものものしい雰囲気を放つ神殿。
「私のせいで……私は何も…っ…何もできなかった…‼」
「あぁ…女神様、とても美しいことで…」
6大女神である私、 光の女神 ルーチェは、下界のさびれた村で崇められていた。
邪悪なる者の封印に失敗してしまった日から、1000年間も。
「女神様、今年は誰を巫女としてお迎えられるのですか?」
私が村で崇められ続けた結果、変なしきたりができてしまった。
女神様が、村の者から少女を1人選ぶので、その少女は女神様を支える巫女にならなければいけない。その掟を破れば、女神様が村に災いをもたらすだろう。
なんとも馬鹿馬鹿しいしきたりだ。私は巫女なんて要らないし、掟を破った程度で災いをもたらせたりしない。いつも村の者に巫女を選んでもらっているが、選ばれてしまったが故に、自ら命を絶つ子が多い。お役目を果たそうと頑張ろうとする子もたまにいるが、村の者が十分に食事を与えていないため、飢えで亡くなってしまう。
「今年も、私達がお選びしましょうか?」
「…あぁ、分かった。」
巫女は要らないと言おうとしたが、言っても否定されるので、躊躇いながらもうなずいてしまった。
私は本当に出来損ないだ。
巫女を決める当日。
15人の少女が集められ、村の者がじっくりと巫女を選んでいた。
少女達の中に一際美しい少女がいた。
白髪に、光の失った碧眼。そして、女神の特徴である長い耳。
そう、この子は女神だった。
「では…今年はこの娘を…」
「待て…私が選ぶ。」
村の者がざわめく。私の言葉に驚いたらしい。そんな村の者を無視し、白髪の女神へ近寄る。
「お前、名はなんという?」
女神はビクビクしながら、小さい声で話した。
「こ…ココロです…。その、もしかして…私を巫女に…?」
「あぁ、そうだよ。」
ココロは今にも泣きそうな顔をしていた。
「女神様‼その子は500年以上生きていても老いることも、死ぬこともない化け物ですよ‼」
当たり前だ。女神は3000年ほど生きる。500年なんかで老いることも、死ぬこともない。
「私は1000年以上生きている。お前らは私を化け物と見なすのか?」
「……」
村の者は何も言えなかった。
「…決まりだな。……いつもの宴、するのか?」
村の者はいつも通りの笑顔に戻り、そそくさと宴の準備を始めた。
「なんで私を…巫女にしたのですか?」
宴が盛り上がってきた途中、ココロが口にした。
「私の尊敬する大女神に似ていてね。もしかしたら、って思って。」
盃に注がれた酒を一口飲む。
「それに…私、この村から出たいんだ。」
「えっ……」
ココロが驚いた顔でこちらを見る。
「…一緒に、この村を出ないか?」
その言葉を聞いたココロは、嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、今日中に荷物をまとめろ。明日の朝には出るぞ。」
翌朝、村の者に説明した。
自分の故郷が滅亡の危機に陥っており、危機を回避するには私の力と巫女の力が必要だと。
村の者は「行かないで下さい‼」と必死に言っていたが、故郷の方が大丈夫だ。と言って押し切った。
「女神様…帰ってきて下さいね…?」
村の者の言葉に、私は答えず、ココロの手を繋いで村を出た。