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ビブリオフィリア

#12

第十二章

「あおくん、こっちー」
 おうちゃんの所へ向かう。
 あれから、毎日とはいかないけれど、できるだけおうちゃんと会うようにしている。
 おうちゃんの姿は他の人には見えないから、端のほうでこっそりと、だけど。
「図書館で大声だせるのは、おうちゃんだけだね」
「まあねー。ゆうれいの特権だね」
 おうちゃんと僕の思い出の場所は、いろいろあるけれど、一番は図書館だ。
 幽霊は、思い出、特に場所に縛られる。おうちゃんの場合は、この図書館だった。
 だから、おうちゃんに会いたかったら、図書館に来るしかないのだ。少しかなしい。
「おうちゃん、よく何年も待てたよね」
「約束したからね」
 そう、あの事故が起こる前日、おうちゃんと僕は話していた。
 もしどっちかが死んじゃったら、また会える日まで、ずっと待ってようね、と……。
「いやー、まさかほんとに死んじゃうとは!冗談のはずだったんだけどねー」
「小説のまねをしただけなのに、よく待てたね。僕が本気にしないとか思わなかったの?」
 そう、もとはただの小説のはなしからなのだ。『死んでしまっても、必ずまた会おう』、なんていうセリフを、二人とも気に入ってしまった。
「思わないよー。なんとなく会えるんだろうなーって思ってただけ。まさか、忘れてるとはさすがに思ってなかったけど」
「もしかして、謎解きをつくったのも、小説読んだから?」
 その小説には、謎を解きながら、思いを伝えるシーンがあった。
「そうだよ。いろんな本を読んでもらえるから、一石二鳥かなって。まさか、何年も後になるとは思ってなかったよー」
「でも、大きくなってからで良かったと思うよ?じゃないと、思いが本当には伝わらなかったかもしれないし、謎を解くことすらできなかったかも」
「そっかあ。まあ、今全部できたから、結果おーらいだね!」

 大きな図書館での、僕と少女の出会い。ハッピーエンドのストーリーだ。

作者メッセージ

やっと完結しましたー!
こんなに書いたこと、今までなくって。
途中から、二人が勝手に行動し始めて……、かわいかったですけどね。
最後までありがとうございました。

2026/06/25 08:29

楓ひなた
ID:≫ 72f7ySuR6WeuU
コメント

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謎解き幽霊図書館少女大学生小説連載

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