結局、会うことにした。少し離れたから、気持ちも落ち着いているだろうとねがって。
「あおくん、おかえりー」
「ただいま」
もう怒ってはいないようだ。よかった。
「まだっぽいね?」
「うん。次で最後だよ」
「えっと……、ちょっとネタバレしていい?」
「え?答えの?」
「そう。自信なくなっちゃって……」
答えのネタバレとは……?ヒントみたいなもの、ってことか?自信なくなったって……。
「別に、期待してないから大丈夫だよ」
「……それ、ふぉろーになってないけど」
「そうかな?そうかもね」
からかっただけだ。特に傷付いている様子も、怒っている様子もない。少女も、からかいだとわかったのだろう。
「もうっ、わたしじゃなかったら、たいへんなことになってたね!」
「へえ、ありがとうごさいます?」
「そうだよ!わたしに感謝するべき。どういたしまして」
「ちなみになんだったの?」
「謎解きの答え、すごくしょうもないよって伝えたくて」
「それだけ?」
「そうだけど。期待しないでねってこと!」
「さっきしてないって言ったじゃん」
「あ、そっか」
それだけなのか。ネタバレとか言うから、なんかもっと重要なことなのかと……。
「ところで、あおくんはなんで来たの?」
もう話したいことはないらしい。僕の方に話を振ってきた。
「いや……、特に理由はないけど。次で最後だから、一応会っておこうと思って」
「ふーん。なんか、最後のほうで細かく刻むね」
「確かに?4問しかないけれど」
「少なかったかな」
「いや、でも、あんがい時間かかってるし。大丈夫だよ」
なんだか少し、自信をなくしている印象がある。最後に近づいて、もう少しで答えが出ると思っているからか?なんとなく、フォローをしておいた。
「ほんとに?」
「うん。おもしろいよ」
「ほんとかな……。本音を言うと?」
「う……。もう少し、難しくても良かったかなあって」
しつこさに負けた。怒っちゃうかなあ……。
少女が、こちらをのぞきこんでくる。
「やっぱり……?簡単だった?」
「う、うん」
「んー。まあ、しょうがないよね。小学生のときにつくったやつだし」
「え?死ぬ前の時?」
「そーだよ。4年生のときだったかな?」
それなら、結構難しくつくられているんじゃないか?まず、本の分類番号という発想がなさそうだし……。
「じゃあ、4年生のときには、今までの問題で出てきた本を、全部読んでたってこと?」
「うん。読んだことあるよ。理解してたかは置いといて、だけど」
すごい……。あんな専門書を、小学生の頃に読んでいたのか。今までの生きてきた年数など、関係なかったのだ。
『だから言ったでしょ、わたしはすごいんだよ?』
誰かの声が、頭に浮かぶ。これはきっと、彼女の言葉だ。前に、聞いたことがある。……気がする。なんだっけ、この後になにか、とても大切なことがあったのに……、思い出せない。どうしよう。思い出したい、思い出したいのに……。
「あおくん、またぼーっとしてるよ?だいじょーぶ?」
「あ……、うん、大丈夫。だと思う」
心配してくれていたらしく、気づいたら、少女が僕の顔をのぞきこんでいた。目が合う。
「だと思うー?あおくんは、自分のことすらよくわかってないんだね!」
「いやいや、ちゃんとわかってるつもりだよ?今がたまたまわかってなかっただけ」
「ほんとかなー?」
「本当だよ」
あらぬ疑いをかけられるところだった。あぶないあぶない。ちゃんとしているところを、見せておかないと。もう、昔とは違うんだよって、教えてあげないと。……昔?
「んー、そうならいーや。だいじょーぶだね」
「じゃあ、そろそろ再開しようかな。癒やされたところだし」
「えー。わたし、あおくんの『いやしやく』なの?なんかなあ……、年下にみられてる感がすごくするんだけど?」
「いやいや、そんなことないよ?」
なるほど、年下扱いも嫌がるのか。なんていうか……、時間の流れをなめるな!って感じがするんだよな。そこが地雷な気がする。
「もうっ、はやく解いて来て!それで、戻っておいで!」
「はーい……」
僕は、怒られてしょんぼりしながら、次の場所へと移動することにした。
「はやく、あおくんと前みたいに話したいなあ……」
少女が、誰にも聞こえない声でつぶやいた。
「あおくん、おかえりー」
「ただいま」
もう怒ってはいないようだ。よかった。
「まだっぽいね?」
「うん。次で最後だよ」
「えっと……、ちょっとネタバレしていい?」
「え?答えの?」
「そう。自信なくなっちゃって……」
答えのネタバレとは……?ヒントみたいなもの、ってことか?自信なくなったって……。
「別に、期待してないから大丈夫だよ」
「……それ、ふぉろーになってないけど」
「そうかな?そうかもね」
からかっただけだ。特に傷付いている様子も、怒っている様子もない。少女も、からかいだとわかったのだろう。
「もうっ、わたしじゃなかったら、たいへんなことになってたね!」
「へえ、ありがとうごさいます?」
「そうだよ!わたしに感謝するべき。どういたしまして」
「ちなみになんだったの?」
「謎解きの答え、すごくしょうもないよって伝えたくて」
「それだけ?」
「そうだけど。期待しないでねってこと!」
「さっきしてないって言ったじゃん」
「あ、そっか」
それだけなのか。ネタバレとか言うから、なんかもっと重要なことなのかと……。
「ところで、あおくんはなんで来たの?」
もう話したいことはないらしい。僕の方に話を振ってきた。
「いや……、特に理由はないけど。次で最後だから、一応会っておこうと思って」
「ふーん。なんか、最後のほうで細かく刻むね」
「確かに?4問しかないけれど」
「少なかったかな」
「いや、でも、あんがい時間かかってるし。大丈夫だよ」
なんだか少し、自信をなくしている印象がある。最後に近づいて、もう少しで答えが出ると思っているからか?なんとなく、フォローをしておいた。
「ほんとに?」
「うん。おもしろいよ」
「ほんとかな……。本音を言うと?」
「う……。もう少し、難しくても良かったかなあって」
しつこさに負けた。怒っちゃうかなあ……。
少女が、こちらをのぞきこんでくる。
「やっぱり……?簡単だった?」
「う、うん」
「んー。まあ、しょうがないよね。小学生のときにつくったやつだし」
「え?死ぬ前の時?」
「そーだよ。4年生のときだったかな?」
それなら、結構難しくつくられているんじゃないか?まず、本の分類番号という発想がなさそうだし……。
「じゃあ、4年生のときには、今までの問題で出てきた本を、全部読んでたってこと?」
「うん。読んだことあるよ。理解してたかは置いといて、だけど」
すごい……。あんな専門書を、小学生の頃に読んでいたのか。今までの生きてきた年数など、関係なかったのだ。
『だから言ったでしょ、わたしはすごいんだよ?』
誰かの声が、頭に浮かぶ。これはきっと、彼女の言葉だ。前に、聞いたことがある。……気がする。なんだっけ、この後になにか、とても大切なことがあったのに……、思い出せない。どうしよう。思い出したい、思い出したいのに……。
「あおくん、またぼーっとしてるよ?だいじょーぶ?」
「あ……、うん、大丈夫。だと思う」
心配してくれていたらしく、気づいたら、少女が僕の顔をのぞきこんでいた。目が合う。
「だと思うー?あおくんは、自分のことすらよくわかってないんだね!」
「いやいや、ちゃんとわかってるつもりだよ?今がたまたまわかってなかっただけ」
「ほんとかなー?」
「本当だよ」
あらぬ疑いをかけられるところだった。あぶないあぶない。ちゃんとしているところを、見せておかないと。もう、昔とは違うんだよって、教えてあげないと。……昔?
「んー、そうならいーや。だいじょーぶだね」
「じゃあ、そろそろ再開しようかな。癒やされたところだし」
「えー。わたし、あおくんの『いやしやく』なの?なんかなあ……、年下にみられてる感がすごくするんだけど?」
「いやいや、そんなことないよ?」
なるほど、年下扱いも嫌がるのか。なんていうか……、時間の流れをなめるな!って感じがするんだよな。そこが地雷な気がする。
「もうっ、はやく解いて来て!それで、戻っておいで!」
「はーい……」
僕は、怒られてしょんぼりしながら、次の場所へと移動することにした。
「はやく、あおくんと前みたいに話したいなあ……」
少女が、誰にも聞こえない声でつぶやいた。