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ビブリオフィリア

#5

第五章

 同じく、なんとなく進んだら着いてしまった。
 726.6は、絵本コーナーの番号のことだった。あか、とはなんだろうと思っていたのだが。なるほど、子どもがわかりやすいように、シリーズごとに色分けしてあるのか。
 あかのシールが貼ってある本を探す。本棚が低いため、探すのもひと苦労だ。
 絵本コーナーは、くつを脱いで入る場所なので、床は汚れていない。
 そのため、今は四つんばいに近い形で探している。これじゃあ、ただの変人じゃあないか……。本を読みに来ただけなのに。
 赤色は、『くまくんシリーズ』だった。本がたくさんある割には、すぐに見つかった。
「なつかしいな」
 子どもの頃、よく読んだ気がする。……あまり覚えてないが。
 さて、きっとこれも、先程と同じように紙がどこかにあるのだろう。
 先程は、たまたま(無意識に?)選んだ本に紙が挟まっていたが、これはそうはいかないだろう。
 なにせ、『くまくんシリーズ』は、どの時代でも大人気な絵本なのだ。冊数も、とても多い。それに、たくさんの人が借りていったはず。紙がなくなっている可能性も否めない。
 そう思いながら、てきとうに選んだ一冊を本棚から取り出す。
 ページ数も文字数も少ないのは救いだな。
 試しに一冊読んでみた。だが、とくになにも挟まってはいなかった。今読んでもおもしろいんだな、と感心しただけだ。
 別の話も読んでみよう、と本を戻そうとする。
「なんかある……?」
 本の奥に、紙が貼ってあるのが見えた。
 「あれ、なんだろう」
 よく見えるように、他の本もどける。暗くて見にくいが、がんばって読んでみる。
『320 ス』
『くまくんはケーキをたべようとしたとき、なんていったでしょう』
 これが、今回の問題か。奥から、紙をはがす。
 くまくんというのは、もちろん『くまくんシリーズ』のことだろう。『ケーキをたべるとき』……、なにか、関係する本があったか?
 題名を見ていく。
「あ、これかな」
 一冊の本を手に取る。題名は、『くまくんとケーキ』。たぶんこれで正解だろう。読んでみる。
 『……くまくんは、けーきをたべようとしました。「いただきまーす!」しかし、けーきはにげだしてしまいました。……』、これだな。答えは、『いただきます』か。
 本を読み終えた。まさか、ケーキが生きているとは……。それを食べるくまくんもすごい。おもしろい話だった……。
 よし、次は……。
『320 ス』
 いや、その前に、少女に会いに行こう。たぶん正解だろうが、一応合っているかの確認だ。分類番号に対して何も言わなかったように、今回も言われないかもしれない。まあ、表情で反応(おそらく本人は気づいていない)はわかるし、聞いてみよう。
 くつをはいて、少女のもとに行くことにした。

作者メッセージ

読んでくださりありがとうございます。
最近は、なんでも調べられるようになって、便利ですよねー。
じゃなかったら、いちいち図書館へ向かわなきゃいけないですもんね。
本の分類番号なんて、覚えてないですよ。
本好きでも、そこまで詳しくないですって。

2026/05/16 21:11

楓ひなた
ID:≫ 72f7ySuR6WeuU
コメント

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謎解き幽霊図書館少女大学生小説連載

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