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月の守護者

#6

4話

第7章 入学式

レイに連れられてルアート達は、いよいよ入学式の会場に足を踏み入れるのであった_____
「うおー、ここが入学式ってやつが行われる場所かー!」ロキが興味津々な様子でそう言った。「人がいっぱい居るな。」エルもキョロキョロしている。
「あそこでクラス名簿が配られているようです。取ってきてはいかがですか?」レイがクラス名簿が配られている場所を指差しながらそう言った。「クラスめいぼってなんだ?」ロキが聞いた。「あなた方と同じクラスになるのがだれなのか、どのクラスにだれがいるのかが一目で分かるものです。」レイが分かりやすく説明した。ルアートが取ってきたクラス名簿を、皆が覗き込む。「えーっと、あっ、俺とルアートとアルタは同じクラスだな!」ロキが指差したところを見ると、確かにルアートとアルタとロキの名前があった。「お前らは1年A組か。俺とヘレンは1年B組だ。」エルが言った。「よかった…。」弱気な性格もあって人見知りなヘレンは、喋れる人が同じクラスに居ることに安堵の息を吐いた。「あ、そろそろ入学式が始まるようですね。私は外に居ますので、終わったらお声掛けを。」レイが体育館のなかを覗きながらそういった。「ああ、分かった。」ルアートはそう返し、5人は体育館のなかにはいっていった。「騒ぎにならなければ良いのだが…。」ルアート達は守護者なので、国のなかではとても有名だ。なので変装もせずに大勢人が居るところにノコノコ入っていっては下手をしたらどんな騒ぎになるか分からない。故に直ぐにでも飛び出せる様に体育館の入口付近に待機していたのだが_____
その心配は無かったようである。
体育館に入っていったルアートたちは、思ったより沢山居る人に驚きながらもそれぞれのクラスの所にいった。
それから他愛もない話をしていると、急に静かになったのでルアート達もステージを見上げると、そこには校長らしき人物が立っていた。「これから第640回入学式を始める。全員起立。気をつけ。礼。」と言ったときに、座っている全員が揃って起立、気をつけ、礼をしたので、ルアート達もそれにならって同じことをした。それから生徒会長らしき人物がでてきて、入学祝いの言葉と軽くこの学校の校則の説明等をして、それからそれぞれのクラスに行く事になった。「これが教室と言うやつか…。」一般的なクラスを見たことの無いルアート達は、初めてみる教室にそう呟いた。「では、皆さんはそれぞれの名前が書かれた席に座ってください!」このクラスの担任になった若い女教師がいった。ルアートが自分の名前が書かれた席に座ると、隣の席の男の子が声をかけてきた。「よう、お前が俺のとなりか。俺はヨウタだ。ヨウタ・マリス。これから宜しくな!」ヨウタが手を差し出して来たのでその手をしっかり握りながら、「ルアート・ブレオムだ。宜しく頼む。」と言った。「へぇ、ルアートっていうのか!良い名前だな!それはそうとしてお前手握る力強ぇなちょ待って痛い痛い…。」とヨウタが言ったので手を見ると、余程強く握っていたらしく骨がミシミシ言ってる音が聞こえる。ルアートが慌てて手を離して「すまんな。力加減が分からなかった。」といった。すると、ヨウタがぷっと吹き出したので眉をひそめれば、「あっはっは!お前おもしれぇなぁ!そんな澄ました顔して武闘派ってか!「力加減が分からなかった。」って…、天然だとしたらやべえぞ!」と言った。
ルアートは「???」となりながらも、(楽しく過ごせそうだ。少なくとも学校に居る間は…。)と思ったのだった。
その少し前、B組では…。
「うわあ、凄い…。」ヘレンも、初めてみる教室に感銘を受けていた。「はい、では自分の名前が書かれた席に座ってくださーい」ヘレン達のクラスの担任になった背が高い男教師が言った。ヘレンが自分の名前が書かれた席に座ると、隣の席の女の子が話し掛けてきた。「やあ、アンタがうちの隣か!うちはロベルタや!ロベルタ・マーガ!ロベって読んでくれて構わへんで!」とロベルタが言った。「宜しく。ヘレン・ポータだよ。」ヘレンが会釈をしながらいうと、「ヘレン…?ヘレンって、あの守護者のヘレン・ポータかいな!?」とロベルタが大声で言ったので、あっという間にヘレンは注目を浴びることになった。「えっと…、うん、そうだよ。正しくは守護者見習いだけどね。」急な大声でびっくりしたヘレンは、軽く動揺しながらそう言った。「いやいや、それでも凄いよ!やー、こんな凄い人がうちの隣やなんて!嬉しなぁ…!」と、とても嬉しそうにロベルタが言うので、なんか悪い気もしなくなってきた。「アイツだけずりぃ…。俺も注目されたい。」取り残されたエルは不満そうだ。
…となっていた。
後日…
ヨウタ「うーん、お前ルアートって言ったよな?」
ルアート「ああ、そうだが?」
ヨウタ「いや、ちょっと思い出したんだよ。」
ヨウタ「この前行われた守護者選抜試験でとんでもねぇ記録を叩き出したルアート・ブレオムっていうやつが居るって言うことをな。」
ルアート「…ほう。」
ヨウタ「…お前のことだよな。」
ルアート「…ああ。」
ヨウタ「ちょっと外見てみ?」
ルアート「…なんだあれは。」
モブ子「きゃっ、ルアート様こっち見たわ!」
モブ子「本当だ、やっぱりいつみてもイケメンだわ!」
ヨウタ「アイツらさっきからずっとあそこに張り付いてんだよ。取り敢えず手でも振ってやれ。」
ルアート「……(無言で手を振る)」
モブ子達「「きゃーーっ!!」」
モブ子「あああルアート様に手振られた…♡」
モブ子「私もう死んでも良い…♡」
ヨウタ「うわうるせぇ…。あ、先生来た。」
先生「んなっ…、貴方達、何をしているのですか!?ここを通る人の邪魔になるでしょう!?速くもどって授業の準備でもしててください!!」
モブ子「うるっさいわね!!なによアンタ!!」
モブ子「そーよそーよ!ルアート様見学の邪魔しないでよ!!」
先生「なんですかその口の聞き方は!!」
ヨウタ「全員うるせえ…。」
ルアート(さっき誰かが私の事をイケメンと言ったか?いや、気のせいだろう。)
と言う具合に、大騒動になった。ちなみに、B組でも同じことが起こり、同じ先生がその場を治めたらしく、帰る頃には大分疲れきっていたらしい…。

第8章 初めての授業

それから一週間程は、軽くそれぞれの授業の説明とオリエンテーション的なことしかしなかったが、1週間後から本格的に授業が始まるのである。
「もうすぐ授業だぞ。準備は良いのか?」と、体操服に着替え終わったアルタがロキに声をかけた。
「え!?もうそんな時間!?次の授業なんだ?」と、ロキが慌てた様子で言った。「体育だ。50mのタイムを測るそうだぞ。」とルアートがいった。「えっマジか!!おっしゃあ、やってやらぁ!!」というと、ロキは急いで準備を始めた。
「はい、では今日は50m走のタイムを計ります!2人1組でペアになって下さい!」体育の先生が大声で言った。ルアートはアルタと、ロキは最近仲良くなったらしい男の子とペアになった。「今日こそは勝つ。」「今日も勝ってやる。」この前測った50m走のタイムはアルタのほうが僅かに速かったので、ルアートは対抗心を燃やしている。そしてどんどん進み、いよいよルアート達の番になった。「それでは次の人達は、準備をしてください!オンユアマーク、セット…」
      バン!!    ドン!!
ピストルの音が響くと同時に、2人は爆走した。
「おいアイツら滅茶苦茶速くね!?」「もう走り終わるじゃん!」そして走り終わった2人は、先生にタイムを聞いた。結果は…ルアートが6.67秒、アルタが6.58秒だった。「チッ、今日も負けたか。」また負けたルアートは少し悔しそうだ。「おいお前ら、一応聞くけどズルとかしてないよな?」あまりにも早かったので、体育の先生がルアート達にそう聞いてきた。だが、「不正は嫌いだ。」ルアートが驚くほど真っ直ぐな目で言ったので、先生は信じることにした。そして全員が走り終わったあと、2人はロキのタイムを聞いた。「俺か?俺は6.75だぞ!」どうだ、速ぇだろ!とどや顔で言ってきたが、2人のタイムを伝えると、「上には上が居るなぁ…。」と落ち込んだので「大丈夫だ。一年生で6秒台いってる時点でそこらのやつよりは十分速い。」とルアートがいうと、「いや当たり前だろ!おれはそこら辺のやつじゃなくてお前らに勝ちたいの!」と言ったので、「そうか。励むことだ。」と言えば、「待ってろよぉ、すぐ抜かしてやる!!」と、ロキは意気込んだのである。
「次の授業は…、国語か。ん?学力状況調査?なんだこれは。」ルアートが時刻表をみながらそういうと、ヨウタがよってきた。「学力状況調査ってのは、国語と数学が現時点でどのくらい学力があるかってのをはかるテストだ。まあ、お前らなら出来るだろ。」とヨウタが説明した。「なる程。取り敢えず教室に向かうか。」とルアートが言い、それぞれ教室に向かった。準備を終えて席に着くと、「ではもう少ししたら回答用紙と問題用紙を配ります。机の上は鉛筆、またはシャーペンと消しゴムだけにしてください。」と先生が言ったが、ルアートは特にそれ以外の物を出していなかったのでなにもしなかった。それから少しして、回答用紙と問題用紙が配られた。「最初は国語です。制限時間は45分、鉛筆などを落としてしまったら手を上げて先生に拾ってもらうこと。当たり前ですがカンニングはしないこと。何か質問はありますか?…それではベルがなるまで問題用紙の表紙のルールを見ていてください。」と、先生が簡単にテストの説明をした。それから少しして開始を告げるベルがなり、全員が一斉にテストを解き始めた。
それから45分たち、終わりを告げるベルが鳴った。「それでは筆記用具をおいてください。一番後ろの人たちは、自分のが一番下になるようにして回答用紙を回収してください。」そして回答用紙をすべて回収し終わり、先生が確認したら、いよいよ一時間目の終わりである。「それでは一時間目の授業を終わります。全員起立、気をつけ、礼。」そうして2時間目が始まるまでの休憩時間になった。「いやぁ、結構簡単だったな!」
ロキが笑いながらいった。「訓練そっちのけで勉強させられたかいがあったな…。」ルアートが苦い顔をしながらいった。実は、幼い頃から戦闘しかしてなかったルアート達は、中学校に通う前にレイに教えられて小学校の勉強を1通りしており、短期間で詰め込まなければいけないのでその忙しさは剣の特訓の頻度を下げなければいけないほどだった…。だが、そのお陰で小学校の勉強は1通り分かるようになった。「よう、お前らどうだった?俺は自信あるぞ。」ヨウタがそういってきた。「おう、俺も自信あるぞ!」ロキが自信満々な様子でそう言った。「そうか、結果は3者面談の時にでも返されるんじゃね?」ヨウタがそう言った。「3者面談ってなんだ?」ロキがそう聞いた。「3者面談っていうのは、自分と親と先生の3人で生活態度がどうとか成績がどうとか話すんだよ。まあまだ大分先だろうけどな。お前ら親いるだろ?」そうヨウタにいわれて、ルアートは一瞬考えたが「ああ、いるぞ。」と嘘をついた。余計なことをいわれたくなかったのだ。「おう、だよな。俺は片親でなぁ、父親の愛情を知らねぇんだよ。」とヨウタが少し悲しそうな表情をしながらいった。「俺には5歳下の弟がいてな、弟のことは俺が父親代わりで世話してんだよ。女手ひとつでやんちゃな俺達を育ててくれた母さんには感謝しかねぇな。」と語った。「片親か…。ちなみに片親になった理由は?」と、ルアートが聞いた。「ん?ああ、離婚だよ離婚。俺が2、3歳くらいの頃にな。前から仲悪かったらしいんだよ。」とヨウタが言った。「離婚か…。」そもそも親がいないルアートは、離婚と言う言葉にあまりピンと来なかったが、取り敢えずこれ以上聞くのも何だと思ったので、話を終わらせた。
それから2時間授業を受けて、ルアート達は自分達の家に帰った。「親かぁ…。親ねぇ…。」と、ロキがうわ言のように呟いていたので、エルが「うっせーなお前。俺達に親はいない。その揺るぎ無い事実だけあれば充分だろうが。」と苛ついたようにいった。「んまー、そうだが…。あらためて言われると気になるだろ?お前も。」とロキが頬杖をつきながらいった。「まあ、全く気にならないわけではないが…。いまさら考えても…。」と、若干口ごもりながらエルが反論した。するとルアートが、「…私達がいる以上、親は必ずいるはずだ。母親も父親も。」といった。「なんだよ急に。お前には俺らの両親の心当たりがあんのか?」とロキが驚いたように言った。「これは聞いた話だ。どこまで本当なのか分からない。まるっきり嘘かもしれない。それでも聞くか?」とルアートが全員に聞いた。「急だな。だが、俺は聞きたい。嘘の可能性もあるが、本当の可能性もあるんだろ?なら、その一縷の望みにかけるだけだ。その話を聞くことで少しでも両親のことを知れるのなら。」と、ロキが覚悟した顔でいった。他の全員もうなずいた。ルアートは一呼吸置いて、話し始める…。
「これは、私の母親の妹を名乗る人物から聞いた話だが…。」

作者メッセージ

こんにちは。
いつもより少し長めになりました。
果たしてルアートが母親の妹から聞いた話はなんなのか?ルアート達の両親はどんな人なのか?楽しみにしておいてください。新しいシリーズ物の小説書き始めるので、この小説の投稿頻度は少し落ちるかもしれません。ご了承ください。

2025/09/10 18:15

りーか
ID:≫ 6.HoR4v8S2hQk
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