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感情を失ったとある女の子の話

#3

過去回想回

愛機が田里弥と倉央に拾われてから一年が経過したある日、愛機がぼーっと空を見ていると、倉央が話しかけてきた。「お前暇だろ?それならちょっと昔話聞いてくれよ!」「…わかった。」愛機はなぜ急にそんなことを言ってきたのかわからなかったが、取り敢えず話を聞くことにした。
「今から1年半くらい前だったか?
あのときはな…」
ーーーーーーーーーー

「…これが...、戦場か。」
規則正しく並ぶ大勢の兵士達のなかに、槍を片手に少し震えている少年兵が一人。
彼の名は、田里弥といった。
彼はこの戦が初陣で、徴兵で集められて王翦軍に配属された兵の一人である。
「…やっぱり怖い、な…。」
ある程度訓練を受けたとはいえ、彼はまだ少年といっていい年齢。今から殺しあいをすることに多少は恐怖を覚えても仕方がない。
「王翦軍第一歩兵隊、突撃せよ!!」
部隊長らしき人物の掛け声で、田里弥たちは一斉に敵に向かって突撃していった。
先頭同士がぶつかるときにまず強い衝撃で人が弾け飛ぶ。その光景にも少し吐き気を覚えたのに、さらにあちこちで人々の断末魔や武器が体を貫く音が聞こえる始末。田里弥は耐えきれず耳をふさいで座り込んでしまった。
(怖い、怖い、怖い...。やっぱり俺に戦場なんて)
そう思った矢先、「死ねぇぇぇぇぇ!!」一人の敵兵が田里弥に向かって武器を向けてきた。(避けきれない…!)田里弥が死を覚悟して目をつぶった。
…が、
田里弥の体を貫こうとしていた攻撃は、田里弥の目の前に立ちはだかった兵によって止められた。
「ああああああ!!」その兵は力で敵兵を吹き飛ばしたあと、槍で突き刺して殺してしまった。
「っ…!ありが「礼は後でいいから今は立て!また今みたいになっても知らねぇぞ!」!!」
その言葉で、田里弥はしっかりと槍を持ち直して立ち上がった。それからしばらくして数人の敵兵を槍でつき殺すと、田里弥も負傷が増えてきたし息も上がってきた。武器をもつのすらやっとの状態だ。
そのせいで集中力が途切れ、不意に後ろからきた敵兵の攻撃を受けてしまい、田里弥は気絶してしまった。

「……ん………はっ!あ"、あぅ……」
田里弥は天幕で勢いよく起き上がると同時に、身体中のはげしい痛みに悶絶した。
「っっっ…俺はいったい何を…。」
痛みに耐えながら、田里弥は自分が何をしていたのか思い出そうとした。
「…そうだ...俺は、戦場にいって…そこで、敵の攻撃を受けて…、ここまで…運ばれてきたのか?誰が...いったいそんなこと……もしかして……う"っ…頭が痛い…。もう少し休むか…。」考えるだけでも頭が割れるように痛い。この痛みが少しでも引くことを願って、田里弥はもう一回休むことにした。
「…い、おい、おい!起きろ!」
「…はっ!?ッ…あ、あまり、痛くない…。」
誰かの呼ぶ声で、目が覚める。
田園里弥は頭があまり痛くないことに少し安堵を覚えてから、声の主のほうに顔を向けた。
「あ...あのときの…」
「よかった、起きたのか。いくら揺さぶっても全然起きないから心配したぞ。」
「あ、あぁ…そうなのか…。」
まだちょっと寝ぼけているような様子の田里弥は、その少年兵をみて、自分より1つ2つくらい上だろうか…なんて呑気なことを考えていた。
「…先程は…ありがとう。俺は田里弥。お前の名前は?」
「…俺は倉央。親に戦場行けっていわれたから来てる。本っ当頭おかしいよな俺の親…」
なんて過酷な…自分も強制的にこさせられたようなものだが、この倉央とかいうやつもなかなかにやばかった。
「…こっからどうする?まだ体痛むか?」
「ああ…、そりゃあまあ…」どうするといわれても。今の状態の自分に選択権はあるのだろうか。そんな疑問が浮かぶ。
「まあ、取り敢えず休んどけよ。俺も側にいといてやるからさ。」別にこいつの監視がなくとも逃げ出したりはしないと言うのに。どんだけ物好きなんだろうか。
取り敢えず田里弥は考えるのを諦めて寝ることにした。
それから初陣の戦が終わった。田里弥は殆ど寝てるだけだったが、倉央はそれからもそこそこの活躍をしたらしい。
それからも、倉央は田里弥に付きまとった。周りからあれ大丈夫か?と言われるくらいに。だが、家事が出来ない田里弥とは反対に、倉央はそこのところが器用らしい。まあそこも含めて利用できるだけ利用してやるかと田里弥は考えた。しかし、どういうわけか田里弥と倉央の仲の良さは周りでも公認になってしまったらしい。聞けば倉央が言いふらしたらしい。田里弥は倉央と仲良くなったことを後悔した。
ーーーーーーーーーーーーーー
「…っつーのが俺と田里弥の過去の話だ!どうだ、面白いだろ!?」
「…途中から田里弥の懺悔話になっていた気がするが…話が終わったのなら帰って良いか?」
「えーっ、なんでだよ!もうちょっと話聞いてくれよ~」
「私は早く帰りたい。それよりも後ろはいいのか?」
「え?後ろ?」
そういって倉央が後ろに振り向くと…
鬼の形相の田里弥がいた。
「……………………倉央………………………」
「ヒェッデッデンリミ……イヤチガウンダイヤコレハソノ………………」
「…言い分けはいい。早くこっちにこい。」
「たっ助けてくれ愛機……!」
「諦めろ。」
「嫌だあぁぁぁぁぁ…」
愛機はなぜ今になってこんなに昔話などしたのだろうと思ったが、またいつもどうりの日常になっていくなかで、そんなことは忘れ去っていた。

作者メッセージ

こんにちは!
お久しぶりです!
今回は田里弥と倉央の出会いを想像してみました。
時系列としてはこの数ヶ月あとに王翦様からの電撃スカウトがくる予定です。
早く信とか登場させたいよぉ…

2026/02/15 18:00

りーか
ID:≫ 6.HoR4v8S2hQk
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