「待たせてごめんね、チカ。」
「次は、○○町~、○○町~。」
アナウンスを聞いて、聞いたことがあるような町の名前だな、と思う。
おかしいな。
ここに来た記憶は、僕の中にはないのに。
ここに来たのは初めてのはずだ。
景色も初めて見る。
なのに、なんで聞いたことがあるのだろう。
列車を降りると、きれいな景色が広がっていた。
大きな木。
広い草原。
たくさんの花。
どれも初めて見たが、どこか懐かしさを感じる。
本当にどうしてだろう。
僕は、チラリと木のほうを見ると、木陰で誰か休んでいる。
その子は僕と同い年くらいで、着物を着ていた。
そういえば、この町に住んでいる人は着物を着ている人が多いんだっけ。
そう考えてまた女の子の顔をしっかりと見ると、どこか見覚えがある顔に見えた。
「……、チカ?」
このことあったはずはないのに、その子の名前であろう言葉がなぜか僕の口から出た。
僕の名前はコウキ!
僕が住んでいるこの町の人は、みんな着物を着ていて、みんなやさしいんだよ!
ともだちもいっぱいいるんだ!
そのなかで、一番なかよしなのはチカ!
チカは僕と同い年だけど、ちょっと背が低いんだ!
でも顔はすごくかわいくて、着物を着ていると、まるでお人形さんみたいなんだよ!
髪型はポニーテールが好きらしいけど、そのままとか、ツインテールもかわいいんだよ!
チカは僕のことを「やさしい」って言ってくれるし、僕の大切な友達なんだ!
でも、今日、そんな「やさしい」といわれる僕でも、許せないことがあった。
町を歩いていると、こんな話を聞いたんだ。
「チカって、美人だからって調子に乗ってるよな。」
「そうそう!実はメイクしてたり、仮面をかぶったりしていて、本当の顔はブスらしいぜ!」
「あははっ!そりゃひどい!」
…、許せない。
僕はすぐそいつらに文句を言ってやったさ!「チカに悪口いうな!」ってね。
そしたら、「悪口言わないようにするから、あの森まで行って来いよ」って言われたんだ。
そいつが指さした森は絶対に行ってはいけない森で、昼間でも薄暗くて、帰ってきた子はいないっていう森だ。
僕はすぐに行ったよ。
でも、やっぱり薄暗くて、もうすぐ森から出れるというところで、石につまずいてそこにあった岩に頭を―――
「コウキ⁉コウキ!」
その女の子は、僕に気づくと、『コウキ』と呼ぶ。
誰?
そう考えるより先に、僕の頭が『僕の名前だ』という。
「コウキ…!よかったよ、無事で!森に行ったっきり帰ってこないっていうから、ずっと心配してて…!」
僕はその状況を理解できなかったが、頭が殴られたようになって、記憶喪失になる前の記憶が流れ込んできた。
僕は、その子…。いや、『チカ』に、こういった。
「待たせてごめんね、チカ。」
アナウンスを聞いて、聞いたことがあるような町の名前だな、と思う。
おかしいな。
ここに来た記憶は、僕の中にはないのに。
ここに来たのは初めてのはずだ。
景色も初めて見る。
なのに、なんで聞いたことがあるのだろう。
列車を降りると、きれいな景色が広がっていた。
大きな木。
広い草原。
たくさんの花。
どれも初めて見たが、どこか懐かしさを感じる。
本当にどうしてだろう。
僕は、チラリと木のほうを見ると、木陰で誰か休んでいる。
その子は僕と同い年くらいで、着物を着ていた。
そういえば、この町に住んでいる人は着物を着ている人が多いんだっけ。
そう考えてまた女の子の顔をしっかりと見ると、どこか見覚えがある顔に見えた。
「……、チカ?」
このことあったはずはないのに、その子の名前であろう言葉がなぜか僕の口から出た。
僕の名前はコウキ!
僕が住んでいるこの町の人は、みんな着物を着ていて、みんなやさしいんだよ!
ともだちもいっぱいいるんだ!
そのなかで、一番なかよしなのはチカ!
チカは僕と同い年だけど、ちょっと背が低いんだ!
でも顔はすごくかわいくて、着物を着ていると、まるでお人形さんみたいなんだよ!
髪型はポニーテールが好きらしいけど、そのままとか、ツインテールもかわいいんだよ!
チカは僕のことを「やさしい」って言ってくれるし、僕の大切な友達なんだ!
でも、今日、そんな「やさしい」といわれる僕でも、許せないことがあった。
町を歩いていると、こんな話を聞いたんだ。
「チカって、美人だからって調子に乗ってるよな。」
「そうそう!実はメイクしてたり、仮面をかぶったりしていて、本当の顔はブスらしいぜ!」
「あははっ!そりゃひどい!」
…、許せない。
僕はすぐそいつらに文句を言ってやったさ!「チカに悪口いうな!」ってね。
そしたら、「悪口言わないようにするから、あの森まで行って来いよ」って言われたんだ。
そいつが指さした森は絶対に行ってはいけない森で、昼間でも薄暗くて、帰ってきた子はいないっていう森だ。
僕はすぐに行ったよ。
でも、やっぱり薄暗くて、もうすぐ森から出れるというところで、石につまずいてそこにあった岩に頭を―――
「コウキ⁉コウキ!」
その女の子は、僕に気づくと、『コウキ』と呼ぶ。
誰?
そう考えるより先に、僕の頭が『僕の名前だ』という。
「コウキ…!よかったよ、無事で!森に行ったっきり帰ってこないっていうから、ずっと心配してて…!」
僕はその状況を理解できなかったが、頭が殴られたようになって、記憶喪失になる前の記憶が流れ込んできた。
僕は、その子…。いや、『チカ』に、こういった。
「待たせてごめんね、チカ。」
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