「夜桜、お前……どうした?」
「え? どうしたって、どうもこうもないよ」
……昨日までは、こんなんじゃなかった。
俺——[太字]晴[/太字]は困惑を隠せずにいた。
初日から違和感はあった。
その時は自覚がなかったらしい。
俺も、気のせいだと思っていた。
でも今の夜桜は違う。
今までよりさらに透けて、向こうの景色が顔越しに見える。
「琴葉も……見えないのか?」
「何が?」
「それは……」
俺は琴葉の方に寄って、小さく言う。
[小文字]「夜桜の体……透けてないか?」
「は? 晴くん、何言って……。ぇ!」[/小文字]
琴葉が顔色を変えた。
[小文字]「晴くん、マジだよ。なんで⁉︎」
「知らねーよそんなの。これ、夜桜に訊くほうがいいのか?」
「……わからない。でも、事が深刻になる前に……」[/小文字]
「何話してるの?」
振り向くと、夜桜が立っていた。
「2人ともさっきからコソコソ話してて……私に言いたい事があるんなら言って!」
俺は琴葉と顔を見合わせる。
「言ってよ」
夜桜の顔越しに、夕陽が透けて見えた。
「あー、夜桜。俺たちに会ってから起きた変な事ってあるか?」
「は? いや、まず2人が変な人じゃん。ガマガエルやら変な影やらもだし」
質問が悪かった。
「いや、そうじゃなくて……。具体的には、初日とさっき共通して起こった出来事なんてあるか?」
そう訊くと、夜桜の目が思案するように揺らぐ。
いつしかそれは、何かを言うか迷っている揺らぎに変わった。
「頼む、言ってくれ。お前のためな——」
「わかんない。でも、琴葉ならわかる」
「へ⁉︎ あたしなんも知らないよ!」
最初こそ間抜けな声を出した琴葉だが、その後思い出したように俺が来る前のことを説明してくれた。
「……多分、原因はそれだな。夜桜、今後できるだけ使うな」
「……うん」
——それから3日。
俺たちの周りには、嘘みたいに何も起こらなかった。
「え? どうしたって、どうもこうもないよ」
……昨日までは、こんなんじゃなかった。
俺——[太字]晴[/太字]は困惑を隠せずにいた。
初日から違和感はあった。
その時は自覚がなかったらしい。
俺も、気のせいだと思っていた。
でも今の夜桜は違う。
今までよりさらに透けて、向こうの景色が顔越しに見える。
「琴葉も……見えないのか?」
「何が?」
「それは……」
俺は琴葉の方に寄って、小さく言う。
[小文字]「夜桜の体……透けてないか?」
「は? 晴くん、何言って……。ぇ!」[/小文字]
琴葉が顔色を変えた。
[小文字]「晴くん、マジだよ。なんで⁉︎」
「知らねーよそんなの。これ、夜桜に訊くほうがいいのか?」
「……わからない。でも、事が深刻になる前に……」[/小文字]
「何話してるの?」
振り向くと、夜桜が立っていた。
「2人ともさっきからコソコソ話してて……私に言いたい事があるんなら言って!」
俺は琴葉と顔を見合わせる。
「言ってよ」
夜桜の顔越しに、夕陽が透けて見えた。
「あー、夜桜。俺たちに会ってから起きた変な事ってあるか?」
「は? いや、まず2人が変な人じゃん。ガマガエルやら変な影やらもだし」
質問が悪かった。
「いや、そうじゃなくて……。具体的には、初日とさっき共通して起こった出来事なんてあるか?」
そう訊くと、夜桜の目が思案するように揺らぐ。
いつしかそれは、何かを言うか迷っている揺らぎに変わった。
「頼む、言ってくれ。お前のためな——」
「わかんない。でも、琴葉ならわかる」
「へ⁉︎ あたしなんも知らないよ!」
最初こそ間抜けな声を出した琴葉だが、その後思い出したように俺が来る前のことを説明してくれた。
「……多分、原因はそれだな。夜桜、今後できるだけ使うな」
「……うん」
——それから3日。
俺たちの周りには、嘘みたいに何も起こらなかった。