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夜の桜は散る運命にある

#5

4.

「…………え?」

 なにもかも、動いていない。
 ガマガエルも、人形の影も。
 晴も、琴葉も。
 空を飛ぶ鳥、風にはためいていた商店街の旗。
 全部、止まっている。

 なのに、私だけ動けている。

 目の前には、飛びかかってくる瞬間のガマガエルがいた。

「キモっ……」

 思わず横に飛び退く。
 その瞬間、ガマガエルが放物線を描きながら落ちていった。

「天音ちゃん⁉︎ 大丈夫⁉︎」
「よそ見すんな、琴葉!」

 琴葉と晴も動いている。
 手が震える。
 なんだったの、今の……?

「夜桜、どこか安全な場所に行け!」

 指示通り、商店街の方に逃げ込む。
 足元が水に覆われた、誰もいない八百屋の中で待つ。

 しばらくして、静かになった頃合いを見て、外に出る。
 気づけば、水が少しずつ減っていく。

 晴たちのところに着いた時は、いつのまにか買い物をしている人もいた。

「助かった……?」

 そう呟いた私を見て、晴がギョッとしたような顔を見せる。

「夜桜……? それ……どうした?」
「え?」

 何かついてるのかと思い、あわてて身体中をチェックする。

「何もないじゃん。晴くん、どうしたのー?」

 琴葉も笑い出す。だけど晴は神妙な表情のままだった——。

[中央寄せ]—幕間{side 晴}—[/中央寄せ]
 戻ってきた夜桜が、[太字]透けていた[/太字]。
 夜桜の身体が、光に溶けるかのように僅かに透明になっている。
 後ろの商店街や人々の姿が、ほんのり透けて見えた。
 本人も琴葉も気づかず、ただ歩く夜桜を見守るだけだった。

「……これ以上、変なことが起こらないといいが」

 小さく呟いたとき、夜桜が振り向いた。

「晴ー? 行かないの?」
「……あ、あぁ。今行く」

 俺は返事をして、2人の方へ向かった。
[水平線]

[明朝体][太字][右寄せ]誕生日まであと7日[/右寄せ][/太字][/明朝体]

作者メッセージ

雨坂です。
なんか短いですね、すみません

2026/03/18 17:30

雨坂結侑
ID:≫ 0pdtWgWyzpc/U
コメント

この小説につけられたタグ

和風ファンタジー陰陽師生贄

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