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リヴァース〜裏世界での高校生バトルロワイヤル〜

#3

2.

 一旦僕たちは、学校の外に出てみた。

 この【リヴァース】とやらは、そんなに広くないらしい。
 せいぜいこの岩代町くらいの広さ。
 でも全部左右対称。

「本当によく分からないとこだね……」

 そう言うのは雪希。ちなみに髪は下ろしている。
 [リヴァースラボ]に、髪を結ぶとかあったから、変なところで【コトダマ】が発動してみても困る。

「ねえ、雪希、瑞紀。あの、一回その能力? 試してみない?」

 綾斗が言うから、とりあえず校庭で試してみることにした。
[水平線]
 校庭は、昼なのにどこか薄暗かった。
 太陽の位置は表世界と同じはずなのに、光が濁っているというか……フィルター越しみたいに見える。
「とりあえず、誰からいく?」
 僕が聞くと、綾斗が手を挙げた。

「じゃ、俺から。風刃ってやつ」

 綾斗が深呼吸すると、周囲の空気がざわりと揺れた。
 見えない風が巻き起こり、彼の指先に三本の細い線が集まっていく。

「……わ、これ、本当に出るんだ」

 綾斗が軽く腕を振ると——
 風が三本の刃になって地面をかすめ、砂が細かくえぐれた。

「ちょ、ちょっと! これ普通に危なくない!?」
 雪希が思わず後ずさる。

「いや、でもこれ本当に現実になるんだな……。本物の力って感じ」と綾斗。

「次、瑞紀じゃない?」
 雪希に言われて、僕は手を前に出した。

「えー……能力【夢鏡】。念じたら“反転する”って書いてあったけど……」

 とりあえず、指先で空中に向けて軽く風刃の跡をなぞる。
 地面に刻まれた浅い傷を、“治れ”とイメージしてみる。

 すると、地面の溝がゆっくりと埋まっていった。

「……治った?」
「反転したんだよ、多分。攻撃→回復」

「え、すご……瑞紀、使い方次第でなんでもできるじゃん!」
 雪希が目を輝かせる。

「いやいやいや、僕そんな万能じゃないと思う……」

 そう言いかけた瞬間、雪希が「あ、じゃあ次私」と言って髪ゴムを取り出した。

「雪希、それ本当に大丈夫?」
「うん……一応、ひとつだけ試す。危なくないやつ」

 雪希は髪を後ろでひとまとめにして、きゅっと結んだ。
 すると——ほんの一瞬、空気が揺れる。

「じゃあ……“この校庭、ちょっと明るくなれ”?」

 その言葉と同時に、曇り気味だった空がすっと澄み、光が強くなった。

「え……これ、雪希が?」
「……ほんとに、現実になるんだ」

 雪希自身が一番驚いた顔で空を見上げていた。

「すご……でもこれ、言葉ひとつで何が起きるか分からないってことだよね」

 綾斗が真顔になる。
 僕も同じことを思った。

 ——だって、今の雪希がもし「暗くなれ」って言ってたら、
 このフィールドは一瞬で真っ暗になっていたかもしれない。

「こわ……。なるべく髪下ろしとくわ」
「「そうしといて」」

 綾斗と僕の声がハモった。
 3人で笑い合っていた時に、スマホが震えた。

[中央寄せ][明朝体]着信:チームシロハネ[/明朝体][/中央寄せ]

2025/11/17 12:49

雨坂結侑
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