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SCP_foundation_original
#1
『 最期の友人 』
孤独を晴らすように扉が開く。
私の瞳孔が弧を描く。
瞳に映るのはボロボロの人間。
こちらを睨んだ後、ようやく口を開いた。
「おい。何ボーッとしてんだ。」
少しばかり叱りを受けたが、久しぶりに人の声を聞けた私は何も気にしない。
職員服を見るに彼はDクラス職員。
なんの罪でここまで来たのやらと思いつつもやはり嬉しさが先行し、こちらもまた口を開いた。
「ボーッとしててごめんね。あなたは誰?」
数秒の沈黙の後、彼はこう言った。
「名前なんかない。お前と同じだ。」
その言葉の意味が理解できなかった。
私には名前がある。
ちゃんと名前があるのだから。
だから聞き返した。
「私には名前があるよ?どうして同じなの?」
すると彼は溜息をついた。
その溜息の意味も、やっぱり理解できなかった。
「お前は自分の名前を言えるのか?」
「もちろん。私の名前は████だよ。」
「ほらな」と言わんばかりにこちらを睨みつけては話を続ける。
「お前は自覚がないのか?」
「なにの?」
「名前と自分の恐ろしさに。」
私の名前は普通だし、私は恐ろしくない。
何を言っているのかわからない。
自分がSCPオブジェクトとして収容されているから人間ではないことはわかるが、恐ろしくはないはずだ。
だって私は友達になりたいだけだから。
「わからないや、だって私はSCPオブジェクトとして収容されてるだけで、他は普通だもの。」
「...そうか。」
また沈黙。
どうしてか会話が歪まない。
かと思うとあちらから声をかけてくる。
「...俺はお前と友達になりたい。」
「えっ?」
もちろんそれは嬉しいことだ。
だって、皆が私を避けていた中で彼は私を友人にしたいと願うのだから。
「ダメなのか?」
「ダメじゃないけど...びっくりしたの。」
「あっそ。じゃあ友達な。」
「...うん。」
形式的な友人になったところで彼はいきなりこう問うた。
「お前の一番大きな願いはなんだ?」
「......ここから出たい。」
「俺の願いと一緒に、お前の願いも叶えてやる。」
20XX年__3月7日
彼は「終了」された。
私の脱出を許したから。
私は結局また収容されてしまった。
彼の願いはきっと、「誰かを救いたい」。
死刑囚になるほどの罪を犯しておいて、そんなことを考えるのが不思議で仕方がなかった。
私はもう友人を作ることができないはず。
彼は私にとって最後の友人で、彼にとって私は最期の友人。
私の瞳孔が弧を描く。
瞳に映るのはボロボロの人間。
こちらを睨んだ後、ようやく口を開いた。
「おい。何ボーッとしてんだ。」
少しばかり叱りを受けたが、久しぶりに人の声を聞けた私は何も気にしない。
職員服を見るに彼はDクラス職員。
なんの罪でここまで来たのやらと思いつつもやはり嬉しさが先行し、こちらもまた口を開いた。
「ボーッとしててごめんね。あなたは誰?」
数秒の沈黙の後、彼はこう言った。
「名前なんかない。お前と同じだ。」
その言葉の意味が理解できなかった。
私には名前がある。
ちゃんと名前があるのだから。
だから聞き返した。
「私には名前があるよ?どうして同じなの?」
すると彼は溜息をついた。
その溜息の意味も、やっぱり理解できなかった。
「お前は自分の名前を言えるのか?」
「もちろん。私の名前は████だよ。」
「ほらな」と言わんばかりにこちらを睨みつけては話を続ける。
「お前は自覚がないのか?」
「なにの?」
「名前と自分の恐ろしさに。」
私の名前は普通だし、私は恐ろしくない。
何を言っているのかわからない。
自分がSCPオブジェクトとして収容されているから人間ではないことはわかるが、恐ろしくはないはずだ。
だって私は友達になりたいだけだから。
「わからないや、だって私はSCPオブジェクトとして収容されてるだけで、他は普通だもの。」
「...そうか。」
また沈黙。
どうしてか会話が歪まない。
かと思うとあちらから声をかけてくる。
「...俺はお前と友達になりたい。」
「えっ?」
もちろんそれは嬉しいことだ。
だって、皆が私を避けていた中で彼は私を友人にしたいと願うのだから。
「ダメなのか?」
「ダメじゃないけど...びっくりしたの。」
「あっそ。じゃあ友達な。」
「...うん。」
形式的な友人になったところで彼はいきなりこう問うた。
「お前の一番大きな願いはなんだ?」
「......ここから出たい。」
「俺の願いと一緒に、お前の願いも叶えてやる。」
20XX年__3月7日
彼は「終了」された。
私の脱出を許したから。
私は結局また収容されてしまった。
彼の願いはきっと、「誰かを救いたい」。
死刑囚になるほどの罪を犯しておいて、そんなことを考えるのが不思議で仕方がなかった。
私はもう友人を作ることができないはず。
彼は私にとって最後の友人で、彼にとって私は最期の友人。