「えーと…まずどうしてそうなった?お前は明日の儀式に向けて、今日一日準備していたそうじゃないか」
城屋敷東館、濃い赤となめらかな紅鳶色を基調とした和風の大広間。あかあかと燃え盛る暖炉の影に磨かれた石柱、光沢のある銀朱の緞帳と、真鍮の壁掛け燭台。
木彫り細工の施された謁見室の、その重々しくしつらえられた椅子に、若き姫は腰を落ち着けていた。
「左様でございます…」
しゅん…とうなだれているのは、黒髪の少年。いつも素直でまっすぐなくりくりとした瞳は暗く沈み、声も落ち込んでいる。
彼の名はクク。この国の第一王女である少女…リカの、専属の従者である。
「明日は、王位継承者であるリカ様が、お父君から国王の座を継ぐ大切な式典の日。…私はお城の中庭に、儀式に使用されるろうそくを運んでおりました」
かつてこの地を訪れた、豊穣の神が灯したとされる巨大なろうそくは、うさぎの子孫である代々の王たちによってロウを継ぎ足しながら守り続けられていた。かれこれ1000年ほど燃えていたそうな。
ろうそくは普段は宝物庫に厳重にしまってあり、酸素のみを通す特殊な鉱石の覆いの中に、燃えたまま入っている。
普段ならめったに見られない宝物庫が開帳する。家宝の運搬を任された信頼の厚いククは、それはそれは注意深くろうそくの載ったその手押し車を運び、中庭の倉庫までたどり着いた。
「…ですが、その時です!」
ゴロ…ゴロゴロ…
…ピシャーン!!!
突如の落雷。文字通りの青天の霹靂に、ククは叫んだ。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!」
「は?」
リカが眉を顰める。
「…嘘だろお前…それで?」
「はい。驚いた拍子に手元が狂い、運んでいたろうそくを、台車ごと倒しました」
ククが涙目でそう言った。
「うんよし分かった。死刑」
「状況が状況なだけにシンプルに怖いのやめてください!」
リカが真顔で告げると、謁見室に哀願の声が響いた。
城屋敷東館、濃い赤となめらかな紅鳶色を基調とした和風の大広間。あかあかと燃え盛る暖炉の影に磨かれた石柱、光沢のある銀朱の緞帳と、真鍮の壁掛け燭台。
木彫り細工の施された謁見室の、その重々しくしつらえられた椅子に、若き姫は腰を落ち着けていた。
「左様でございます…」
しゅん…とうなだれているのは、黒髪の少年。いつも素直でまっすぐなくりくりとした瞳は暗く沈み、声も落ち込んでいる。
彼の名はクク。この国の第一王女である少女…リカの、専属の従者である。
「明日は、王位継承者であるリカ様が、お父君から国王の座を継ぐ大切な式典の日。…私はお城の中庭に、儀式に使用されるろうそくを運んでおりました」
かつてこの地を訪れた、豊穣の神が灯したとされる巨大なろうそくは、うさぎの子孫である代々の王たちによってロウを継ぎ足しながら守り続けられていた。かれこれ1000年ほど燃えていたそうな。
ろうそくは普段は宝物庫に厳重にしまってあり、酸素のみを通す特殊な鉱石の覆いの中に、燃えたまま入っている。
普段ならめったに見られない宝物庫が開帳する。家宝の運搬を任された信頼の厚いククは、それはそれは注意深くろうそくの載ったその手押し車を運び、中庭の倉庫までたどり着いた。
「…ですが、その時です!」
ゴロ…ゴロゴロ…
…ピシャーン!!!
突如の落雷。文字通りの青天の霹靂に、ククは叫んだ。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!」
「は?」
リカが眉を顰める。
「…嘘だろお前…それで?」
「はい。驚いた拍子に手元が狂い、運んでいたろうそくを、台車ごと倒しました」
ククが涙目でそう言った。
「うんよし分かった。死刑」
「状況が状況なだけにシンプルに怖いのやめてください!」
リカが真顔で告げると、謁見室に哀願の声が響いた。