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うさ神様のいるところ

#1

第一羽


むかしむかしの、お話です。


土地が痩せ、作物の育たなかったある荒野を、一羽のうさぎが訪れました。

その年から、この地は。

土は肥え、水は澄み、作物が生い茂り。
あたたかな日の光に風が吹き、花のそよぐ…そんな、豊かな国になりました。

そのうさぎは、豊穣の神様だったのです。




時は経ち…


死の間際、うさぎは自らの子に、とあるものを遺しました。

“このろうそくをお前たちにやろう”
…子孫代々ロウを継ぎ足していき、炎を決して絶やさないように、と。

それよりうさぎの子孫たちは代々、そのろうそくの炎と国家の安寧を守り続け…




「豊穣の神の加護で、国は栄え続けました…」
朱色の巫女服を纏った年若い姫は、そう[漢字]諳[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな]んじた後、目の前に平伏する従者の方に視線を落とした。
「…ってのが、お祖母様から聞いた、国の伝説だが」



従者の少年は、がたがたと震えながら、彼女の口から紡がれる玉音を甘んじて受け入れる。
なすすべもなく、とうとう彼女は言った。

「間違えて、ろうそくの火を消しちゃったって…?」

少年が、覚悟を決めたように唇を噛む。

姫が、息を大きく吸い込んで、そして。





「アホおおおおおぉぉぉ!!!!」

姫の叱責の叫びは、夕暮れの都の空にこだました。

作者メッセージ

あまり詳しくはないのですが、弘法寺に、“1200年前に空海が灯した火”があると聞いた時に思いついたお話だったと思います。いや、そんな長い歴史の中で1度か2度くらい、だれかうっかり消しちゃったこともあるだろうと。もし歴史の闇に葬られた、こっそり隠蔽されちゃった大事件があったら…?という発想がベース。短いよ、よろしく!

2025/02/07 22:27

団栗きんとん
ID:≫ soHtg8UkVbFiM
コメント

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セルフリメイク一話一話よ短し御免

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