「と、言うわけで…ハンディカラオケを買って来ました」
仁王立ちで自信満々に言い放つ恋菜を一瞬見て、正直理解が追いつかなかった。
目の前に立つ恋菜が片手を前に突き出して見せびらかすのは、明らかに品物の箱。高価そうな、電化製品の箱。
え…これ小遣いで買ったんか?恋菜が?
ど…どういうわけで…?
先ほどから俺がゲームをしている隣で、何やら言われているなと思ってはいたが、どうせ大事な事じゃないだろうと聞き逃していた俺が悪かった。
案の定、「すみません…もう一度その「わけ」とやらを教えてください恋菜様…」と平謝りした俺を、彼女はかなり冷たい真顔で見下ろしてきた。
そして、
「へぶっ!!!」
「永斗のバーカ!何か聞いてないなと思って「本当に聞いてる?」って5回くらい確認したんだけど!んでその度に「ぱーぺきぱーぺき」とか平成の死語で返してきてさあ!ホンット……はあ~~…」
強めのラリアットを喰らった後、マリアナ海溝よりも深いため息をつかれたのだった。
「…ああ~、前から言ってた誕生日パーティーか。いやビビった、まさかソレ自腹で買ったのかと」
「費用は全部主催者持ちだって。まあ、経費で落としたモノは使い終わったあと全部くれるって言ってたけどね」
思いもかけない恋菜の言葉に、俺は一瞬固まった。
「…え?何それ!主催者側に得無くね?」
「なんか……宮野さんって人が、〝主催者はどうせ二次元側に干渉できないから〟とか…意味わかんないこと言ってたけど。
まとにかく、私たちがすべきことは2つ!」
いいか、よく聞け…と威圧感を纏わせて、恋菜は言った。
「その1!事前に渡されていたメモの通り、おつかいを完遂せよ!
その2!余興で行うミニゲームを企画せよ!」
その迫力に飲まれて、俺は思わず、「おお…」と小さく拍手してしまったのだった。
「それで、そのカラオケだけは先に買ってきたんだ」
「いや、もう必要なモノは全部買ってきたよ?」
「なっ…」
仕事の早すぎる恋菜に、絶句する。
恋菜は当然のように首を少し傾げて、人差し指を1本立てた。
「永斗ここのところさ、塾だの習い事だので忙しかったじゃん。忙しいんだろーなーって、面倒臭いとこは私が全部やっちゃった!…余計だった?」
な…
なぁ…っ…
「なんて良い奴なんだお前え!」
「へへ、私は良い奴ですわよロミオ。って痛え痛え」
俺に手を握られた恋菜が顔を顰める。どうやら感動のあまり、少し強く握りすぎていたらしい。慌てて緩めると、恋菜は机の上に置いたメモに目をやった。
「って事で、優秀なジュリレッナのおかげで〝その1〟は完了ね。あとは一緒に、何のゲームするか考えよっか、永斗ミオ」
「誰がロミオもどきだ」
十数分が経った。
「うー…ん決まんねええ…!」
俺も恋菜も、頭を抱えていた。
出る案出る案、どこかしら致命的な短所のあるものばかり。もしや俺たちって、人並みの企画力というものがないのだろうか…?
「これは…もう少しかかりそうだね…」
「あ、この前の恋菜の1人チュー〇⚪︎ートレインは?」
「需要ないだろ!誰がやるか!」
「葉詩」の表札の掛かるその家は、今日もやたらと騒がしい。
仁王立ちで自信満々に言い放つ恋菜を一瞬見て、正直理解が追いつかなかった。
目の前に立つ恋菜が片手を前に突き出して見せびらかすのは、明らかに品物の箱。高価そうな、電化製品の箱。
え…これ小遣いで買ったんか?恋菜が?
ど…どういうわけで…?
先ほどから俺がゲームをしている隣で、何やら言われているなと思ってはいたが、どうせ大事な事じゃないだろうと聞き逃していた俺が悪かった。
案の定、「すみません…もう一度その「わけ」とやらを教えてください恋菜様…」と平謝りした俺を、彼女はかなり冷たい真顔で見下ろしてきた。
そして、
「へぶっ!!!」
「永斗のバーカ!何か聞いてないなと思って「本当に聞いてる?」って5回くらい確認したんだけど!んでその度に「ぱーぺきぱーぺき」とか平成の死語で返してきてさあ!ホンット……はあ~~…」
強めのラリアットを喰らった後、マリアナ海溝よりも深いため息をつかれたのだった。
「…ああ~、前から言ってた誕生日パーティーか。いやビビった、まさかソレ自腹で買ったのかと」
「費用は全部主催者持ちだって。まあ、経費で落としたモノは使い終わったあと全部くれるって言ってたけどね」
思いもかけない恋菜の言葉に、俺は一瞬固まった。
「…え?何それ!主催者側に得無くね?」
「なんか……宮野さんって人が、〝主催者はどうせ二次元側に干渉できないから〟とか…意味わかんないこと言ってたけど。
まとにかく、私たちがすべきことは2つ!」
いいか、よく聞け…と威圧感を纏わせて、恋菜は言った。
「その1!事前に渡されていたメモの通り、おつかいを完遂せよ!
その2!余興で行うミニゲームを企画せよ!」
その迫力に飲まれて、俺は思わず、「おお…」と小さく拍手してしまったのだった。
「それで、そのカラオケだけは先に買ってきたんだ」
「いや、もう必要なモノは全部買ってきたよ?」
「なっ…」
仕事の早すぎる恋菜に、絶句する。
恋菜は当然のように首を少し傾げて、人差し指を1本立てた。
「永斗ここのところさ、塾だの習い事だので忙しかったじゃん。忙しいんだろーなーって、面倒臭いとこは私が全部やっちゃった!…余計だった?」
な…
なぁ…っ…
「なんて良い奴なんだお前え!」
「へへ、私は良い奴ですわよロミオ。って痛え痛え」
俺に手を握られた恋菜が顔を顰める。どうやら感動のあまり、少し強く握りすぎていたらしい。慌てて緩めると、恋菜は机の上に置いたメモに目をやった。
「って事で、優秀なジュリレッナのおかげで〝その1〟は完了ね。あとは一緒に、何のゲームするか考えよっか、永斗ミオ」
「誰がロミオもどきだ」
十数分が経った。
「うー…ん決まんねええ…!」
俺も恋菜も、頭を抱えていた。
出る案出る案、どこかしら致命的な短所のあるものばかり。もしや俺たちって、人並みの企画力というものがないのだろうか…?
「これは…もう少しかかりそうだね…」
「あ、この前の恋菜の1人チュー〇⚪︎ートレインは?」
「需要ないだろ!誰がやるか!」
「葉詩」の表札の掛かるその家は、今日もやたらと騒がしい。
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