「っはああああ~~……全っ然終わりませ~ん!」
先ほどからブツブツこぼしていたスピリトーゾは、とうとう音を上げてその場にへたりこんだ。
「いやスッピー、ダメになんの早すぎ。まだまだ終わんないから」
「[漢字]ほんほにはんへぼふらだへほんなふはんおほひんだほーへ[/漢字][ふりがな]本当に何でぼくらだけこんな負担多いんだろうね[/ふりがな]。…んん、ゴクン。他のとこ絶対こんな大変じゃないって」
「味見」という名目で大量の料理を頬張るのんきなエスプレッシーヴォを少し睨みつけながら、彼女はすぐ隣に立ちこちらを見下ろす青年に言い返す。
「それにしても作業量が多すぎるんですよ。流石に休憩をとりましょう。皆が皆、貴方みたいな体力オバケじゃないんですよ!」
「俺、これ褒められてる?ディスられてる?」
「分からんが、とりあえず舐められてはいるな」
幼なじみのふたりは、顔を見合わせて苦笑した。
むにっ、ぷちり。
口の中で弾力のある「パール」を噛むと、甘ったるい糖蜜が溢れ出してくる。
3人は、急ごしらえのバブルティーを飲みながら休憩していた。
「マルカートはね、確かに昔からそういうところがあった。見て分かると思うけど、コイツこの通り割とスポーツもできてさ」
「その多才さがもうムカつきますね。性格悪いのがもったいない」
「おい」
まるで夫婦漫才のような2人のやりとりに思わず噴き出して、エスプレッシーヴォはキッチンの方を眺めた。
色とりどりのパエリア、鮮やかなカルパッチョ、釜焼きの、芳醇で香ばしいピッツァ、オードブルにリゾット。料理の天才である2人の、これ以上ない力作だ。
「…ま、なんてったってパーティーだからね」
その呟きは、小競り合いを続ける2人には、聞こえていなかったらしい。
「やっと…終わりました…もうダメ…」
手にミトンをはめたままふらふらとキッチンから出てきたスピリトーゾは、エスプレッシーヴォが座っていたソファの前に立つなり、クッションの中に倒れ込んだ。
「うお、ビックリした!…マルカート、お前…無理させすぎじゃないか?これ相当疲れてるっぽいけど」
「まあ、悪かったな。とにかく終わったから…あとは俺たちで会場まで運んでおいてやろう」
目も眩むような美しい料理の数々を全てバスケットに載せた後、エスプレッシーヴォは尋ねた。
「あれ?最後に焼いたこのケーキ生地はカゴに入れないの?」
「ん?…ああ、こっちは運ぶ先が違うんだよ。このバスケットは会場。ケーキは…スタジオ、って言ってたかな」
「何それ」
「俺もよくは分からない」
2人が話しているのにも気付かないスピリトーゾは、もうすっかり夢の中。
その寝顔には、仕事をやり終えた満足の笑みが浮かんでいた。
先ほどからブツブツこぼしていたスピリトーゾは、とうとう音を上げてその場にへたりこんだ。
「いやスッピー、ダメになんの早すぎ。まだまだ終わんないから」
「[漢字]ほんほにはんへぼふらだへほんなふはんおほひんだほーへ[/漢字][ふりがな]本当に何でぼくらだけこんな負担多いんだろうね[/ふりがな]。…んん、ゴクン。他のとこ絶対こんな大変じゃないって」
「味見」という名目で大量の料理を頬張るのんきなエスプレッシーヴォを少し睨みつけながら、彼女はすぐ隣に立ちこちらを見下ろす青年に言い返す。
「それにしても作業量が多すぎるんですよ。流石に休憩をとりましょう。皆が皆、貴方みたいな体力オバケじゃないんですよ!」
「俺、これ褒められてる?ディスられてる?」
「分からんが、とりあえず舐められてはいるな」
幼なじみのふたりは、顔を見合わせて苦笑した。
むにっ、ぷちり。
口の中で弾力のある「パール」を噛むと、甘ったるい糖蜜が溢れ出してくる。
3人は、急ごしらえのバブルティーを飲みながら休憩していた。
「マルカートはね、確かに昔からそういうところがあった。見て分かると思うけど、コイツこの通り割とスポーツもできてさ」
「その多才さがもうムカつきますね。性格悪いのがもったいない」
「おい」
まるで夫婦漫才のような2人のやりとりに思わず噴き出して、エスプレッシーヴォはキッチンの方を眺めた。
色とりどりのパエリア、鮮やかなカルパッチョ、釜焼きの、芳醇で香ばしいピッツァ、オードブルにリゾット。料理の天才である2人の、これ以上ない力作だ。
「…ま、なんてったってパーティーだからね」
その呟きは、小競り合いを続ける2人には、聞こえていなかったらしい。
「やっと…終わりました…もうダメ…」
手にミトンをはめたままふらふらとキッチンから出てきたスピリトーゾは、エスプレッシーヴォが座っていたソファの前に立つなり、クッションの中に倒れ込んだ。
「うお、ビックリした!…マルカート、お前…無理させすぎじゃないか?これ相当疲れてるっぽいけど」
「まあ、悪かったな。とにかく終わったから…あとは俺たちで会場まで運んでおいてやろう」
目も眩むような美しい料理の数々を全てバスケットに載せた後、エスプレッシーヴォは尋ねた。
「あれ?最後に焼いたこのケーキ生地はカゴに入れないの?」
「ん?…ああ、こっちは運ぶ先が違うんだよ。このバスケットは会場。ケーキは…スタジオ、って言ってたかな」
「何それ」
「俺もよくは分からない」
2人が話しているのにも気付かないスピリトーゾは、もうすっかり夢の中。
その寝顔には、仕事をやり終えた満足の笑みが浮かんでいた。
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